「…リン姉様……兄様は今……どこにいるのかな?」
「さぁ…どこだろうね。 でも、きっと元気にしてるわよ。」
「…だといいけど…。」
「きっとそうよ。 兄さんの事だから、元気過ぎて砂漠で遊んでるんじゃない?」
「………」
「もう…だから心配そうな顔しないの! 私達の兄さんよ? 一回死んだって生き返るわよっ!」
「……うん。」
「それに兄さん今頃…仲間にした魔物娘達に欲情しちゃってるのよ、きっと…。 ああ〜ん…もう! 何か腹立つ〜〜〜!!」
「………兄様…どうか御無事で………。」
「うう…あ〜〜〜〜〜あっちぃ〜〜〜………。 なぁフライヤ…町はまだかぁ〜…?」
「なんだよ、もうヘバったのかい? 情けねえなあ〜…。」
「まったくだ、この貧弱男が! エステルを見習ったらどうだ?」
「はぁ…んなこと言われてもよ〜……俺は人間…お前達は魔物…。 比べられたら堪んないよ…。」
「……そうですよ、お二人共…。 ルークさんは本調子ではないんですから…。」
エ、エステル…///
「…ペースがあまり速くないのは事実ですけど…」
大変申し訳ない………。
「まあでも、実際良く頑張った方だと思うぜ。 ほらよ、着いたぜ!」
「え……?」
俺の目の前に現れたのは…巨大な門。
「うお!? い、いつの間に…。」
「驚いたろ? これがこの砂漠の特徴なんだぜ!」
「特徴って…。 レビィ、エステル…2人は気付かなかったのか?」
「…はい…見えたら、ルークさんに知らせようと思ったのですが…」
同じだと頷くレビィ。(コイツは見えても知らせないだろうな…)
「アタイを頼って正解だったね。 この砂漠の蜃気楼は極端なんだ。 だから知らずに入り込んだ奴は…。」
「そ、そうか…。 フライヤ…改めて助かったよ、ありがとう。」
「なあに、気にすんなって! アタイにとっちゃこんな砂漠、朝飯前だぜ!!」
大きく胸を張る闘牛女。
「つっても、ただの蜃気楼じゃねえ…。 アタイも詳しい事は知らねえけど、恐らくこの砂漠に…誰かが呪いをかけてるって噂だ。」
「呪い? 何のために…?」
「さあな。 まあその呪いとやらも、本当かどうかハッキリしねえんだけどな。」
まあ確かに…。
この砂漠に呪いを敷いて、そのメリットは何だ?と考えると呪いの線は薄くなる。
だけどこうまで極端な蜃気楼も逆に気になる。
「……とりあえず早く入ろう。 暑くて死にそうだよ…。」
「ん、ああそうだな。 つっても、町の中もたいして変わらねえけどな!」
マジかあああああぁぁぁぁぁぁ…………………。
宿屋を探して余分な荷物を置いた後、夜まで情報収集を兼ね自由行動となった。
(もっちのろん俺が指示。 一応リーダーだから。)
ゾルアクア程ではないが、ここも正真正銘立派な町だ。
砂漠に囲まれているとゆう過酷な状況の中でも、この町の住人は皆明るく陽気だ。
このような人達が集まればこんな町の1つや2つ、どんな場所にでも造作なく造ってしまうだろうな。
人間は実に強い……と、ちらほら魔物達の姿も見えるな……。
ハーピーにワーキャット、リャナンシー(人に化けているが何となくわかる)、マミーまでいる。
……………マミー?
いや前者3種類はわかるけど、マミーって……。
さすが血気盛んなアルビアータ、人種が幅広い。
それに良く見ると、マミーと一緒に歩いているのは人間男性が多い。 いや全カップルがそうか?
う〜む…気になるなぁ………、話を聞いてみるか…。
と言っても、訳有りなカップルに直接理由を尋ねるのも気が引ける。
商売歴が長そうな店主に聞くことにしよう。
ん〜どの店主に話しを聞こう……?
とゆうか路上販売の皆さん、良くこんな炎天下の下で商売できるよなぁ…。
っと、あの子なんかまだ子供じゃないか!?
………なにか買ってあげるか。(俺は女の子に弱いが…ロリコンじゃねえぞ!)
「えっとぉ、品を見せてもらってもイイかな?」
なるべく優しく声を掛ける。
すると…
「……構わん、好きなだけ見ていくが良いぞ。」
ん? 子供に似つかわしくない喋り方だな…。
まあいいか。 どれどれ…何が売ってるのかな〜?
………なんだ、コレ? 『魔界マムシの精力酒』?
それにコレは………『100%惚れ薬』?
「本来は魔物娘達が買っていくのじゃが…おぬし…物好きじゃのう?」
「………!? あ、あんた…まさか!?」
『バフォメット』
最上級の魔力を誇る、魔界の(ロリ?)覇者。
多数の魔女を率いて行動する。
人前に姿を見せることは滅多にないのだが……。
暑地に合った人間らしい服装をしているので気付かなかった。
頭の角も何かの飾りかと思った…。
「素質があるようじゃな、おぬし。 儂の姿は、普通の人間には見えぬからのう。」
「……………っ!
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