コロナと出会った年から、僕の人生は少しずつ変わり始めた。と言っても、目標は父のような立派な大人になり、ワイナリーを引き継ぐことに変わりなかった。変わったのは葡萄園と同じくらい大切なものができたこと。
朝起きて最初に挨拶してくれる使用人はいつもコロナだった。休憩中に飲み物を持ってきてくれるのも、仕事の合間に一緒に勉強するのも、この小さなキキーモラの使用人だった。僕は彼女を何処へでも連れて行ったし、彼女は何処にでもついてきた。葡萄園にも、ワイン蔵にも、町にも、野山にも、川にも、僕の部屋にも……ベッドの上にも。
コロナは僕が望めばいつでも抱き枕の役をやってくれたし、あの時のように僕の滾りを鎮めてくれたりもした。最初は股間から白い物が吸い出される度、コロナに魂を吸われているのではないかと思ったものだ。とても気持ちよいが、同時に少し疲れるから。だがコロナの笑顔を見る度に安心してしまい、またしてほしくなってしまう。
僕の求めに応じて、コロナは小さな口で一生懸命にペニスをしゃぶってくれた。ふわふわの尻尾を揺らしながら、楽しそうに。やがて舌の動きが慣れてきて、的確に感じる所を突いてくるようになった。そして彼女はいつも僕の出したものを美味しそうに飲み下し、にっこり笑って頭を撫でてくれた。
そして時には、口以外でも……
「イェンス様、失礼いたします」
ベッドに寝た僕の上に、覆いかぶさってくるコロナ。いつも通りメイド服を着ているが、スカートを捲り上げていた。白い清楚な下着と、滑らかなふとももが眩しかった。僕の方はすでに下半身を裸にされており、ペニスは期待に膨れ上がっている。そのまま彼女が僕の上へうつ伏せになると、ペニスがすべすべとしたふとももに挟み込まれた。
「重くないですか?」
「平気、だよ……」
柔らかな女体の重圧は心地よく、何より彼女の顔が間近にあるのが興奮した。互いの吐息がかかる距離だ。
コロナはにこりと微笑み、脚をこすり合わせる。滑らかなふとももと下着の生地が、優しくペニスを愛撫した。彼女に抱きつき……というよりむしろしがみついて快感に震えていると、コロナは僕の目をじっと見つめ、頭を撫でてくれる。
舌のくすぐったさとは違う、甘く柔らかな摩擦。コロナも「んっ、んっ……」とくぐもった声を出す。快感の波が最高潮に達するまで、彼女は脚でペニスを抱きしめてくれていた。
「……うっ」
やがて、たまらない気持ち良さに声が漏れ、ペニスからは白濁が漏れ出した。コロナの温かなふとももの間で脈打ち、どくどくと精液を吐き出していった。
「いっぱい出てます……」
ふとももでしっかりとペニスを抱きしめながら、コロナは楽しそうに笑う。そのままいつものように頭を撫でられ、次第に心地よい眠気に包まれていった。
こうして彼女の奉仕を受けながら共に成長し、やがてそれがどういうことなのか、少しずつ分かってきた。
仕事をするときも遊ぶときも、彼女は忠実な従者だった。相変わらず平らな場所でよく転んだが、仕事は正確で、常に僕を助けてくれた。そうやって四年が過ぎ、待ちに待った十六歳の誕生日を迎えた。町の法律上、飲酒を許される歳だ。我が家で作ったワインを、僕と父、そして使用人たちの誇りであるそのワインを、ようやく味える。コロナに「どんな味なのか」と聞かれて答えられなかったワインの味を、ようやく知ることができる。コロナは僕より二週間早く十六歳になっていたが、最初の一杯は僕と一緒に飲むと言って、待っていてくれたのだ。
夜のパーティへの期待に胸を膨らませつつ、僕は古本市を見るためコロナと一緒に町へ出た。町の人たちは僕らを見ると優しく声をかけてくれた。この頃には町に済む魔物の数は徐々に増えており、その献身的な働きぶりによって住民からの信頼を得ていた。コロナもそうである。
「ねえ、ちょっといいかい」
不意に声をかけてきたのは、旅人らしい身なりの子供……とその時は思った。実際には彼女は僕たちより年上で、ドワーフだったのだ。
「ジュベリオ市の鳩時計を作った職人がこの町にいるって聞いたんだけど、何処かな?」
「ヘンシェル様の工房でしたら、向こうの十字路を左に曲がって、自警団の詰所の前で右に曲がれば正面に見えますよ。緑の看板です」
コロナが丁寧に教える。彼女はお礼を言うと、意気揚々と歩き出した。平和な街並みの中を、堂々と。
だが実際のところ、あの頃は完全に平和とも言い難かった。自然な形で魔物が町に溶け込み始め、それに伴い町の中立が崩れることを危惧する声もあった。しかし当時の僕はまだそんなことは大して気にせず、コロナと一緒に呑気に古本を物色していた。
事件が起きたのは、そのときだった。路地裏の方からくぐもった声がしたのだ。
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