ああ………。
…………………………。
今俺は……………………………………………………どこにいる?
アヌビスであるアルクを仲間に加えた後、アヌビア砂漠を無事に越えた俺一行。
次に向かう目的地は『トモノンセンオ』という変わった名前の町。
なんでも、身体を癒す不思議な湯浴み場があると聞いた。
別に俺は興味なかったけど、皆が口を揃えて行きたいと言うので、とりあえず行くことになった。
だがまたしても問題が………。
トモノンセンオに到達するには、『迷いの森』という………まぁいかにも迷いそうな名前の森を抜けなくちゃならない。
ったく……アヌビア砂漠の次は迷いの森かよ…。
思ったんだけど…こういった世界は、どうしてこう………町に着くまでが大変なんだろう…。
たまには楽に行かせてくれても罰は当たらんだろうに…。
いやいや、愚痴はここまで。
今俺がすべき事は………………………………。
「みんなあああ〜〜〜!! どこ行ったあああ〜〜!??」
5人だったパーティが、今や俺1人…。
やれやれ……手間のかかる仲間達だなぁ……。
……………………………………………すいません、『俺1人』が迷子のようです。
だけど、これにはちゃんと理由がある。
…………………いや、これはホントね。
とは言っても、納得させられる程の理由はない。
ただ一言…………………………『気付いたら1人だった』。
………………ホントです。
これしか言い様がないんだから仕方ないだろ………。
それにいきなりだったし…。
…………………みんなは大丈夫だろうか。
……………………………………心配ないか!!
だってそうだろ? み〜〜〜んな『魔物』なんだから!!!
とゆうことで……………俺はこれからどうすればイイ…?
とにかく、まずは皆と合流することを第一にしよう。
とは言っても……………見渡す限りの木、木、木木木木木木木木………。
下手に動くのはマズイな。
ここは…『待ち』を貫くことにしよう。
特に心配はしてない。
ウルフ種のアルクもそうだけど、ミノタウロスのフライヤも鼻が利く。
俺が動かなければ、時期に見つけてくれるだろ。
さああああて!!!!!
…………………………………………待ちますかぁ………。
「………(あの男…余計な手間を掛けさせてくれる! よもや逃げたのではあるまいな…?)」
「………(…どこでしょうルークさん…。 どうか無事でいてください………。)」
「………(ルークのやつ、どこ行っちまったんだあ? アタイという女を置いてくなんてよお…。)」
「………(ルークめ…わたし抜きで新居探しとは…。 戻ったらキツイ仕置きが必要だな…。)」
↑三者三様(四者四様?)の心配の仕方。
「ふぅ………。」
待ち始めて5分……………飽きてきた。
やっぱり待つのは性に合わん!!
とことん動き回ってやるのが冒険者じゃないのか!?
そうと決まれば早速!…………………って、なんか………声が聞こえる。
みんなの………じゃない。
もっと幼い感じの………笑い声……?
そう思った瞬間、
「おにぃ〜〜〜〜ちゃん♪♪」
耳元で幼女の『兄ボイス』が聞こえた。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
叫ぶこと数十秒………。
「んもう、ビックリするじゃない! いきなり大声あげるなんて!!」
「ごめん……驚いたもんで………。」
「………いいよ、許してあげる! 僕も突然話しかけちゃったからさ!」
『フェアリー』
小さな容姿が特徴の妖精型の草食系?
一応サキュバス種に分類されている。
この子は果たして………。
「…ところで君は………」
「『ルナ』って呼んでよ、お兄ちゃん!」
「あ、ああ……。 それでルナ、ここは君の森なのか?」
「うん! まあ僕というよりは、『僕達』の森かな!!」
「僕達って………他にも仲間がいるのか?」
「もっちろん!」
なるほど………なら、この子達に皆の捜索と道案内を頼むのが吉だろう。
「…なぁ、ルナ。 実は………」
「いや!!」
交渉決裂か………って、俺今なにも言ってないぞ?
「お兄ちゃんは僕に、『仲間の捜索と道案内』をお願いするつもりなんでしょ!?」
100%ピンポイントに言い当ててくれる幼女ルナ。
「ああいや……まぁ、そうだけど………。」
「やっぱり! それじゃあ、僕がお兄ちゃんを仲間から引き離した意味がないでしょ!?」
「え???」
引き離すって……じゃぁ………
「ルナが俺を呼び寄せた…ってこと?」
「そうだよ! だってお兄ちゃん………僕のタイプなんだもん!!」
………理由はどうあれ、元凶はこの子か。
「でも、どうやって
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