桃ちゃんは桃しか食べない

桃ちゃんはグリーンワームだ。名前が桃だからというわけじゃないだろうが、桃しか食べない。それは桃ちゃんのこだわりゆえだ。
だからか、桃ちゃんの身体はとても甘い、良い匂いを放っている。

「桃ちゃん、重い」

「女の子に重いとか言っちゃダメだよ、にいちゃん」

寝転んでスマホを眺めていたら、従兄弟の桃ちゃんが身体にのしかかってきたのだ。
まだ年齢が二桁になったばかりの子供とはいえ、その身体はしっかりと肉がついていて重さがある。しかし幼さを示すかのように、胸はなかった。

「何見てんの」

「映画。一緒に見るか?」

桃ちゃんがこくこく頷いて、揃って横に顔を向ける。
その様子を見たおばさんが言った。

「あら、懐いてるわねー。でも桃、あんまりショウに面倒かけちゃダメよ」

「大丈夫」

「あんたねぇ……ショウ、ごめんね」

「いえいえ、毎度のことですし」

こうして親戚が集うと、どうも子供は暇になってしまうのだ。同い年の子がいれば気も紛れるのだろうが、俺はもう無邪気にはしゃぐ年齢を過ぎている。
とはいえ、親たちの話に入れるほど大人でもない。
一緒に映画を観るのは、時間を潰すのにちょうどよかった。

大人たちが酒に飲まれていく様子は教育に悪いだろうと判断した俺は、抱きついて離れない桃ちゃんを身体にぶら下げたまま縁側へと出た。

木の床が冷たく、風が心地いい。大人たちの話し声が壁に隔たれて、ざわざわと流れた。

しばらく映画を観ていると、桃ちゃんがあ、と声を上げた。

「どした?」

「にいちゃ、その」その顔は赤くなっている。「なんか、当たってる」

あちゃあ。俺は片手で顔を隠した。
映画がちょうどベッドシーンに入って、多感な俺の息子が反応してしまったのだ。そうならないように祈っていたのだが、実際に下半身に感じる熱も相まって無駄だったようだ。
興奮に茹だりそうな頭の中で、どこか冷静な自分がいた。

「えと、どうしよ」

「どうもしなくていいから……ごめん、気持ち悪かったら離れてくれ」

罪悪感が半端無い。
謝る俺に、桃ちゃんはぶんぶんと首を振った。

「だ、大丈夫。大丈夫だから」

「え、あ、はい」

俺は打つ手を見失った。
桃ちゃんから離れてくれると思っていたのだが、大丈夫と言われてしまうと無理やり桃ちゃんを剥がすのは悪い気がしてくる。
それに、伝わってくる熱が心地いいというのは間違いでは無いのだ。
桃ちゃんも俺が感じている不思議な興奮に包まれているようで、恐る恐るというふうに体重をかけ直してくる。

「つ、辛くないの? これ……」

「いや、そりゃまあ。多少は、辛いです」

何を言っているんだ俺は。照れのあまり小学生女子に敬語を使う男子高校生がそこにいた。
桃ちゃんが、すっと身体を浮かせた。腰にかかっていた重さがふわりとなくなる。
紅潮した顔で言う。

「い、入れとく?」

僕は絶句した。そりゃあ、こういう話題になった時点であわよくば、という気持ちが無かった訳ではない。
桃ちゃんも魔物娘だし、別にいいのでは? でも、それは流石にマズイだろうと興奮と常識が交差する。
硬直する僕の前で、桃ちゃんが僕の顔色を伺いながら疣足で器用にジッパーを開けていく。

僕は何も言えなかった。
勢いよく飛び出した肉棒が、桃ちゃんの腹にぴたんと当たった。
腰を浮かせた桃ちゃんの秘裂が、先端をずぶりと呑み込んでいく。

「いい、よね?」

反応のない僕を了承したと見なしたのか、桃ちゃんの身体は再び元の位置に戻った。腰に重さがかかる。
ただ、見えない所で確かに繋がっていて、ぷにぷにとした柔らかい肉が暖かく剛直をくるんでいた。
ふ、と息をついた桃ちゃんが言う。

「思ったよりは、気持ちよくないね」

「だ、大丈夫……?」

僕がようやく絞り出した一言に目をパチクリさせると、桃ちゃんは申し訳なさげににへらと笑った。

「や、気持ちいいのは気持ちいいけど。友達はすっごい気持ちいいって言ってたのに、やっぱり私はまだ子供なのかなぁ」

むわり、と熟れた桃の香りがした。
今までと何も変わらない桃ちゃんの匂いに、しかし僕の頭はそれを別物だと認識し、突き立てた肉棒にまとわりつく果肉を意識させてくる。
桃ちゃんは僕の胸にぺとりと頬を当てた。

「ほら、続き見ようよ」

「あ、あぁ」

さっきまでと何ら変わりのないはずの姿勢で、しかし先ほどまでは身体を隔てていたものが噛み合ったからか、さらに密着感を感じる。
僕は落ち着きのないままに、勝手に進んでいた映画を巻き戻して再生し直した。

ベッドシーンの最初からだ。
疲れ切った男優がベッドに倒れるように寝転ぶと、女優の魔物娘がからかうように側に寝転ぶ。
自然と始まった画面の中のまぐわいに、僕はどうしようもなく腰を動かしたくなった。桃ちゃ
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