『愛は素っ気ない』

「シィ、何食べたい?」
「………」
「魚介系?」
「……うん」
「かなりアバウトだな」

一人立ちは僕が16のとき。
シィとはちょうどその頃から、かれこれ5年も一緒に暮らしている。
いや、一緒に暮らしているというよりは…僕が養っている感じだろうか。

「そうだなぁ、じゃぁパスタは? 魚介たっぷりの」
「……食べる」
「OK、決まり」

シィはサハギンの娘。
同居は引っ越してすぐの雨の日、家の前でジ〜〜〜っとしていたところを僕が招き入れたことから始まった。
5年も一緒にいるけど、妹…という感じではない。

「すぐ作ろうか?」
「……まだ…いい」
「え、あ、そう」

だからと言って恋仲…という関係でもない。
僕達は、とてつもなく微妙な距離感を保ち続けている。

「じゃぁシィのお腹が空くまで、僕は仕事場に行ってるよ」
「……うん」
「何かあったら呼んで」
「……うん」

それでも、居心地が良いのは確か…かな。












「ん〜…煮詰まった」

僕の仕事は本を出す、いわば物書き。
15歳の時にたまたま賞をもらい、家を出たのもそれがキッカケ。
これまでにも多くの物語を世に出し、その多くが世間に認められてきた。
だけど、逆にそれが僕にプレッシャーを与える。

「むぅ…ん〜……」

期待を一身に背負うこの緊張。
昔はそれを楽しんでいたけど、今はそんな余裕はない。

「……はぁ」
「………」

贅沢さえしなければ、一生分の蓄えはあると思う。
でもそれは、僕一人の時の話。

「どうするかなぁ……」
「……なにが?」
「うわ!?」

僕には、シィがいる。

「………」
「シ、シィ…勝手に入るなって言ってるだろ?」
「……ノック…した」
「え、嘘?」

彼女には、ひもじい思いをさせたくない。

「……お腹…空いた」
「え、もう?」
「……空いた」
「わ、わかった。 すぐに作るよ」

だから僕は、書き続ける。












僕にとって、シィの存在は意外に大きい。

「……朝」
「ん〜…zz」
「……起きて」
「ん…ん〜…zz」
「……お腹…空いた」
「ん…ん〜? もう…朝?」
「……起きて」
「お、起きるよ…だから乗っからないで」
「………」

こう見えてシィは規則正しい生活を送る。
もちろん僕もそれに合わせることになる。

「ふわぁ〜…あぁ」
「………」

物書きは得てして時間の感覚を忘れがちになる。
そして、それをシィが正してくれる。

「簡単に、パンとかで良いかな?」
「……嫌」
「え?」
「……ミルク…野菜」
「あ、うん…用意するよ」

栄養バランスもご覧の通り。
5年もの間健康でいられたのは、紛れもなくシィのおかげ。

「シィ、いつもありがと」
「………?」

自覚のないところがまた彼女らしい。












「………」

家の中をウロウロするシィ。
彼女の行動が、稀に物語のネタになることもある。

「………」←逆立ち歩き
「´д`」

長い間一緒にいるけど、彼女の行動はイマイチ読めない。

「………」←片足を90°上げてクルクルと回りだす
「´д`;」

家の中からあまり出ない僕にとっては、外に出たがらないシィは非常にありがたい。

「シィ、退屈ならどこか行く?」
「……嫌」
「あ、そう……」












僕達の仲を微妙なものにするイベントがたまに起こる。

「………」
「夕食にしようか。 シィ、何食べたい?」
「………」
「シィ?」
「……精子」
「ぇえ!?」

シィは僕の下半身に手をかける。

「シ、シィ……」
「……はむ」
「ぅう…!」

あっという間にペニスがシィの餌食となる。

「はむ…んむ…ちゅる…えろえろ……」

シィが魔物であることは理解してる。
理解してるからこそ、僕はあえて抵抗しない。

「んん…もぐ…もご…ずず……」
「あっ…く……」

魔物娘にとって精の摂取は必須。
だから僕も…その、何というか…できるだけたくさん出してあげたい。

「うぅ…シィ…シィ!」
「ん…んご!?」

せり上がる射精感に耐え切れず、シィの頭をガシリと掴み喉奥までペニスを突き刺す。

「お…んぶ…おご!?」
「はぁはぁ…!」

むせるシィ。
それを尻目に頭を前後に振る。

「ぐっ…で…出る……!」

ぶりゅ! びゅば! ぶびゅううううう!!

「ん…んん!?」

喉奥からの口内射精。
シィの胃に直接精子を流し込む。

「んっ…んく…んく……」
「あ…ぁぁ……」

シィの口からペニスを引き抜きようやく我に返る。

「あ…シ、シィ!? ご、ごめん!」
「………」

欲求不満にならないのは、シィが定期的に発散してくれるからである。

「……ゲプッ」
「ほ、ほんとにごめん……」
「……いい」
「え?」

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