「キャッキャッ」小僧
「これ!しっかり拝め小僧!」和尚様
「良いでねえか和尚様ー。1日位バチ当たりゃしねえよ。」小僧
「馬鹿者。仏様を拝むのは大切な事なのだ。」和尚様
ここはとある山奥のお寺。悪戯小僧の見習い。その面倒を見る和尚様。小僧は仏様を拝む事なく外で遊んでいる。
「だからしっかり拝め!」和尚様
「はいはい。仏様。今日も見守って下さい。いつもありがとうございます。」小僧
「良し。よかろう。ほれ、今日は雑巾がけじゃ。ワシは落ち葉集めをしておるからな。」和尚様
「はい和尚様。」小僧
根は優しく、しっかり和尚様の話を聞く小僧。悪戯しなければ、可愛い子供なのだが。
翌日
「和尚様!栗拾いに行きたいだよ!」小僧
「ならん!」和尚様
「なんでだよー!」坊主
「あの山にはな。恐ろしい鬼が出るのだ。お前みたいな坊主はあっちゅう間に喰われるぞ。」和尚様
「そんなのいねえだよ。行きてえだ!行きてえだ!」小僧
小僧は駄々をこね、和尚様にねだる。和尚様は呆れている。
「はー・・・分かった・・・。お前みたいな悪戯小僧は一度怖い目にあった方が良い薬になるさ!」和尚様
「やっただー!」坊主
小僧は飛び跳ね喜ぶ。そして、和尚様は懐から三枚のお札を取り出す。
「ほれ。」和尚様
「?なんだべ。このお札はー?」小僧
「それはお前を守ってくれるお札じゃ。鬼が出れば使うが良い。」和尚様
「分かっただー。和尚様。土産楽しみにしててくれだ!」小僧
「はあ・・・根は優しい子なのじゃがなあ・・・」和尚様
小僧はかごを背負い、山へと駆けていく。和尚様は心配そうに見ていた。
山にて
「おっ!大量だ!」小僧
坊主はそこらじゅうの栗を拾いまくっている。ちなみに、作者は甘栗が好きだ。坊主はかごがいっぱいになるほどまでに集めた。
「あれ・・・?もうこんなに暗くなっちまっただ・・・。」小僧
山はすぐに暗くなる。夏の終わり、ヒグラシの声が聞こえるのは、なんとなく恐怖を煽るものだ。
「ど・・・どうしよう・・・」小僧
ガサガサ
「ひっ!?」小僧
茂みの方からガサガサと音が聞こえる。暗く、冷たくなる山の中は茂みの不気味さを増幅させている。狼?猪?熊?いやいや。それとも…
「あの山にはな。恐ろしい鬼が出るのだ。お前みたいな坊主はあっちゅう間に喰われるぞ。」
「・・・も、もしかすっと…。」小僧
小僧は和尚様の言葉を思い出す。小僧はさっきまで、鬼の事は和尚様が作ったただの話だと考えていた。しかし、今はその言葉が脳内で何度もこだまする。小僧は青ざめガタガタ震えている。
「やあ」赤鬼
「だぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!????」小僧
小僧は泣きながら走り出す。ほんとに目の前に鬼が現れたので、小僧は小便漏らし、青ざめながら山を急いで駆け降りようとする。
「待ちなさい!」青鬼
ポヨンッ♪
「んぐっ…!?んー!!!」小僧
「全く。こんな時間に出歩くなんて悪いコ…」青鬼
むぎゅむぎゅむぎゅぎゅーっなでなで
「(なんだろう…甘くて…ふわふわする匂い…)」小僧
ああ。なんということだろうか。小僧は鬼の仲間に捕まり、その胸の中に抱きしめられている。もう喰われてしまうのは時間の問題か。哀れ小僧の人生はここで幕を閉じ……………無かった。
「もう。山を下りた先のお寺の男のコね。」青鬼
なでなでなでなで
「うう…頭を撫でないでおくれよ…」小僧
「へっへっへ。悪いガキだなあ。オイ。」赤鬼
「ひっ!?」小僧
「今夜はもう遅い。どうだ。アタシ達の住処に泊まらないか?」赤鬼
「あ…あわ…」小僧
怖い鬼が目の前で住処に泊まれなどと。そんなことを言われれば皆断る。小僧も勿論断ろうとするが…
「大丈夫…怖いことなんかしないから…」青鬼
ぎゅーっむぎゅむぎゅむぎゅ
「は…はい…」小僧
小僧はすっかり綺麗なお姉さん(鬼)に言いくるめられてしまっている。作者だってそうする
「良し。決まりだ。」赤鬼
「わっ!わぁ!」小僧
赤鬼に小脇に抱えられ運ばれて行く。これからどうなってしまうのだろうか?
「ほら。アタシ達の住処だ。」赤鬼
「大きい…」小僧
赤鬼と青鬼の住処はとても大きな屋敷だった。寺をもしのぐレベルだろうか?立派な和の趣きある屋敷である。
「まずはお風呂に入ってきなさい。ね?」青鬼
「は…はいっ…!」小僧
小僧は風呂に入り先程、小便で汚れた股を中心にゴシゴシ洗う。その間に2人の鬼は夕食の用意だ。
「着替えここに置いておくわねー?」青鬼
「は、はい!ありがとうございます!」小僧
小僧は少しビクッとしながら返事をする。まだ信用していないからで
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