「・・・それで、どうだった?」
「・・・すいません。 これと言ってめぼしい情報は・・・」
「私もだ・・・。」
「う〜ん・・・そうか・・・。」
ホルンに到着した俺達は、宿屋(3人部屋)を確保してから真っ先に情報収集を開始した。
情報集めとゆうか、砂漠を案内できる人物を探している・・・と言った方が正しいかな。
1人ぐらいいるだろ・・・とゆうのが3人共通の考えだった。
・・・が、1人もいない・・・。
おかしいな? こんなに砂漠が近いんだから1人ぐらいいてもイイんだけどな・・・。
「・・・この村の皆さん・・・『アヌビア砂漠は呪いの地・・・。 生きては帰れない・・・。』 と、口を揃えておっしゃっていました・・・」
「俺も同じようなもんだよ・・・。 はぁ・・・ここへ来て手詰まりかよ・・・。」
正直、こんなところで立ち往生するとは思ってもみなかった。
まったく・・・親父には頭が上がらないよ・・・。
お手上げ状態の俺に、
「だが、興味深い話を聞いた。 砂漠越えに関係するか定かではないが・・・。」
レビィから気になる情報が。
「聞かせてくれ。」
「わかった。・・・なんでもこの村には夜中、『人間ではない誰か』が酒場に現れると言う。 3日置きに姿を見せると言っていたが・・・。」
「・・・『人間ではない誰か』?」
「まぁ聞け。 そしてその誰かは店のマスターに『イイ男が見つからん・・・』だの『男に飢えて仕方ない・・・』などと愚痴を吐きながら、酒もそこそこに去って行くそうだ。」
「・・・・・・へぇ。 それで?」
イヤな予感がプンプンするな、その誰か・・・。
「マスターが言うに、恐らくその誰かはアルビアータとホルンを行き来している・・・とのことだ。」
「え!? 何でそれを早く言わないんだよ!」
「だから・・話は最後まで聞け! まったく・・・。」
「あ、ああ悪い。」
怒られた。 結論を急ぎすぎたか。
「・・・何のために砂漠を越えてまでこの村と町を往復するのかは知らんが、マスター曰く『男探し』ではないかと言っている。」
『男探し』・・・ねぇ・・・。 その誰か・・・十中八九魔物だろうな。
それも特別発情した・・・。
「そこで私達のように、砂漠越えに協力してくれないかと頼む輩もいたそうだ。」
「そいつらはどうなったんだ? 砂漠を越えられたのか?」
「いや・・・断固拒否されたそうだ。 『相応しくない』との理由でな。」
「・・・・・・気難しい人だってことはわかった。」
「・・・なんとか協力しては頂けないでしょうか・・・?」
「・・・まぁ要するに、その誰かに相応しい『男』を紹介すればイイんだろ? そうすれば案内を頼めるな。 う〜ん・・・。」
生憎この村に紹介できる程の知り合いはいない。
まいったなぁ・・・。
「う〜ん・・・どうしたもんか・・・。」
必死で頭を捻る俺。
そんな俺を余所に、
「・・・・・・。(自分の夫をみすみす他の女と寝かせるなど考えられん! ・・・が、これ以外に手は無いようだし、ここは目を瞑るか・・・。 それに、女の1人や2人寝取る程の甲斐性があっても良いだろう。 それでこそ、私の夫に相応しいと言うものだ・・・)」
「・・・・・・。(ルークさんが他の女性と一夜を共にするなんて・・・イヤです・・・。 でも、これ以外に方法は無いようですし・・・。 ここは我慢です・・・! それに・・・男の人は甲斐性?と言いますしね・・・)」
2人の勝手な決断に未だ気づかない俺。
「なぁ2人共、なんかイイ考えは・・・」
と言いかけ、2人の微妙な視線に気づく俺。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「え? な、なんだよ・・・その目は・・・」
イヤな予感メーター上昇中。
「ちょうど今晩、その誰かが酒場を訪れるそうだ。 貴様・・・覚悟はできているな・・・?」
「え・・・は? 覚悟って、なんの・・・」
「・・・ルークさん・・・小生は・・・あなたを信じていますから・・・」
「え・・あ、うん・・・・・・・じゃなくて!! だから一体なんの話してんだよ!?」
そして、
「「頑張ってこい。 (抱かれてこい)
頑張ってください。」」(抱かれてください)
とのことです。
・・・・・・・・・・・・・・・
そうゆうことか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
俺は今その・・・例の酒場にいる。(時間は零時前後)
誰かさんと会うべく、こうして待機してるんだよ。
今のところ、そこにいるのは俺とマスターぐらいだ。
ふぅ・・はぁ・・やれやれ・・まいった・・・。
なんでこんな事に・・・。
あの2人の頑張ってこいが、『抱かれてこい』に聞こえたのは気のせいか・・・?
まぁ実際、そうなる可能性は十二分に考えられるが・・・。
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