「カヤ、ヴェルエ。二人に仕事だ」
その言葉をそれとなく待っていたような気がした。
情報収集も住居も、一時的に安定したなら次にやることは実戦で実践だ!
ヴェルエは依然、俺にのし掛かったままだが表情は真剣そのもの、所謂仕事モードってやつか
俺も真剣にならなくては、な
「マスター、どんな仕事なの?アタシはともかく、こんな新人に勤まる仕事なわけ?」
悔しいがその通りだと思う。新人所か俺はスタートラインにすらたっていないのだから
「いやいや、そう警戒するな。今回の仕事はな?となり街のある噂を辿って、実態を暴いて欲しいってもんなんだ」
なんかヤバそうな、そうでもないような。
「マスター、俺で大丈夫?この国はまだ詳しくないんだぞ?」
本読みだけで国の実態がまるごとわかったら大したものだ
どうやらヴェルエとともに相当難しい顔をしていたらしい、マスターはにこやかに笑って言った
「大丈夫だって、ちょっとした噂なんだ。まぁ道楽程度に考えて行ってくれ、報酬も中々だったぞ?」
ヴェルエは報酬という言葉に弱いのか顔が緩んだ。
「そ、そう?ならこの新人クンと行ってくるわ!」
さて、そうすると…観光気分ってことで良いのかな?
ライラもつれていってやるかなぁ…
ボンヤリ思考していたが、その思考を中断せざるを得ない事態が発生した
「ちょっとぉ、カヤからいい加減降りてよね!」
そういえば俺としてもいい加減俺の上から降りてほしいのだが…
「あんた、この新人クンのなんなのさ」
嫌みったらしく煽るヴェルエ。うっわ、ぼくしってるよ、これしゅらばってやつだよねー
「あ、アタシはカヤの契約悪魔よ!先約済みなの!!」
あ、なんか言い切られると悪い気しないなぁ。
「そーお?でもこの新人クン、アタシのドーテーレーダーにビンビン反応するのよねー」
わーおニヒルで素敵な笑み、どどっどどどどど童貞ちゃうわっわい!!
「うるさぁーい!後払いなの!!アタシの主人にするのぉ!!」
主人ってのはどっちかな?マスターかな?夫かな?それによっちゃあヤバイんだが?
「「新人クン(カヤ)はどっちを選ぶの(よ)!?」」
お、なんかこう一度はやってみたい選択肢きたなぁ
んー、まぁでも
「俺は…」
「はいストップ、カヤ困ってんじゃないか。」
マスター、あんたいいタイミングで話切るね…
ライラもヴェルエも悔しそうだが、ヴェルエ。お前悔しがる理由ないだろ…
「ふんっ、新人クンに女を教えるのはアタシだかんね!!」
へぇーそぉー、逃げる準備は常にしとこう
「カヤは今日アタシに契約料払っちゃうもんねーだ!!」
そ、そうでした…覚悟、決めようかな。
「それじゃ!!お邪魔しました!!」
そう言ってライラは俺の袖を掴みギルドを出た
「おじゃましましたぁ〜」
聞こえるかわからないがギルド外の階段を降りる前に声を掛けて行く
そらはまだオレンジ、夜まではまだあるし。なんとかなるし。
ギルドを飛び出したはいいがやることもないため二人でブラブラ街を歩いていた。
オレンジ色の夕焼け、ここにはビルもタワーもないから綺麗に森から顔を沈める夕日が見える。
「綺麗だ…」
夕日をみてふと、そんな感想が漏れた
「そーねぇ…」
ライラはあまり興味がなさそうだった、まぁそうかもな
ここの住人はこの風景が当たり前の風景なわけだし…
「カヤ、デートしましょ。」
これまた突然の申し出、だが断る理由もない。
「ああ、いいね。どこいこうか」
ライラは「んーそうねぇ」と思考をするふり。分かっているのだ、俺もライラも。
こういう場合のデートは商店街の買い物デートしかない、と。
そしてもうひとつ分かっていた事がある。
「お買い物に付き合って頂こうかしら?」
こう、カッコいい言葉で誘われたら切り返しもかっこよく
「お供しましょう、お嬢様?」
こう返すべきだろう、と。
ガランとしたギルドの中、マスターとヴェルエがカウンター越しに向かい合って仕事の話をする
「で、肝心なことを話忘れた。そんな後悔してんじゃない?」
「よくわかったな。ま、お前が知ってればなんとでもなるさ」
にっこりと笑って諦めたようにマスターは言う。それにヴェルエは「あらそう」と短く答えた。
昔は人が多くいたのであろうギルドには椅子や机がそれこそ大きめの酒場のように何台もある。
ヴェルエは息をスゥーっと吸い深く吐いた。
「ここも寂れたねぇ、昔はあんなに人がいたのにねぇ」
少し寂しそうな笑み
「ああ、だがまぁ、平和な証拠だろ。気にするこたぁないさ」
人が少なく寂れていると言うのにマスターはどこか誇らしげだ。
それをみてヴェルエは少しホッとする。
「話がそれた、ごめんね。で、どんな噂なの?」
「ああ、それがな…」
仕事の話をする二人がいる空間はかつて活気づいていたギルドのフロア
今は二人の
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