業務終了後、ホノカの私室にて。
部屋には俺・ホノカ・板長・マリア・フランの5人が雀卓を囲んでいる。
(フランは俺のすぐ後ろで観戦)
スッ……コト
「いやー、毎日が繁盛の連続でー懐が幸せいっぱいっすー♪」
「従業員は休みなしだけどな」
スッ……コト
「あんたはイイ加減慣れなさい。疲れなんて一晩寝ればキレイサッパリじゃない」
「リン様に同意致します」
「板長はともかく、永久機関(マリア)に俺の気持ちがわかるはずない」
スッ……コト
「わたしは先輩の気持ちぃ、凄くわかりますよぉ♪」
「だろ? おい、ホノカも少しはフランを見習え。文句言われないからって従業員酷使してっと、そのうちストライキ起こされちまうぞ」
スッ……コト
「それは困るっすねー。叔母さーん、うちどうすればイイっすかー?」
「ホノカは自分のやりたいようにしなさい。もしそれで反抗する奴が現れたら……」
メキョッ(←親指と人差し指で牌破壊)
「あたしが骨も残さず潰してあげる♪」
「叔母さん大好きっすー
#9825;」
「甘やかし過ぎだろ!?」
やはり板長の存在が皆の抑止力になっているのか……。
「うっさいわねぇ…あたしが姪をいくら可愛がろうが、あんたには関係ないでしょ?」
「いや可愛がるとかそういう次元じゃ……」
「リン様、予備の牌です」
「ん、ありがと」
スッ……コト
「とにかく! ホノカの経営方針に文句は言わせない! ホノカに不満を抱く存在全てがあたしの敵よ! あんたも言いたい事があるなら言ってみなさい!」
「……言ったら?」
スッ……コト
「出来る限り楽に逝かせてあげる
#9825;」
「トクニアリマセーン」
おいおい、これじゃまるで北の独裁国家じゃねえか。
「くっそ…なら麻雀だけでも俺が優位に立ってやる!」
「わぁ♪ 先輩かっこいいですぅ
#9825;」
スッ……コト
「へぇ、言うじゃない。やれるものならやってみなさいよ?」
「言われなくても! リーチ!!」
牌を横向きに捨て1000点棒を放る。
「さぁ、降りんなら今のうちだぞ」
「ふん」「はわー」「困りました」
俺の手牌は萬子の二・三・四・四・五・六・七・七・七・八・八・九・九。
一・四・七・八・九の5面待ちだ。
一・四がくればリーチ、平和、一盆口、清一色、ドラ3の12飜で3倍満。
これに一発、ツモのどちらかが乗れば数え役満が成立する。
また七・八・九いずれの場合でも、少なくとも11飜以上が確定している。
ちなみに現在の順位は、
1位 板長
2位 ホノカ
3位 マリア
4位 俺
となっている。
1位の板長とは2万強の点差があるものの、直撃・ツモのどちらでも逆転が可能だ。
よしよし、ようやく俺の時代が……!
「ツモ! 断
#20040;九っすーノ」
「うおおい!?」
ホノカの最弱手により俺の最下位が確定した。
はぁ……世知辛い。
某日。
「は? 幹事?」
「そっす。1週間後に全従業員をー慰安旅行に連れて行くっすー。先日クロさんにー従業員を労われと言われてしまったのでー」
「お、おぉ。で、なんで俺が幹事?」
「正論だったのでーうち悔しかったっすー。だからその『あてつけ』っすー」
「ただの嫌がらせじゃねえか!」
というわけで、1週間後の慰安旅行計画責任者として抜擢された(押し付けられた)。
………。
無茶ぶりだろ……。
〜旅館・施設紹介〜
『展望台』
地球の裏側まで見渡せる望遠鏡が設置してある
もちろん他の宿泊部屋を覗きムフフすることもできる
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