住民たち@

ここは、関東某地にある閑静な街。自然豊かな緑に囲まれている。
よくいえば自然豊かな田舎
悪く言えばなんにもないベットタウン
そんな街にそのアパートはある
築25年、階段の横には昔懐かし、共同ボットントイレ
さすがにそのままではまずいと思ったのか各部屋の内装は、トイレ付ユニットバスがついてはいるがいささか古さが目立つ

こちらとあちらとの穴が繋がって早3ヶ月
思えばいろいろなすったもんだがあったものだ

俺は加瀬晃
魔界移住計画全権大使ことメアリー様とサキュバスのレナちゃんに骨抜きにされ、しぶしぶながらではあったが
魔界移住計画-日本支部の責任者なんてモノをやっている
犯罪臭がぷんぷんしていたのでできれば遠慮したかったのだが

『異世界の人間共が決めた法律など知らん!治外法権じゃ!!』

この一言でどうでも良くなった

それにしても最近、ネット上にひそかに作っておいた人材募集ページには閲覧者が増えている
世の中不景気、人の心も荒んで来る。嫌な世の中になったもんだ

『人の心に隙ができればできるほど、我等は仕事がしやすくなるのじゃ。さぁ四の五の言ってないでもっと多くの人間どもを取り込む案を出すのじゃ!!』

そう言われて、魔法陣と音声情報などを加工してHPを作りうpした。
俺のしたことはここまで。閲覧者の転送はバフォ様が、呼び込みはレナちゃんがしている
しかし、俺の部屋にひっきりなしに移住申請者が飛び込んでくるのだからたまらない。プライベートも何もあったもんじゃない
俺も一応は会社員。社会人はそうそう仕事を休めない
かといって留守にしたら、彼女たちが何をしでかすか分かったものじゃない
苦しい胸の内をバフォ様に提言したら、

『確かにこの部屋だけでは、手狭じゃのう。この建物すべてを我が物とし、前線基地…いや、大使館としてくれようぞ!!』
という運びになった。

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その日、202号室にて、作戦会議が開かれていた
「バフォ様、本当にこのアパートを大使館にするんですか?」
「もちろんじゃ。アキラよ、いいかげん腹を括れ。われ等はもはや共同体ぞ?“いんたーねっと”とか言う媒体を使って希望者をあちらに送った時点でお主も我等と同じ“犯罪者”じゃ」
「アキ!送っていった人たちみんな喜んであっち行ったわよ?」
「・・・それは分かっているよ。みんないい顔していたもんな。しかし、このアパートすべてとなると住民すべてを何らかの方法で追い出さなくてはいけないだろ?それにここの大家もいるし・・・」
「そんなこと簡単じゃ!ここの住民すべて魔界送りにしてやれば問題はない!」
「そんな無茶な!」
「無茶ではないわ。その大家とか言う者を丸め込んで送ってやればここのすべては獲ったも同然じゃ!!」
「・・・あのおばはん相手にするんですか?勘弁してくださいよ〜」
「やろうと思えばなんとかなるものじゃ!というかなんとかするのが日本支部責任者のお主の役割じゃ!」

ピンポーン
ドンドンドン!!

『加瀬ちゃん?加瀬ちゃん!いるの?ちょっと大家からのお知らせよ!出てきなさい!!』
「・・・なんてタイミングだ・・・」
『あくまでシラを切る気なら家捜ししちゃうわよ?いないのならやっぱり家捜しね!!オーヤの特権マスターキー!!』
「!!はいはいはいはい!!いますよ!今開けますよ!!」

ガチャ

「あーらやーぱり居たのね。今日はお仕事休み?サボりはいけないわよ?風邪?なら私が添い寝してあげる!!」
「謹んでお断りを述べます!」
「つれないわね〜。まぁいいわそれよりも最近、加瀬ちゃんのこの部屋!ドタバタうるさいって下の吉野さんが言っていたわよ?
性欲でも発散させているの?それなら私をよんでちょうだい!!どんな要求も聞いちゃうわ!!」
「下の吉野さんには後で謝っておきます。他に用がないのでしたら、調子も良くないんでこれで失礼します」
「・・・そう?じゃよろしくね!・・・あらもうこんな時間!!カンドラが始まっちゃう!!ぺッ!私のペッ!!待っててね〜♪」

バタン!

「どんな要求も聞いちゃうそうじゃな」
「聞いていたんですか?勘弁してくださいよ〜」
そう、あの大家もう50以上なのにあんな感じで迫ってくるからおっかない。一昔前に流行ったオバタリアンみたいな顔しているのがよけい気持ちが悪い
101号室に住んでいて、時々こうして寄ってくる。本人としては軽いスキンシップのつもりなんだろうが正直うっとうしい
「アキはあんな年増がいいの?」
「レナちゃん!この世には言っていい事と悪いことがあるんだよ?なんであんなしわしわのババアを相手にしなけりゃいけないんだ!!俺はもうこのっ!!乳一筋さ!」
「きゃ
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