「はぁ…どうしてこんな事に……」
大学を3年前に卒業。
学校で一緒だった友人とはそれきり顔を合わせていない。
なので顔合わせを兼ねて、大学付近にある墓地で『肝試し』を行うことにした。
「えっと、こっちのルートか」
主催者は僕という事で、友人達には集合日時・場所を手紙で送付した。
きっと盛り上がるに違いないと思った。
思ったのだが……。
「あ、あれ? こっちじゃなかったか?」
見ての通り、肝試しをしているのは僕『1人』だけ。
友人達は見事に俺の企画をスルーした。
痛い…痛すぎるぞ僕……。
「どこだ? ここ……」
でもせっかく企画したイベントをこのまま放置するのもなんだしな〜。
それにわざわざ家から距離のある墓地まで来たんだ、折角だから1人でやっていこうと思った。
今はそんな自分に後悔しているけど。
「ま、迷った……?」
もう散々だ……。
友人には見放され、挙句に自分で考えたルートを辿って道に迷う。
はぁ…なんて冴えない人生なんだ……。
「墓場で迷う、か」
僕の住む地域では、夜中の墓地に30分以上留まるとそのまま冥界に連れていかれる…という、いささか子供っぽい迷信がある。
別にこのまま連れていってくれて構わないんだけど……なんて自暴自棄な事を考えてしまう。
そんな負のオーラを漂わせている僕の耳に、
……ヒタ…ヒタ…ヒタ…………
という忍び足とはまた違う奇妙な足音が聞こえてきた。
「え…な、何の音?」
だだっ広いこの墓地にはいくつかの噂がある。
ゾンビやゴーストに襲われるだのマミーにグルグル巻きにされた後神隠しにあうだの。
さっきの迷信もこの内の1つに入る。
「まさか…お迎え!?」
僕が墓地を彷徨い始めてから、もう既に30分が経過している。
いつ襲われてもおかしくないという事だ。
いざこういう立場に立たされると、やっぱりかなり怖い。
「あ、足音は…どこから?」
逃げようにも足音が四方八方から聞こえてくる気がするため、その場から動くことができない。
下手に走り出してバッタリと正面から鉢合わせ…なんてことになりかねない。
「うぅ…どうしたら……」
足音はどんどん近づいてくる。
なのに周囲が暗くて音の正体を掴めない。
こ、怖い。
お化け屋敷にこういう感じの演出をさせたらきっと繁盛するだろうと本気で思う。
そして……
ヒタ…ヒタ…ヒタ。
僕のすぐ近くで足音が止む。
お、おいおい…背後に気配を感じるのは気のせいだよね?
さっきまでなにもいなかったよね!?
「………」
「っ……!」
気のせいではなかった。
誰かの息遣いを感じる。
さらに、
……ギュッ
両腕ごと後ろから抱きつかれた。
「ひッ!?」
正面にまで回された腕は血色があるものの、何故かヒンヤリとしている。
こ、こ、怖すぎる!
「………」
「っ…っ……」
ガタガタと震えが止まらない。
そ、そうだ…後ろに何がいるのか予想すればイイんだ。
そうすれば何がいようと、ある程度の覚悟ができるはず。
「………」
「………」
えっと…腕は人のソレに近いから、ゾンビとかスケルトンではないはず。
それに包帯も巻いてないからマミーも除外。
ゴーストは実体を持たないから触れないし、デュラハンにしてはいささか軽装な気がする。
……あれ?アンデッド系はこれで全部じゃないか?
「………」
「………;」
ますます怖くなってきた。
正体不明の『なにか』が僕を抱きしめているんだから。
いや待てよ…もしかしたら、ここで僕と同じように迷った女の子が助けを求めにきたっていう事も考えられる。
な、なんだ…そう考えると辻褄が合うじゃないか。
ここは思い切って話掛けてみるのが吉だろう。
「あ、あの…どうしたんですか?」
「………」
話しかけた直後、僕を抱きしめる力が急に強くなった。
あれ…なんか嫌な予感。
「あ、あの〜……」
もう1度話掛けようとしたその時、後ろの人物が僕の肩に頬を乗せ…こう言った。
「なぁ…アタシのモノになれ」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
『グール』でした。
「んむ…んぶ…んも……ぷはぁ! いきなり『ぎゃあ』とは失礼な奴だ」
「いやあの…いきなり押し倒してフェラチオするのも十分失礼なんじゃ……」
「黙れ…あむ」
「うぅ!?」
ただ今グールの女性に犯されています。
「んふ…ちゅぷ…ちゅぽちゅぽちゅぽちゅぽちゅぽ……」
「あぐっ…そ、それは……!」
長い白髪を振り乱しながらの超高速ディープスロート。
亀頭が喉奥にコツコツと当たるたびゾクリとした快感が体を駆け巡る。
「はぁ…はぁ……」
「じゅぷちゅぷ…じゅる…ちゅ〜〜〜!」
「うぐ……!?」
凛々しく
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