ごっくんミルク

「おにいさん………メ、メリークリスマス」
「…………いや、クリスマス昨日なんですけども」
 ドアを開けると、サンタ姿の魔女がいた。



 虚無に満ちあふれたクリスマスが終わり十八時間くらいは経っただろうか。
 なんだかかなり前のことのように感じる。なんとなく部屋でゴロゴロしていたのが一年前の出来事のようにぼんやりと浮かぶのだ。
 が、しかし、つい昨日がクリスマスだったことは事実である。ぼんやりとしているのは記憶に残るようなことをしていないからだ。
 ───そして、その空しさが残っているのもまた事実である。ぽっかりと心に穴があいたような空しさ。死にたくなるような虚無感。
 パない。何に対してもやる気がおきないっす。
 ということで気分転換がてらコンビニに食べる物を買いに行こうとボロっちいアパートの一室を出た時のことである。

「め、メリークリスマス」

 と、ドアの前に赤いサンタ服に身を包んだ魔女がいたのだ。
 魔物娘とはいっても見た目は普通の少女……なのだがやはり実際に遭遇してみるとオーラが違う。
 あ、こいつ何かしでかしそうだな、という雰囲気がぷんぷんとにじみ出ている。
 実際そいつは。
「あの……プレゼントです」
 と言って赤い上着の前を開いた。すると────

 ぺったんすとんな寸胴のボディ、そして桜色の健康的な乳首が露わに──

「お、おい!」
「きゃっ!な、何するんですか!やめてくださいっ!」
「静かにしろ!大きな声出すな!」
 セリフだけ見ると俺が幼い少女に襲いかかる暴漢にしか見えないのだが、勘違いしないでいただきたい。
 現在俺は必死に少女の裸体を隠そうとしているのだ。彼女の手をつかみ、上着の前を閉じさせようとしているのだ。
「ら、乱暴にしないでくださいっ!」
「じゃあ大人しくしろよ!」
 こんなシーンを他の住人に見られたら非常にまずい!社会的に死ぬ!
「ぃ、いやっ!」
 だが、そんなに俺を抹殺したいのか、彼女は頑なに抵抗をやめようとしない。
 そうしている間にも上着ははだけ、どんどん幼い肢体が露出していく。
 こいつ、下に何も着てないのかよ………
「お前、いい加減に────」
 ガチャッ
「!」
 鍵の開く音がした。
 まずい──────
 俺は慌てて彼女を抱え込み、自分の部屋に飛び込んだ。



「やってしまった………」
 これまでの人生、家に女の子を呼んだことなんてなかったのに………
 それなのにまさか、こんな変態露出狂幼女をつれこむことになるだなんて………
「へくちっ!」
 と、ここで彼女がくしゃみ。
 あぁ、そうだ。こんな時期にそんな格好をしているのだ、寒いに決まっている。
 俺はタンスから適当な部屋着を引っ張り出し、サイズは合わないが無理やり彼女に着せる。
 これでなんとかなるだろう。

 さて、いったい何故彼女はこんなことをしでかしたのか。
 聞いてみると。
「私、魔法が使えないんです……だから魔力がほしくて……それで男の人……特に童貞さんのオチンポミルクがほしいんです」
 ふぅむ…………
 まるで意味が分からんぞ!
「いや、わかるんだけども……それを理解できてしまったら人間としてどうなんだろうか」
 相当の変態だ。多分人間じゃなくて魔物だと思う。
「うぅん………そういうのは俺の趣味じゃないなぁ………他の人に頼んでみたら?」
「でも、半年くらい前からおにいさんにしようって決めてたんですよ」
「え、なにそれ。俺半年前から狙われてたの?」
「はい、でもなかなか勇気が出せなくて………」
「…………」
 なんだろうこのすごい複雑な気持ち。
 この背徳感と自制心が混ざり合ったよくわからない衝動……
 確かに、このシチュエーションはロリコンじゃなくても承諾してしまいそうだが……
「でもなぁ………」
「べ、別にすぐセックスするってわけじゃなくて……その、お口でびゅーってするだけでいいんです」
「それをやって俺は人間として生きていけるのだろうか……」
 こんないたいけな少女の口に射精って………
 しちゃいけないことトップ3入りだ。これは健全な男としての最低限のルールだろう。
「他に方法はないの?」
「はい………というか、もう我慢のしすぎで私限界なんです。おにいさんのミルクが飲みたくて飲みたくて仕方がないんですぅ
#9829;」
 彼女はもじもじと体を揺らす。
「…………………」
 発情………してるのだろうか。
 どうにかして抑えなければならないのだが。
「どうしても無理ですか……………?」
「…………うぅ」
「じゃ、じゃあ………」
 彼女はポケットからコーヒーカップを取り出す。
「私に触れなくていいです……直接飲ませてくれなくていいです……でもせめて、この中にミルクを入れてくれませんか」
「でも」
「わ、私、帰り
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