3章 『ろーるぷれいんぐな奴ら』

「それにしても暖かくならないなぁ。 もうすぐ春なのに」
「まったくじゃ! この忌々しい寒さのおかげで、大好きなショッピングにも行けぬのじゃ!」
「え、アイリって買い物好きだったの?」
「言っておらんかったか?」
「いや初耳」
「少し遠方じゃが、隣町に媚薬店があってのう。 そこへ行くのがワシのマイブームなのじゃ!」
「また胡散臭そうな店だなぁ……」
「何を言うか! ワシと同族であるバフォメットが開業した店なのじゃぞ!?」
「余計胡散臭い!」
「しかも大陸全土にチェーン店を構えておるのじゃ」
「いや地味に規模でか!?」
「開業者であるバフォメットには是非会ってみたいのじゃが……」
「多忙でそんな暇ないんじゃないか?」
「確かにのう……じゃが、時期にチャンスが来ることを願うのじゃ」
「そうだな、それがイイ」
「おぉそうじゃ。 ワシ、バイトを始めることにしたのじゃ」
「急に話題変わったな…って、ホント?」
「気になる店を見つけたのでな、少し興味が湧いたのじゃ」
「へ〜意外だなぁ? そうゆうの嫌がると思ってたけど」
「無論、誰かの下で働くのは癪じゃが…いずれはその店の店長に成り上がってみせるのじゃ!!」
「その情熱を普段から発揮してくれないか?」












「フレンさん。 気になるモノを入手しました」
「ん、なに?」
「これです」

ティータの手には『エキドナクエストZ』と書かれた、中央に穴の開いた薄い円盤状の物体が置かれていた。

「巷(魔界)で最近話題になっているようなので、つい購入してしまいました」
「えっと…なんだ?それ」
「俗に言う『げーむ』というものです」
「げーむ?」

んん?
ますますわからなくなってきた。
しかもZとか、何気に続いているシリーズものらしい。

「これと同時にTVもレンタルしてきました」
「んん? いやそもそも、中世のこんな古い時代にそんなハイテクなもの存在するはずが……」
「えい」
「はう!?」

超即効性(媚薬入り)の睡眠薬を打ち込まれた。
睡眠薬に媚薬って…いみが……わから…ない……。

「ふぅ、危なかったです」

ここからはフレンさんに代わり、ティータがナレーターを務めさせていただきます。
ご了承ください。

「フレンさんも静かになったことですし、早速レイプ…ではなくプレイしてみましょう」

こういった冒険ものはティータの得意分野です。
他にも陵辱ものや触手もの、寝取られや催眠系もストライクゾーンです。

「あれ? ティーちゃん何してるの〜?」
「む! それは今話題のドナクエZではないか!?」
「ワシらも混ぜるのじゃ!」
「………(見てるだけで楽しめる派)」
「そうですね。 1人より大勢で進めた方が楽しいはずです」

1人用ですが大勢楽しめるのも、このドナクエの不思議な長所なのです。

「ところで、何故フレンがそこに転がっているのだ?」
「思春期だからではないですか?」
「「「納得」」」

では気を取り直して、レッツレイ…レッツプレイ。












「まずは主人公の名前ですね」
「もちろんアイリと名付けるのじゃ!」
「でも主人公男の人みたいだよ〜?」
「むむ……」
「ビッチは男だったのか。 どおりで胸がないはずだ」
「うるさいのじゃ!!」
「ランダム機能があるみたいですね。 これを使いましょう」
「「んなっ!?」」

2人の喧騒は好きですが、今はコチラを楽しみたいです。

「……おや」
「うわ〜凄い偶然だね〜」
「まさか『フレン』になるとは」
「予想外じゃ」
「微量の魔力が込められたげーむですから、こちらの世界に干渉しているのかも知れませんね」
「………(グイグイ)」
「おっと、そうでした」

げーむ内のフレンさんを操作開始。

「女王様の話によれば、城下町から南の洞窟にジャイアントアント達が巣を作っているようですね」
「討伐依頼かのう?」
「話し合いを優先させろと言っていますが、たぶん無理でしょうね」
「話し合いで済んではげーむにならんのじゃ」
「ではまず、町周辺でフレンさんを鍛えましょう」
「レベルアップとお金稼ぎだね〜♪」
「面倒じゃのう……」
「地道な努力が今後に関わってくるのだ。 そんな事もわからんのか?」
「ぐっ…わ、わかっておるわい!」

2頭身のフレンさんをジグザグに動かすこと6秒。
画面が暗転し戦闘が開始される。

「敵はスライム1匹か」
「お決まりじゃな」
「油断しちゃダメだよ〜」
「え〜と、たたかうのコマンドですね」

スライムを素手で攻撃するフレンさん。

「3のダメージです」
「さすがに一撃では倒せぬか」
「そもそも素手でスライムにダメージを与える時点で神業だと思うが」
「反撃で2のダメージだよ〜」
「このまま押し切ります」
「ご〜ご〜♪」
「現
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