「ぅぁ〜試験が〜〜〜orz」
「鬱陶しいのう…」
「最近ずっとそればかりだな」
「し、仕方ないだろ? 今切羽詰ってるんだから…!」
「避けては通れない道ですよ、フレンさん」
「それはわかってるけど…」
定期試験。
学生の敵。
背水の陣。
いくらでも愚痴をこぼせる。
「アタシが手伝ってあげられたらな〜…」
「気持ちだけ受け取っておくよ…ほんと気持ちだけ……」
「ぁぅ…;」
「フィロよ、余計な同情はこやつのためにならんぞ?」
「残念ながら私も力になれん。 悪く思うな」
「うぅ…マジでつらい……」
「ティータが個人レッスンしてあげますよ? 対価としてフレンさんの貞操をいただきますが」
「うん…それでイイ……」
「では寝室で子作りの準備を…」
「え? あ、いや! 今のなし!!」
「惜しい…ではなく残念です」
「ティータよ。 どさくさに紛れて何をしておる?」
試験は1週間後に迫っている。
もう不安はピークを超えている。
「勉強…そうだ勉強しないと……」
「いつもの威厳を微塵も感じぬのう」
「相当追い詰められていますからね」
「同情してもし切れんな」
「フレ〜ン頑張って〜!」
「………(zzz)」
こうゆう時だけ魔物のこいつらが心底羨ましい。
うぅ…に、憎い…憎い……!
俺の中に、ドス黒い悪魔が生まれようとしていた………
「アネット暦493年…サンドロスアレク帝王がピチュマチュ 皇国に侵攻…驚異的なスピードで皇国領地を占領していく…えっとぉ……」
少しでも多くの知識を詰め込むべく、残りの1週間は徹夜することにした。
「同年…ペリー大王がパールブラック号に乗船、2千km離れたブスコロン大陸に上陸成功… しかし新しい香辛料の発見には至らなかった…と……」
なぜ前々からやっておかなかったのか、きっとみんなは疑問に思うだろう。
「アネット暦777年…ツタンカーモンはわずか8歳にしてプジエトを支配する女王アヌビスと結婚…だが779年に搾死……」
あのさ…こんな家に住んでて集中できるわけないだろ?
できる奴がいたら、そいつの精神力はもう神の領域だ。
「次の科目は…え? 保健体育!? な、なんで大学へ来てまでこんな科目を…」
講義はちゃんと聴いていたつもりだったけど、やはり試験はそう甘いものじゃない。
「ぼやいても仕方ない、やらないと…! えっと…ペ、ペニスをヴァギナに挿入…その後ピストン運動を繰り返し射精を促す…射精された精子は卵子を集団レイプした後、嫌がる卵子と強制結合…自分の遺伝子を植え付けることに成功し、受精卵として確立…する……?」
なんか後半、すごい嫌な言い回しだった気がする。
しかも教材の参考図が魔物に犯されている人間の絵で、ご丁寧に卑猥な吹きだしまで入っている。
どう見てもエロ本にしか見えない。
まさかあのとき…理事長を脅しつけたことと何か関係があるのか?(1章参照)
「うぅ…なんか急に疲れた……」
一休みしようとベッドに体を預ける。
「はぁ…保健体育の教材、今度クレーム入れるかな」
きっと全校生徒がセクハラを訴えるに違いない。
それはそうと…
「ふぅ…;」
悶々としてきてしまった。
健全な男子とゆうことで、どうか大目に見てほしい。
「まいったなぁ…これじゃ集中できない」
時間が惜しいけど、落ち着くまで待つか。
こんな状態で勉強しても、どうせ身に入らないだろうし。
「すー…は〜〜」
深呼吸でもして落ち着こうとした、そのとき…
(ぉぃ…おい! 聞こえるか!?)
「ん? なんだ?」
(聞こえてるんだろ!? 返事しろ!!)
「え…だ、だれ?」
(やっと気づいたか! 俺はもう1人のお前。 お前の分身だ)
「俺の…分身?」
いきなり声が聞こえたかと思うと、そいつは俺の分身だと告げた。
「お、俺の分身が…何のようだ?」
(俺はお前の欲求不満な部分の塊だ。 だから出てきた)
「欲求、不満…?」
(溜まってるんだろ? あんな可愛くて魅力的な奴らと一緒に暮らしてるってゆうのに、お前の息子はどうしちまったんだ?)
「いや、どうしたと言われてもなぁ…」
(なぁ…あいつらを犯したいと思わねえか?)
「なっ!?」
(ははっ! 俺に嘘は通じないぜ? なんたって、俺はお前なんだからな!)
「………」
俺が…あいつらを?
…想像できない。
(少し言い方を変えるか。 あいつらだって、お前に襲われたとしても満更でもないんじゃないのか?)
「そ、それはいくらなんでも自信過剰だろ!」
(おいおい、考えてもみろよ? 好きでもない男と一緒に暮らす女がどこにいるってんだよ?)
「む……」
(なぁ覚悟を決めろって! どうせこのままじゃ悶々祭りだろ?)
「むぅ……」
(まったく、草食系はこれだから困る
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