ワタシはの名はミーリエル。種族は、リザードマン。職業は記者だ
そして、ワタシの夫の名は、ユージ。人間だ
彼は、この世界とはまったく違う異世界からやって来た人
この世界の住人であるワタシと異世界からやって来たユージがなぜ惹かれあったのかまでをここに記しておこうと思う
事の始めは、ワタシがある人物を取材しようとしたことだった
あれは、寒い日も少なくなり春の日差しが温かくなる頃だった
その日、ワタシは近くの街にとある人物がやってきたという情報を元に、街へと急いでいた
なんでも、魔界にいる高等な魔物であるバフォメットを師に持っているという魔女殿だという
そんな、すごい師を持つ魔女がこの地に訪れているらしい
これを記事にしない手はない!と・・・
街の宿に滞在中であるという。宿には、背丈はワタシの胸ぐらいの高さで、赤い三角帽子、赤いローブを身につけていた。胸元には何かの動物を象った首飾りのような金細工をつけていて、青いガラスのような透き通った目が印象的な可愛らしい魔女さんがいた。彼女は、ディナーを食べながら申し出を引き受けてくれた
「ボクの名はアースリー・メルズ、メルとでも呼んでくれ。各地を巡って不思議なことはないかと探しているしがない魔女さ。君の言うように確かに、バフォメット様を師としている。でも、あの方はお忙しい方だし、ボクもこうして旅ばかりしているからついぞしばらく師の主催されているサバトにも顔を出していないのだよ。だから、すごいと言えるほどの力を持っているか?といえば少々疑問ではあるけどね。でも、折角訪ねてくれたんだ。魔法の一つでも見せてあげようじゃないか」
そう言うと、彼女は快く次の日にでも取材させてくれるという…
次の日の昼頃、街の外れにある広大な牧場で、魔法を見せてくれる約束をした
翌日昼頃、撮影の準備のためにカメラを固定する為の三脚や機材を持ち込みその時を待っていた
約束の時間通りにやってきたメル。牧場の柵沿いの道をゆっくりとこちらに向かってくる三角帽子が見えた
彼女は挨拶を交わすと、カメラを物珍しそうに見つめている
なんでも、とあるサバトが風景や人を絵に写し取るものを作り出したことは知っていたが、現物を見るのははじめてだったらしい
「それがカメラというものなのか、なかなか大きい箱なのだな。ほう!これが写真というものか。まさに生き写しだな。しかし、色は付いていないんだね」
カメラと撮った白黒写真を見せると感心たように声を上げた
しばらく見せると、これから見せる魔法がどんなふうに撮れるのかワクワクするように、
「さぁ!やってみよう!!う〜ん・・・それじゃ、雷撃魔法を撃つことにするよ?こういうものは派手な方がいいだろう?では、少し離れてくれ。魔法という制御された雷ではあるけれども、やはり危険はあるからね」
と、言った
ワタシは少しでも良い絵が撮れるようにメルのから少し離れた位置で身構えた
メルの斜め前あたりでカメラを構えたワタシは、雷撃と魔方陣そして構えをとるメル・・・そんな構図を予想していた
魔法の詠唱・・・
雷撃は、少し離れた所にある切り株に当たる予定だった
でも予想外のことが起こった
彼女の手から離れた雷撃は何故か途中の空間に留まった
何もない空間で渦を巻き始めたいた雷撃
イカン!と叫ぶと雷撃を中止したメル
瞬間、渦を巻いて空中に留まっていた雷撃は四方に弾けた
弾けた雷撃は周りの地面に落ち、落ちたところをえぐっていた
ワタシのカメラにもそれは当たった
幸い、それは鉄の三脚にあたったらしい
それでカメラの一部が割れたことと、衝撃で倒れてカメラを守ろうとそれを抱えて尻もちついたワタシだけで被害は済んだ
なぜか失敗し、カメラを破損してしまったメルは本当に申し訳なさそうに謝った
大丈夫なのに謝り続けたので“カメラの修理を終えたらすぐにでもまた撮り直せばいい”そう説得してその日は別れた
誰だって調子の悪い時はある。まして、まだカメラは珍しいものだから緊張してしまうことはよくあることだ
これがすべての始まり・・・
この後、ワタシは誰もしたこともない、ときめきと悲しみと喜びを体験することとなる
家に帰ると、早速撮った写真を現像する為に地下室にある薬品の中に乾板を漬けたりして処理する
徐々に浮き上がる絵
でも雷撃の強すぎる光が入ってしまったのかあまりよく映っていない様子・・・
処理して現像した乾板が乾くのを待つ傍らカメラの状態を見ようと居間に来ると、ポットの中のお湯をコップに注ぎお茶をつくる
雷撃はカメラと三脚とを固定する金属の座に当たったらしい
よかった。レンズがはめ込んであるほうに当たらなくて・・・もし当たってしまったらレンズが割れるかゆがんでしまっていただろう
ひと安心してカメラを覗き
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