「よし・・・アイツはいないな・・・」
ここはとある高校。隠れながら高校へ向かう彼の名前は 大場 大樹 (おおば だいき)なぜ隠れてるのかというと・・・
「だいちゃ〜ん!」
「げっ!」大樹
ダッ!
「なんで逃げるの〜!」
「来るな藍!日傘も危ないだろ!」大樹
「待って〜!」藍
大樹に迫る彼女はトロールの 山中 藍 (やまなか あい) 毎朝一緒に登校する大樹の幼なじみである。今日も日傘を振り回し、身に付けている綺麗な花を輝かせながら大樹に迫る。
「ひいい!」大樹
「とおお!」藍
グニュッ
「むぎゃ!」大樹
「えへへ〜捕まえた〜」藍
「ぐるじい・・・重い・・・」大樹
「むっ!女の子に重いなんて失礼だよだいちゃん!」藍
「うるせえ・・・」大樹
今大樹は藍に潰されている。藍は構わず大樹を抱き締める。
「なんで毎朝逃げるの?」藍
「だってよ・・・俺と身長が違いすぎるからだよ!」大樹
「へ?」藍
藍はトロールということもありでかい。何もかもでかいそれは身長だけでなく胸もお尻も・・・失礼。しかしそれだけでなく・・・
「うーん。別にだいちゃんはちっちゃくても可愛いよ?」藍
「うるせえ!」大樹
そう大樹が小さいのだ。藍は180cmという長身に対して大樹は150cm。凄まじく小さいのだ。名前負けしてしまっている。小さな頃はたいして変わらなかったのだが、変化が起きたのは小学生の頃だ。急激に藍の身長が伸びたのである。大樹はこの身長をコンプレックスに感じてしまい、藍を避けているのだ。
「また夫婦でなんかやってるぞ〜」モブ
「大樹生きてるかー?」モブ
「夫婦じゃないよ〜まだ恋人だよ〜」藍
「恋人でもねえだろ!」大樹
「違うの・・・?ウルウル・・・」藍
「うっ・・・」大樹
大樹は藍のウルウルした目に弱い。いつもこの目に負けてしまう。
「・・・勝手に思ってろバカ」大樹
「えへへ〜じゃあ勝手に思ってるね〜」藍
「ヒューヒュー!」モブ
「熱いな!」モブ
「黙れバカ共!」大樹
とまあいつもこの調子なのだ。微笑ましい?限りである。
〜授業〜
「で、この計算が・・・藍。解いてみろ。」先生
「え〜と3?」藍
「違う」先生
「だいちゃん助けて〜」藍
「うるせー5だ。」大樹
「5だって先生」藍
「うん正解。だけど自分で解きなさい。」先生
「ごめんなさ〜い」藍
こんな感じの毎日なのである。藍は少々おバカなのでいつも大樹に助けを求める。大樹も文句を言いつつもしっかりと答えを教えてあげるのだ。
キンコンカンコーン
「おっもうこんな時間か。今日はここまで。飯だ。」先生
お昼の時間となり皆それぞれ弁当を用意したり、学食を食べに移動する。大樹は・・・
「屋上ならアイツもいないだろ・・・トロールだし・・・」大樹
大樹は隠れながら屋上へと移動する。
〜屋上〜
「よし・・・誰もいn「だいちゃ〜ん♪」藍「ちくしょおおおおお!!!」大樹
日傘を立てて藍は屋上で待っていた。大樹を待ち構えていたのだ。
「なんでいるんだよ!」大樹
「だいちゃんを待ってたの〜お弁当食べよ♪」藍
「ぐぬぬ・・・」大樹
「だいちゃんの好きなウィンナーとか唐揚げ作ったんだ〜♪食べよ♪」藍
「分かったよ・・・」大樹
もうここまで来れば立派な恋人だ。爆発すればいいのに。
「あ〜ん♪」藍
「ああん!?」大樹
「今だ!」藍
「むぐっ!」大樹
「美味しい?」藍
「美味しい・・・」大樹
「わ〜い♪」藍
「なあ・・・なんで俺についてくるんだ?」大樹
「好きだから〜♪」藍
「なっ・・・!」大樹
「あ〜赤くなってる〜♪」藍
「ぐっ・・・うるせえ!」大樹
「えへへ怒った〜♪」藍
「くううう!!!」大樹
こんな風にいつも藍のペースに乗せられてしまう。
「ねえねえだいちゃんはなんで私のこと避けるの?」藍
「ぐっ・・・」大樹
「私のこと・・・嫌い?」藍
「そうじゃねえ!嫌いなんかじゃない!くだらない理由なんだよ・・・」大樹
「どんな理由?」藍
「朝も言っただろ?身長が嫌なんだよ・・・俺はすごいチビだろ?だけどお前は大きい・・・女の子に大きいなんて失礼だろうけど、それでも俺は羨ましいんだよ・・・お前と一緒じゃ余計に俺はチビに見られる・・・それが嫌だからお前を避けてたんだよ・・・」大樹
「・・・・むー!」藍
「へっ?」ムギュッ!!!「むぐっ!?」大樹
藍はいきなり大樹を抱き締める。ムチムチした体がすっぽりと大樹を包み込んでしまった。
「だいちゃんはこうやって抱き締められるから私は好きだよ?それに初めてだったんだよ?私は大きいから周りから変な目で見られてたとき、だいちゃんだけが真っ直
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