地面に敷かれた舌の上に体中から体液を垂れ流しながら気絶している全裸の少女と、その後方で舌に繋がる傘を持ち、抜き身の脇差を片手にこちらも真っ裸で陰茎を勃起させている男。
そんな二人を涙の跡が残る顔で眺めている穂積に対して、盛一郎は何も言えなかった。
何かを説明しなければまずいと思うのだが、少女が気絶している状態では何を言ったところで暴漢の言い訳にしか聞こえない。
なんとも気まずい空気が流れる。
やがて、穂積は手を打ち合わせて立ち上がった。
「盛一郎様、そちらの傘をお貸しください」
「ん、んむ」
盛一郎は手を差し出す穂積に素直に傘を渡した。
穂積は傘を確認すると、少女と傘を見比べて一つ頷いた。
「目覚めたのですね……」
「穂積殿?」
盛一郎の伺うような問いかけに、穂積は笑みで傘布の目が開いていた部分を指でなぞった。
すると、舌が傘の中に収まっていく。
穂積は舌から落ちる前に少女を抱き上げると、使い慣れた道具を扱うような自然な動作で舌を収めた傘を頭に被った。
穂積は盛一郎を見ると、少し目を逸らし気味に、
「せ、盛一郎様も、その……お召し物を……」
彼女の視線が舌に脱がされて放り出されていた盛一郎の服を示した。
「あ、ああ……」
盛一郎が黙って落ちている服を拾おうとすると、彼の目の前で穂積に抱えられた少女の股から交わった証が地面に落ちた。
思わず盛一郎が動きを止めると、「あるじさまぁ……」と少女が甘い声で呟く。
盛一郎の全身に冷や汗が湧いた。
そんな彼に、穂積が気遣うような声で言う。
「それでは、ええと、私はこの子を湯に入れてまいりますので、その間にお召し物を着ておいてくださいね」
穂積は少女を抱いて、家の中に入った。
●
穂積は川から水を引き入れ、妖力で釜を起動させると、少女を椅子に座らせた。
少女からは盛一郎の精の匂いがするが、体には吐き出されたはずの彼の精の跡は見えない。
よく視てみると、生まれたばかりのためか、あるいはあの妖刀化した脇差のためなのか、少女の内部の妖力が漏れ出した形跡がある。それを埋めるために彼の精を即座に吸収したのだろう。
(……残念)
彼の精の気配を辿るように下腹から胸を掌で撫で回していると、ほどなく湯が湧いた。
「いきますよー」
桶で湯をかけると、少女の肩が震えた。
どうやら目を覚ましたようだ。
少女は慌てたように周囲を見回して、傘を被った穂積と一瞬視線を合わせた。
しかしすぐに視線を離すと、どこかに見落としがないか確認するように忙しなく目を彷徨わせて不安そうに零す。
「え、あ……あれ? あるじ様?」
「申し訳ございませんが、盛一郎様には今、お召し物を着てもらっています」
「メギツネ様……」
警戒気味な少女に、穂積は自身の眉尻が下がるのを自覚する。
「ええ、女狐ですよ。
覚えておりますか? あなたは結界が破られて気絶したまま外に放り出されてしまったのですよ? こちらの傘の舌が敷物になってくれていたようですが、それでも汚れてしまっているかもしれませんからね、一度湯殿でさっぱりしていただこうと思ったのです。ご自分で体は洗えますか?」
「……だいじょうぶ」
「良い子ですね」
糠袋を差し出すと、少女はそれを受け取って体を洗い始めた。
無言で体を洗う少女を眺めながら、穂積は被っていた傘の、地面に落ちて土が付いてしまった部分を洗い始めた。
少女がぴくりと反応して、だが特に文句を言うでもなく体を洗う動きを続ける。
穂積が傘を撫で洗っていると、少女が小さく呟いた。
「……あるじ様のせいえき、出てきませぬ」
「盛一郎様は結界を破るために少し無茶をしておられたようですので、その際に漏れ出てしまった妖力を補うためにあなたの体が急いで精を取り込んだのではないかと思いますよ」
「そうなのですか」
ほへえ、と分かったような分からなかったような反応を返すと、結界の中でのことを思い出したのか、少女は頬を染めた。
「たしかに、はげしくつかっていただきました……」
「参考までに訊ねたいのですが、どのように使っていただいたのでしょうか?」
少女はもじもじと股をこすりながら、
「この身のしたべろと、直しておりました刀で大きくなったモノに初めてをささげて、また、その後にかたなで、おしりをくじられてしまいました……」
(まあ、大胆……)
少女が恍惚として語る内容に、感心とも呆れともつかない感想を抱きながら、盛一郎が結界から抜け出すことができたのは少女が生まれたばかりで妖力が足りなかったのではなく、やはりあの妖刀化した脇差が利いたのだと穂積は納得した。
それはきっと、少女が与える快楽の誘惑に耐えながらのことであり、盛
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5 6..
19]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録