「こ、これは……」
突然の事に焦り狼狽する俺。
「それは警備の者達に渡した無線だ。貴様、……どこでそれを?」
「シュガーリィ、さん……?」
緊迫した空気の中―――。
「これはですね――拾ったのですよ。ちょうど入り口付近に落ちていたので」
「では、それを返して頂けませんか?」
「ええ、構いませんよ」
しっかりとした態度で無線機をブルーノに返した。
「ありがとう、シュガーリィさん」
「いえいえ、お気遣い無く」
踵を返してこの部屋から出ようとした―――その瞬時に周りが動いた。
「ロベルト!」「御意!」
「アタシらもサポートするよ!クラン!」
「あいあいさー♪」
狭い部屋の中で、使い魔のロベルトは入り口を閉じ、3姉妹は俺を囲む。
「……そこをどいて頂けないでしょうか?そろそろ私は帰りますので」
「――単刀直入に聞きます。…シュガーリィさん、貴方は何者なんですか?」
「ハッ、どうせ教団の手先だろ?聞かなくたって分かることじゃねーか。
ついにボロが出たって感じだしな」
「ほえ?そーなのシュガーリィさん?」
見抜けないのが一名程。
「あー…いえいえ、そんな滅相もない。
私はあくまでもただのフリーライターですよ」
「言い逃れようったって無駄だぜ?
ライターさんにゃおかしな所がいくつもあるしな」
「ブルーノ様、如何なさいますか」
「そうね……、シュガーリィさんがもしも本当にフリーライターだとしても。
今は逃がす訳にはいかないわ」
ブルーノは険しい顔つきでロベルトの問いに答えた。
「しかしですね、私みたいな一般人に構わずに手分けして犯人を探して捕まえた方が……」
「シュガーリィさん、余計に怪しいよ?」
しゅしゅっ!っとクランがステップしながら俺にシャドーボクシングの真似をした。
「もし私が教団の手先でも、貴女方には危害を加えませんよ。絶対にね。
何なら、神に誓っても良いですよ?」
俺は目の前に適当に十字を切った。
「……なら、そのスーツに隠してる鎖付き手錠みたいなの、こちらに渡してくれるかしら」
――しかし、ブルーノが言い放ったその言葉に、俺は驚いた。
「それ、あなたの武器なのかしら?
なかなかユニークだけど、携行するにしてはかなり物騒だわ」
「…………なぜ、分かったんですか?」
「悪いけど、魔法で透視をさせて貰ったわ。
【理の視界ートゥルーアイー】と私は名付けたのだけれど」
「さあ、その手錠とやらを早く渡せ。応じなければ問答無用で捕縛する」
ロベルトが徐々に俺へと迫る。
(―――マズいな。ここで捕まるわけにはいかない。
本当の事を話すという手もあるが……どうしたものか)
さすがの俺も焦っていた。
頼りない頭脳をフル稼働させて策を練っていると、何故かブルーノがロベルトを制止した。
「……ちょっと待って、ロベルト」
「如何なさいましたか、ブルーノ様」
「? どうしたの?」
「シュガーリィさん、あなた……。本当はこちら側の人間なのね?」
「!? 何言ってんだブルーノ!こいつは教団のスパイなんだぞ!?」
突然の事にラズリアはブルーノに詰め寄った。
「私は、この眼で真実を見たわ。
シュガーリィさん―――いえ、これは偽名。そうよね?」
「その魔法…、武器だけでなく何でもお見通しですか」
「視た人物の全てを見透す。……出来るだけ避けてはいるのよ?
ただ、あなたの心理が気になったの」
「アタシはまだ納得出来ない…!
何なら今、胸ぐら掴んで教団の情報を全部吐かせてやりたいぐらいだ…!」
「ラズリア、ここは抑えて。話を聞いてからでも遅くはないわ」
「だけどさ……!」
今にも襲いかかっていきそうなラズリアをたしなめ、ブルーノは俺に向き直る。
「そこまでバレたら、隠すのも無駄ですね……。
――改めまして、私はスヴァル。『スヴァル=ソルトヴェルデ』と申します」
自分を隠すのをやめた俺は、教団の情勢と自分の役職、野望、色々な事を嘘偽りなく出来るだけ手短に話した。
今更嘘をついたって全部お見通しな訳だし、こうなっては仕事関係なく、プライベートな情報源のパイプとして協定を結ぼうと試みた。
「なるほど〜。スヴァルさんは結構凄い人なんだねー!」
「教団の奴らも、色々深い事情があるんだな……とはいっても、まだアタシは信用した訳じゃないからな?」
ぷいっとそっぽを向きつつラズリアは悪態をついた。
「ブルーノ様、これからどう致しますか?」
「そうね……。取り敢えず、警戒体制を解くのが先かしらね」
「御意、何かあれば直ぐに参ります。
……おい貴様、
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