カーニバル・オブ・グール

「ちゅぱっ、はぐっ、はぐはぐ」
 彼女はベッドの上で僕の指を惚けた表情でしゃぶる。
「んっ、おいひい」

 僕が彼女と出会ったのはつい昨日のことだ。
 学校帰り。
「すんすん」
「………………」
 電車の中、制服姿の彼女は隣で僕の匂いを嗅いでいた。
「すんすん」
「あの…………僕臭いですか?」
 ちゃんと毎日風呂は入ってるし、今日もそこまで汗はかいていないはずだ。
「すんすんすん」
「あ、あのう」
「ちょっと黙って、まだアタシが匂い嗅いでるんだから」
「あっはい」
 彼女の顔がだんだんと僕の首の辺りに近づいていく。彼女の胸元は防御が甘く、チラリと谷間が見える。
 男としてドキドキしないわけがない。
 周りからの視線が突き刺さるが、この幸福に比べればなんてことはない。
「すんすん、ぺろ」
「ひゃっ!」
 首筋を舐められる。
「うるせぇな、女みてぇな声出してんじゃねえよ」
 耳元で彼女は囁く。
「はぐっ」
「っ!」
 今度は耳たぶを噛まれる。それも強めにだ。
 電車が駅に着く。
「気に入った。お前、明日の午前十時にここに来い」
 またそう囁いて彼女は電車を降りた。彼女の笑顔が脳裏に焼き付いた。

 家に帰り鏡を見ると僕の耳たぶにはくっきりと歯形が残っていた。
 じっとその歯形を見ているとどうしても彼女の姿を思い浮かべてしまう。
 彼女の腰まであった艶のある長いベージュの髪、少しだけ見えた豊かな褐色の双球が作る谷間、そして去り際に見せた笑顔から見えた八重歯。
 心臓が高鳴る。
 息が荒くなる。
 どうしてだろう、下品な話、こんなにも勃起してしまうのは。
 僕は自分のペニスに手を伸ばすが、何を思ったか手を止めてしまった。
 こんなにも興奮していては眠れない、それはわかっているのだが何故かオナニーができない。
 その興奮は夜中ずっと鎮まることはなかった。

 翌日、休日であることが救いだった。
 僕は寝不足でふらふらする頭のまま電車に乗った。
 昨日、彼女が降りた駅につくと、
「来たな、人間」
 僕は手を引かれ彼女に導かれるまま廃墟の一室に連れ込まれた。彼女は僕の膨らんだ股間を見て言う。
「よく我慢できたな………まあ、アタシがさせないようにしてたんだけどね」
「き、君は何者なんだ!?」
「アタシはグールの蠏葉理澄(かにば りずむ)だ」
「ま、魔物娘!?」
「あんな大胆なことする人間がいてたまるかよ…それよりも」
 彼女は跪いて僕のジッパーを下げズボンを脱がす。
「さっさといただいちゃおうかな」
「お、おい!」
「大丈夫、こんなところ誰も来ないって」
「そういう問題じゃなくて」
「あんただってヤりたいくせに何言ってんのよ」
 彼女は僕のパンツも下ろした。
 すると痛いほどギンギンに固くそそり立つペニスが現れた。
 外気に触れるだけでイってしまいそうだ。
「おっきぃ……………
#9829;」
 僕のペニスに息を吹きかけてくる。
「んんっ!」
「あははっ、イきそうなんだぁ。苦しい?楽にしてあげようか?」
「はぁ………はぁ………」
 僕はゆっくりと頷く。
「あむっ」
「あああああぁっ!」
 ビュクビュク
 咥えられたら瞬間、僕のペニスは噴火し白濁した溶岩を吐き出す。
「んんんん」
 彼女は苦しそうに呻く。口の端や鼻から精液が漏れ出す。
 ビュルル!
 排尿となんら勢いの変わらない射精を十秒ほど続けた。おそらく彼女の口の中はすでに満杯だ。
「んっ」
 彼女は勢いよく口からペニスを引き抜く。その刺激でまた少しだけ精子が飛び出る。
「んくっ…………ぁん」
 彼女は僕に口の中を見せてくる。一回飲み込んだように見えたがそれでもまだたくさん残っている。
 とてつもなく淫靡で淫猥な光景だ。僕のペニスがまたピクリと動く。
「こくっ、くちゃ、んちゅ、ぐちゅ」
 咀嚼し、じっくりと味わった後にまた喉に流し込む。
「はぁ………はぁ、すっごいたくさん。しかも濃くておいしぃ
#9829;」
 顔についている精液を彼女は指で拭い舐める。
「やっぱりアタシの予想通り、最高だよあんたは」
「さ、最高って……」
「さて、まだまだ出してもらうからね、覚悟しときな」

 そして場面は冒頭に戻る。
 その間にも色々とされていたのだが。
「んっ、なかなか大きく、ならないね。やっぱり一晩溜めさせてたときとは違うか」
 理澄は指から口を離す。僕の指は理澄の唾液でてらてらと光っている。
「……………れろ」
「おっ、ノってきたね」
 僕は理澄の唾液を舐める。
「おいしい…………」
「そう?じゃあ………直接あげる」
 理澄が僕にキスをした。
「んちゅ、やっぱあんたの、れろれろ、全部最高、ちゅぅ、全部ぜんぶ、アタシのもの」
 キス、というにはあまりにも激しい捕食とも呼ぶべき行為だった。
 舌も頬も
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