やがすり

 お風呂から上がった頃、すっかり日が落ちていた。

 ミヤさんは僕を座敷へ案内して、夕食にいなり寿司を持ってきてくれた。甘く柔らかな油揚げ、酢飯の酸味、プチプチとした胡麻の食感。とても美味しかったが、食事中にもミヤさんの脚が気になってしまった。入浴前にストッキングを汚してしまったから、打って変わって白い生脚が露出している。それどころかスカートの中はノーパンのはずだ。服を着たとき、予備の下着などを履いている様子はなかったから。

 男のそういう視線は、見られる側からすれば非常に分かりやすいらしい。ミヤさんは嫌がったり怒ったりはしないけれど、その代わりまた僕をからかい始めた。正座していて痺れたと言いながらあぐらをかき、暑いと言ってスカートをひらひらさせる。あのとき舐めた、つるりとした割れ目がちらりと見えてしまう。

 そうして悶々としながら夕食を済ませて、歯を磨いて……夜が更けてきた頃。


 座敷に敷かれた布団の上で、僕は裸になって待っていた。燭台の優しい光で、障子の向こうに影が差した。

「おまたせ」

 障子をすっと開けて入ってきたミヤさんは、僕とは違いちゃんと服を着ていた。セーラー服に代わって、水色の着物姿。正式な名前は知らないけど、矢の羽を連ねた文様の生地だ。ピンク色の帯には可愛らしい手毬の柄。
 とても綺麗で、清楚にも見えるけど色気があって。やっぱり胸が高鳴る。ミヤさんは狐耳を正面に向けて、僕の胸の音を聞きながら、ゆっくりと僕の前に座る。彼女の顔も赤らんでいて、そしてわくわくしているようだった。

「ほな……うちと、シてくれるんやね?」
「うん」

 決心はついた。例え呪いがあっても、僕はミヤさんと繋がりたい。でも、そのためには。

「ミヤさん。僕……これからも、ミヤさんに会えるかな?」
「え……?」
「ずっと、ずっと一緒にいたいんだ。ミヤさんが側にいてくれれば、僕は……」

 『ハルくんは勇敢や』……列車の中で聞いた言葉。

「これからも、勇気を出せると思うから。呪いなんて怖くないくらい」
「……ええよ」

 そっと、手を握られた。微笑みと共に。

「この着物の柄、『矢絣(やがすり)』言うんよ。どういう意味か分かる?」

 首を横に振った。彼女は僕に体を寄せ、覆いかぶさるようにしてぐっと体重をかけてくる。頬にキスをされるとまた力が抜けて、為すがままに押し倒されてしまった。

「放たれた矢は戻らへん。女の子がお嫁に行くとき、旦那さんと仲良く暮らせるように、逃げ帰ってこんでええように……そういう意味で持たせる物なんよ」

 僕の腰に跨って、裾をたくし上げる。下は何も履いておらず、あの良い匂いのする割れ目が露わになった。そこからポツッと熱い雫が垂れて、下でそそり立つ肉棒に落ちた。ふわりと、甘酸っぱい香りが漂う。
 行灯の明かりに照らされたミヤさんの笑顔はますます可愛くて、そして淫らに見えた。瞳の奥の光も綺麗だ。

「もう後戻りは無し……こっちにいる間も、向こうへ帰った後も、二人一緒やで」

 着物の袖が下腹部を撫でていき、指先がそっと、肉棒を掴む。彼女は腰を下ろして、秘部の入り口に亀頭を触れ合わせた。

「んっ」
「あっ」

 二人同時に声を出してしまい、ミヤさんがクスッと笑う。そのまま中へ挿れてしまうのかと思ったら、彼女は握った肉棒で女性器をマッサージするかのように、入り口へぐりぐりと擦り付け始めた。

「あぁ……もう、濡れとるけど、もっともっと、おまんこトロトロにした方が……気持ちええやろから……」

 気持ち良さそうな息遣い。脱力した僕は身を任せるしかない。両方の性器から滲み出た粘液で、感じるところが滑らかに擦れ合う。熱気を帯びたぬめぬめとした感触に高められ、秘部の突起と触れ合ったりもして、くすぐったい気持ち良さだ。

「あぅ、んんぅ……ハルくんのコレ、ほんまに熱いなぁ……」
「み、ミヤさんのソコの方が、熱いよ……っ!」
「ええ? そう、かなぁ……?」

 そんな言葉を交わしているうちに、女の子の穴からはたらたらと愛液が溢れ出し、肉棒全体を濡らしていた。清楚にぴったりと閉じていた割れ目が口を開け、肉棒を奥に飲み込もうとしている。少し滑ればつるんと入ってしまいそうだ。

 ミヤさんも、そろそろ良いと思ったのだろう。僕の目を見て、潤んだ瞳で笑みを浮かべる。そしてゆっくりと、腰を沈めた。清楚な着物を着たまま、下品に大きく股を開いた姿勢で。

「ふ、んんぃ
hearts;」
「あ、熱っ!」

 思わず声に出してしまった。彼女の内側は、火傷するのではと思うくらい熱く感じた。とても柔らかい膣が、ちゅるちゅると音を立てて蠢いて、ペニスをもっと奥まで誘い込もうとする。
 けれど柔らかくて優しいだけじゃなくて、しっかりと肉棒を締め付け
[3]次へ
ページ移動[1 2 3 4]
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33