『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・・・・・』
僕は逃げていた。
『はぁ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・・』
街からそう遠くない山の中、時刻はもう木々も寝静まる時間だ。
逃走する前からビリビリに破かれた服は木の枝に引っ掛かったりして既に最低限の役目しか果たしていない。
裸足のまま逃げてきたから足の裏は傷だらけ、もう痛みすら感じない。
心臓が早鐘を打ち、全身の筋肉が悲鳴を上げ、自分の限界を告げてくる。
だけど僕は逃げなければならない。
なぜなら・・・・・・・・
「坊っちゃぁぁぁぁぁぁん!!逃げるんじゃねえよお!!」
「おっちゃん達とイイことしようぜえ!!」
「凸凸LOVE!!凸凸LOVE!!」
「待て!!あいつにも穴はある!!♀×♀なら凹凹LOVE!だが♂×♂なら凸凹LOVE!!!だ!!!!」
「うっひぃおおおおおおおお!!マジかよ!!超!エキサイティィィン!!!」
「はぁ、はぁ、は、初めてなのかな??なのかな??」
「処女厨乙。だがあいつの処女は俺がもらうぜぇぇぇぇええええええ!!!」
この変態の編隊から全力で逃げているからである。
捕まる事、それはつまり男としての尊厳を失うことである。
ここまでに至る経緯は複雑にして単純。
僕は貧乏人の三男として産まれた。そして売られたのだ。
売られたからには酷い扱いが待っているだろうと思っていたがこれは想定外だ。
さらに、1人(それでも絶対に嫌だが)ならまだしもあいつら7人もいる。
無理無理無理無理!!!絶対無理!!!!
改めて状況を確認し逃げる心構えを作った時、限界を迎えた僕の足は木の根を捕らえ、僕の身体は地面に転がった。
「ひゃーーはははははははははははははは!!追いかけっこは終わりだぜ子猫ちゃぁん!!」
「猫だと女っぽくねえか?」
「犬なら男っぽいか?」
「ひゃーーーーはははははははははははは!!追いかけっこは終わりだぜ子犬ちゃぁん!!」
「いいんじゃね?新しくね!?」
変態の会話は理解出来ない
『なんだよお前等!!何で僕を買ったんだよ!!』
「何でって、凸凹LOVE!を・・・・」
『そこだよ!!なら女の奴隷買えばいいだろ!!わざわざ男の僕を襲うんだよこのホモ野郎ども!!』
「「「「「「「違う!!!!!!」」」」」」」
「とある偉い人はこう仰られた、『この世の性別は男、女、ショタ、ふたなりの4つだ』とな」
「そしてお前はショタだ」
「故に!これは男×ショタであり!!我々はホモではなくショタコンだ!!!!」
お話しにならない・・・・・(ふたなり?)
僕の成長は遅く、今になっても身長は大人の腰に手が回せるくらいしかない。
そのうち伸びるだろうと思ってたがもう遅いみたいだ。
くそっ、貧乏でホルスタウロスのミルクが買えなかったからだ・・・・・・・・・
「さぁて・・・・・そろそろフィーバータイムの時間だぜぇ・・・・」
リーダー格の太った男はもうすでにパンツ一丁になっていた
・・・・・・・・・まずい!!!!
『やだ・・・・やめて!!』
「いいねぇ、その顔!!ゾクゾクするぜ!!がばぁ!!!」
男がついに飛び掛ってきた!!こうなったら一か八か・・・・
『僕、こう見えても19歳なんです!!』
ピタ・・・・・・・
僕の言葉に変態どもが止まった。
この事実に呆然としているようだ。普段は認めたくない事実だが今は感謝しよう。
ショタの定義は分からないが、奴らの言葉から察するに幼い男の子のことだろう。
様々な経験を積んだ僕は当て嵌まらないはずだ。
さぁ!僕を解放しt・・・・
「「「「「「「キターーーーー(・∀・)ーーーーーーーーーー」」」」」」」
は?
「その見た目でその歳ってことはもう成長しないってことじゃん!!」
「とある偉い生物学者はこう嘆いた・・・・『ショタは成長すると男に性転換してしまう』と・・・・」
「でも目の前のショタはこのままずっとショタだ!!おっちゃんイッちまいそうになるぜええええええええええええええええええ!!!!!!!」
「神キターーーーーーーーーー!!!」
「でも、これって神を穢すことになるんじゃね?」
「逆に考えろ!神を穢すってメチャメチャ興奮するシチュエーシュンじゃねえか!!」
「非実在青少年が実在したああああああああああああああ!!もう俺たまらねええええええええええ!!!!」
歓喜の雄叫びを上げ、次々にキャストオフしていく変態達。
終わった・・・・・・・
もう、僕に出来るのはささやかな抵抗しかない・・・・それも、こんなガチムチ共には意味のないことだろう。
もはや、神に祈り
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