俺、丹羽 貞二は森を散歩していた
たまの休日に心労を癒そうと、近所の有名な森林浴スポットに足を伸ばしたのだ
「うぅん……はぁ…自然はいいな」
小鳥のさえずり、空から漏れる木漏れ日、視界一杯に広がる一面の緑
心が洗われていくのが実感できる
悠々と散歩を楽しむ俺は、何かグジュっとしたものを踏んでしまう
「うげっ…なんだよ水溜りか?うぇっ、結構深いぞ」
みると、靴が半分ぐらい浸かってしまっている
それだけでなく、足はどんどん沈んでいき、どれだけ力を入れても抜けない
「あれっ
#8265;何これ
#8265;ちょっ…」
さらに、その水溜りはじわじわと拡大してしていき、いつのにか無事だった方の足も囚われる
「くそっ…何なんだよ!これは!」
とうとう首まで沈んでしまった
まだまだ沈む
今にも口が浸かる…といった時に、俺は水溜りの正体を悟った
「この匂い…ハチミツ?何でハチミツがこんなガボボボ……」
考える間もなく頭の先までハチミツに漬けられ、やがて息ができなくなって意識を失った
……………………………………………
「女王様!また男を捕まえてきました!」
「うむ、ご苦労」
……ここは…何処だ
目をさますと、そこは不思議な空間だった
壁は一面の黄色い六角形、絵に描いたような蜂の巣だ
俺の体は手足を縛られ天井から吊るされている
目の前で繰り広げられているのは、蜂のコスプレをした少女と、同じく蜂のコスプレをした偉そうな女性の不思議な会話
喋り方を見ると、それはまるで働き蜂と女王蜂
「お、目が覚めたようだな。具合はどうだ?」
女王蜂(?)が俺に話しかけてくる
「具合も何も…まず下ろしてくれないか」
「ああ、すまないな。おいお前達、下ろしてやれ」
「アイサー!」
働き蜂の子が2人、背中の羽をはためかせて空を飛んで紐を解き、下ろしてくれる
(この子達…飛んでる?この見た目、コスプレじゃないのか)
「さて、挨拶が遅れたな。私はハニービーの女王、ローヤルだ」
「ハニービー?女王?何のことだ?」
「その辺は面倒だから気にするな。多分これを読む皆はわかっている」
「皆って誰だよ」
「それよりも、貴様も早く名乗るが良い」
「あぁ、俺は丹羽、丹羽 貞二だ」
「テイジだな。わかった」
落ち着いてきた所でローヤルさんをまじまじ見てみると、とても美人だ。
整った顔つき、細身でありつつも出るところは出ている体、すらりと伸びた足、服も最低限の部分しか隠していないので目のやり場に困る
「さて、ではテイジ。お前、嫁はいるか?」
「いや、独身だけど…」
「よろしい。じゃあ早速セックスをしよう」
「…………はい?」
ローヤルさんは、自分の服に手をかけて、勢いよく脱ぎ、後ろに放り投げる
因みに、俺の服はいつの間にか剥かれていた
「わー
#8265;わー
#8265;何で脱ぐんだよ
#8265;」
「だから、セックスだ。服を着たままじゃ出来んだろう。それともテイジは着衣のほうが興奮するか?何だ、そうならそうと言ってくれれば良いのに…」
「ままままままて待て!そうじゃなくて、なんでいきなりセックスなんだよ!」
「なんでって…女王蜂と独身の雄が出会ってやる事など決まっているだろう?安心しろ、自慢じゃないが私はとっても上手だぞ。テイジは寝ているだけでいいんだ。ほれ、あっちを見てみろ」
「あっち?」
ローヤルさんの指差すほうを見てみると
「浩二さん
#9825;そろそろ……あんっ
#9825;」
「あぁ…ロップ、イくぞ!」
「太平!へばってんじゃねぇぞ
#9825;」
「むり……メイ…少し休ませて…」
「一樹しゃん…らめっ
#9825;もっと優しく…ひぃん
#9825;」
「プルはこういうのが好きなんだろ!おらっ!」
「ひゃん
#9825;」
沢山のカップルが夜の営みを営んでいた
「な……なんだよ…これ…」
「皆、私の交配相手だ。私の所ではダンナは皆のだからな。ほぉら…楽しそうだろう?テイジもアレに仲間入りするんだぞ」
「い…….嫌だー!俺の初めてはもっと普通な方がいいんだー!」
こんなところで無理やり奪われるのは普通のふの字もないじゃないか
「なんだ…そんなに嫌か……ならばチャンスをやろう」
「なに?」
「今からウチの者達と鬼ごっこをしてもらおう。お前はこの子達から逃げつつ、出口を探して脱出する。それができれば見逃してやる」
「望むところだ!絶対逃げ切ってやる!」
「くくく…そう簡単に逃げ切れるとは思うなよ。この巣にはお前のように逃げる者の為に沢山のハニートラップを仕掛けてある!その誘惑に勝てるかな?」
「なに…ハニートラップだと?」
あれだろうか、それはつまり色仕掛け的なアレだろうか
…いかん、期待するな、俺
…
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