「ふぁ…」
……?
……あれ〜?
わたし、なんでおきてしまったのでしょうか…?
まどの外に見えるお空はまだ…お星さまがみえます…
きらきら…とぉってもきれい…
こうして…ふかふかの藁に寝そべっていると…
ふわぁぁぁ…また…ねむっ……くぅ……
「ふみゅ……?」
…なにかがいつもと、ちがうような…
それは、とても…たいせつなことのような…気がします…
なんでしょうか…?
ねむい目をむりやりあけると…部屋のなかに…わずかな明かりがあることに気が付きました
いつもだったらこんなことはないのに…
ごしゅじんさまが何かをしているのでしょうか?
わたしのたいせつなごしゅじんさま
わたしは、とある牧場の牛さんたちに混ざって草原で寝るのが好きだったのですが…
ある雨の季節でした。何日も降り続く雨で、わたしは雨宿りがしたくてちょっと牧場の牛舎の軒下を借りていたのです
雨のこない軒下。びちゃびちゃしないで乾いている地面…久しぶりにわたしはいい眠りについたのでした…
気がつくと…ふかふかの藁の上でわたしは寝ていたのです
牧場の人…はいいました
『気に入ったのなら、いつでも寝てていいよ?』
…と。ふかふか藁のベッド。その誘惑にのってここにお世話になることとなりました。それ以来、わたしは彼のことを“ごしゅじんさま”とよんでいます
でも、お礼をしたいのにいつも眠くなってしまってお礼ができません
わたしは、ワーシープ。心地よい眠りをいつでもご提供できます。だから、いっしょに心地いい眠りをしてもらいたいと思います
ですが、ごしゅじんさまが寝るときは、いつも…もともとそうなのかわかりませんが…ドアに鍵を掛けてしまわれます
わたし…ごしゅじんさまのためだったら…おふとんでも抱きまくらにでもよろこんでなりますのに…
明かりの漏れている部屋の前…
そっと…
そーーーーっと覗きます
鍵をかけてしまうと…明かりが漏れないのですが…今は、指一本分だけ隙間が開いています
目をこらして中を見ます…
すると、足の裏が見えました
投げ出された足も見えます…
どうやら、ベッドに身を投げ出したまま寝てしまったのでしょう…
うつぶせで寝てるごしゅじんさま
そんな寝かたじゃ、くるしくないですか?
わたしは、そぉっと中へと入ると、しずかにそのよこへと寄り添います
「ごしゅじんさま〜?」
そっと耳元で呼んでみます
「……」
「いいゆめをみてくださいね」
「…ん……しーちゃん」
ええ?返事をしてくれました
しーちゃんとは、ごしゅじんさまがつけてくださったわたしの名前
シープだからしーちゃんとつけてくださったらしいですけど…そう呼んでくれたとき、とっても…とってーもーーーっ!わたしはうれしかったのです
おだやかな寝息をたてるごしゅじんさま
やすらかな寝顔ですりよってくれます
…かーわーいい♪
ごしゅじんさまこんな顔をして寝ているんですね
かわいくてつい頬ずりしてしまいます
そのうちに、ごしゅじんさまの温もりに包まれて、わたしもねむく…なって……くぅ…
……ねむいですぅ
でも、わたしはがんばります。ごしゅじんさまにもっときもちいい眠りを…
ごしゅじんさまの胸は規則正しく膨らんだりしぼんだりします。それを感じながらお顔をみると…
笑顔がみえました
「…しーちゃん」
…どんな夢を見ているのでしょう?わらいながらわたしの名を呼んでくれるなんて ♪
わたしの名をよんでくれるお口…
お口……目の前にあるごしゅじんさまのお口…
だんだん近づいて…
ん♪
そうするうちに…わたしの口とごしゅじんさまのお口とがくっついてしまいました
ん♪
…離してみます
「……」
もう一度、くっつけてみます
んっ♪
なんか…なんか…とても幸せな気分です
わたしは何度もそうしてしまいます
「…んん?…しーちゃ…ちゅ…」
とつぜん、名をよぶごしゅじんさま。……いまの
いまの“ちゅっ”て…とてもしあわせな音がしました
ちゅ…。どうしてしまったのでしょう?心がどきどきしてきます
ちゅ…。もっと“ちゅ”したい。もっとちゅってしたい!
どうしたら、“ちゅっ”ってできるの?くっつけるだけでは“ちゅっ”ってしあわせな音はしてくれません
さっきは、ごしゅじんさまがお口を開いてくださいました。じゃぁ…お口を開いてくださいましたらまた…ちゅってなるのかも…
わたしは、どうしたらいいのかもわからずに、ごしゅじんさまの唇を舐めてみました
ぺろぺろ…ぺろぺろ…
「しーっ…んんん?…ちゅっ」
やった♪ “ちゅ”
ですが、ベロがごしゅじんさまのお口の中に飛び込んでしまいました
ごしゅじんさまのお口の中…なんだか…とても…おいしい…
ごしゅじんさまのお口の中は…とてもおいしいなにかがあったのです
ちゅ…ちゅっ……ちゅるっ……
おいしい♪ おいしいの…
お
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