「今宵はお主と2人きりじゃな」
「みたいだな。 何食べたい?」
「雌トカゲの好物以外なら何でも良いぞ!」
「おまかせってわけね。 エルザの好物以外となると…肉類は除外かなぁ」
「たまには異国の料理も食してみたいのじゃが」
「ん〜…じゃぁ、『ら〜めん』なんてどう?」
「おぉ! どんなものかは知らぬが、何やら美味そうな響きじゃのう!」
「レシピは一応あるけど、俺も作るのは初めてだから」
「良い良い♪ 多少の下手物なら多めに見るのじゃ」
「了解了解」
調理中 → → → → → → → 完成!
「ふむ! なかなかイケるのう♪」
「麺作りにちょっと時間掛かったけど、苦労した甲斐があったよ」
「ご苦労じゃったのう! して、これは塩味かのう?」
「うん。 他にも『しょ〜ゆ味』とか『ミソ味』とかあるみたいだけど、聞いたことないし家には置いてなかったから」
「塩で十分じゃ! お主にはやはり、料理の才能があるようじゃな」
「え、そうかなぁ?」
「謙遜するでない! ワシがもし魔界に帰ることがあれば、お主をワシ専属のシェフ(兼ザーメンタンク)に任命してやるのじゃ!」
「ははっ…そりゃどうも」
「この『ら〜めん』とやら、また作るのじゃ!」
「けっこう面倒だから、また2人の時にな」
「約束じゃぞ♪」
「ね〜フレ〜ン……」
「フィロ? どした?」
「アタシの悩み…聞いてくれないかな〜?」
「悩み? あぁ、俺で良ければ聞くよ?」
フィロの悩みかぁ。
いつも『のんび〜り』『のほほ〜ん』としてるから、そういうことには無縁だと思ってたけど。
「……笑わないでね?」
「笑わないよ。 ほら、話してみ?」
「実はね、アタシ……上手に着地できないの」
「……ん?」
「だからね? その…空を飛んで地面に降りる時、いつも失敗しちゃうの……」
「あ、あぁ、そういうことか」
一瞬何のことかわからなかった。
確かにフィロは、たまに泥だらけになって帰ってくることがあった。
てゆうかセイレーンなのに着地できないって……。
「だ、だからね! アタシもハーピー種のセイレーンとして、このままじゃダメだと思って……」
「なるほど…事情はわかった。 でも、どうして今まで黙ってたんだ?」
もう1年以上の付き合いになるのに、そんな事1度も聞かなかった。
同居人としては少しショックである。
「あ、違うの! フレンを信頼してないとかじゃなくて、単に…恥ずかしくて……///」
「まぁ、着地できないハーピー種なんてフィロぐらいなもんだろうしなぁ」
「だから…フレンに手伝ってもらおうと思ったの!」
「そういうことなら、俺も協力するにやぶさかじゃないよ」
「あ、ありがとうフレ〜ン;;」
そんなわけで、フィロと2人で個人レッスンすることになった。
決して卑猥な意味ではありません。
「それじゃぁとりあえず、現状がどんなものか見せてよ」
「う、うん」
バッサバッサと上空へ飛び立つフィロ。
ちなみにここは自宅近くの広い草原。
遊び場として使われてたんだけど、最近では魔物娘達が増え始めて利用者はガクリと減った。
「フレ〜〜〜ン! 行くよ〜〜〜?」
「いいぞーー! いつでも来ーーい!」
物凄い勢いで急降下してくるフィロ。
いや着地ってあんな速度いらないだろ。
鷹の狩かよ。
「きゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「えええええええええええ!?」
きゃあ〜って本人パニくってるし!?
てゆうかこのままだと危ない!
「フィローー! 背中に力を入れて上体を持ち上げろーー!!」
「や、やってみ…きゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
お、おいおい大丈夫か!?
もう地面までだいたい50mくらいしかないぞ!?
「うぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
「頑張れーー!!」
すると、残り10m付近で降下角度が緩やかになり………
ズサ━━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━━!!
「・д・;」
なんとか着地に成功したようだ。(不時着に近いが)
ふぅ、良かった…まったく心臓に悪い。
着地する度にこんな事してるのか。
「うぅ〜〜〜;;」
「あ〜…フィロ、大丈夫か?」
「着地怖いよ〜;;」
「着地が怖いのもきっとフィロだけだろうなぁ」
一体どこから教えればイイのやら……。
「飛び立つ時みたいに、そのまま降下できないのか?」
「やろうと思うんだけど…いつの間にか急降下してて;;」
なぜ?
「ん〜…飛ぶなって言うのも無茶だよなぁ……」
「アタシも極力飛ばないようにしてるんだけど、歌の練習をする時はどうしても……」
「あぁ、そうだったな」
フィロは歌の練習を上空で行っている。
以前自宅で歌を聞いてしまった俺は発情し、フィロを襲おうとしたた
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