「私はヴィオラだ……よろしく」
この家に来てからどれくらい経っただろうか。ここは朝と夜が混ざり合っていていつも薄暗い、そのせいで一日があやふやになってしまっている。
きっとここにいれば一日も、一週間も、一ヶ月も、一年も同じように感じてしまうのだろう。
「さぁ、ハワード。体を洗うぞ」
ヴィオラは石鹸を手に取る。
「うん」
ここに来てから、僕の身体を洗うのはヴィオラの役目となっていた。当然、いつだってお互い全裸だ。
本当は自分のペースで洗いたいのだけれども、絶対に洗わせてくれない──もうそれにも慣れてしまったけども。
もう自然に彼女に身体を預けてしまっているけども。
くちゅくちゅ……ぐちゅぐしゅ……わしゃわしゃ
その小さな手のひらを擦り合わせると、次第に石鹸は泡立っていく。
ぴと
その泡立った手のひらを、僕の背中に押し付ける。冷たい、気持ちいい感触が伝わってくる。
くしゃ わしゃ
ぬるぬると円を描くように僕の背中に石鹸を広げていく。あぁ、今僕は女の子に背中を洗ってもらっているんだ、そう考えると今更ながらドキドキしてしまう。
そこで考えてしまう。僕はこのままでいいのだろうか。
何日もここにいさせてもらって、いろいろと……本当にいろいろとしてもらいながらも僕はいまだに『家族』になる決心がつかないでいる──もちろん、今すぐにでもなるべきだってわかってる。
でも、
ぴと
「なぁ、ハワード。今、ドキドキしているか?」
「っ」
彼女が、僕に抱きついてくる。僕の首に腕を回し、背中に胸を押し付け、耳元でそう囁いた。
冥界の奥底から響く幽かな声。
でも、可愛くていつまでも聞いていたくなるようなそんな声が耳をくすぐる。
ドキドキ……する?
「……わかんない」
「……そう、だったな」
彼女はその姿勢のまま、今度は僕の胸やお腹を擦る。背中のときとは違っていやらしい、愛撫のような手つきで。
そして、背中に押し付けている胸──他の二人に比べると随分と薄いそれを上下させる。固い二つの乳首がくすぐるように僕の背中に擦れる。
「んっ」
「気持ちいいか? ハワード」
また、あの声。
恐ろしくも可憐なハスキーボイス。
僕のおちんちんが固くなるのは避けられないことだった。
「ハワード……」
人差し指。彼女の細くて今にも折れそうな右の人差し指が胸、へそ、そして──そそり立つおちんちんの先っぽへと滑っていく。
「可愛い……」
そのまま指はおしっこの穴の周りをなぞる。
「ぁぅうっ!」
にゅく、くちゅ
そして石鹸でぬるぬるになった冷たい手のひらでゆっくり、じっくりと時間をかけて僕のおちんちんを上下にしごく。
ちゅこっ、ちゅこっ、ちゅこっ
「ぁっ
#9829;ぁっ
#9829;ぁっ
#9829;」
「しこ……しこ……」
耳元で聞こえるヴィオラのエッチな掛け声。
「ぃい゙……あぁ
#9829;」
「はぁ……
#9829;手の中でペニスがビクビクしてるぞ……
#9829;」
彼女の言うとおり、僕のおちんちんはどうしようもなくビクビクしていた。射精したい、たとえ子供ができないとわかっていても彼女の手の中に精液を吐き出してしまいたかった。
だけども。
「しこ……しこ……ぎゅ〜っ
#9829;」
「あぁうっ!」
僕がイきそうになる寸前、彼女はぎゅっと僕のおちんちんを握りしめる。
「ふふふ……しこ……しこ……」
「ヴィオラぁ
#9829;あぁ
#9829;」
ひどい。ヴィオラは絶対僕の射精のタイミングがわかっている。ちゃんとわかっているうえでタイミングを外してくるんだ。
ここ最近はずっとそんな感じで意地悪をしてくる。理由は多分。
「うぅ
#9829;や、やめてよぉ
#9829;」
「やめない」
多分、僕がいつまでも決断しないからなのだろう。いつまでも『家族』にならないからなのだろう。
「ねぇ、ハワード……どっちなの?」
「!?」
驚いた。いつもは少し偉そうにボソボソとしゃべるヴィオラなのだけれども、今、彼女は甘えるような声ではっきりとそう言ったのだ。
「ハワードぉ……どっちなの?」
「はぁ
#9829;はぁ
#9829;ヴィオラぁ
#9829;」
「私、怖いよ……このままハワードが『家族』になってくれないんじゃないかって」
「っ
#9829;……っ
#9829;」
彼女の我慢も、限度なのだろう。きっとライラお姉ちゃんやエイミーもそうなのだろう。
「いやだよ、ハワード。私……うぅん、みんなずっとハワードと一緒にいたいって思ってるんだよ?」
「ぁ゙……ぁぁ゙
#9829;」
「ねぇ、ハワード……何か私たちにいやなところでもあるの?」
いやなところ……あるわけがない。
毎日みんなと一緒にいるのは楽しい。
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