……今日も寮の屋上で、彼女は僕を待っていた。こういうことをするようになってから一ヶ月間、雨の夜以外ずっとこの場所だ。月を眺めている委員長に歩み寄ると、彼女もこちらを振り返り微笑む。黒いポンチョの裾が夜風に靡いていた。
彼女は僕を抱き寄せ、頬を寄せてくる。髪の匂いが鼻をくすぐったかと思うと、首筋に熱い吐息がかかった。牙を剥き出しているのが分かる。注射の前の消毒のように、舌で首筋を拭われた。
直後、一瞬だけ犬歯の冷たい感触を覚える。その後は脳内が快楽一色になった。牙が深く食い込んでいるのに、嫌な感じは全くしない。
彼女の手が僕の下半身へ伸び、そっと股間を擦ってくる。ペニスを出せというサインだ。それに応えてファスナーを降ろしてパンツをずらすと、すでに勃起した僕のペニスが飛び出し、柔らかな手にキャッチされる。そのまま委員長の手で彼女のふとももへ導かれ、柔らかな脚に挟み込まれた。
「ん……ん……」
ゆっくりと、血を吸われる。委員長は細い腕からは想像できないような力でしっかりとぼくを抱きしめ、ふとももをすりすりと擦り合わせてきた。柔らかい感触に挟まれ、吸血の快感と相まってペニスがじわじわと気持ちよくなっていく。ふとももだけでなく彼女の無防備な股間にも擦れ、やがてすべすべした脚がぬめりを帯びてくるのをペニスで感じた。委員長は濡れやすい。
いくらか血を吸われ、吸血口を丹念に舌で舐められる。僕の首筋から口を離したとき、彼女はぎゅっと脚を閉じてきた。
口からはくぐもった声が出ただけだったが、ペニスは悲鳴を上げた。白く奇麗なヴァンパイアのふとももの間で脈打ちが始まった。高貴な彼女の体を僕の体液が汚していく。委員長の華奢な体にしがみ付きながら、その快感を楽しんだ。
気持ちいい。恍惚とした気分で委員長の顔を見ると、彼女は少し不思議そうな顔で、唇についた血を拭っていた。
「……血の味が少し、変わったような……」
呟きつつ、彼女は僕から放れる。下半身に目を向けると、彼女の太ももは僕の出したものと女性器から滴ったものが混ざり、べっとりといやらしく糸を引いていた。それだけ出したにも関わらず、僕のモノはまだ上を向いて小さく震えている。雫の溢れる先端が、まだ快楽を求めていた。
委員長はポケットに手を入れ、マッチ箱くらいのケースを取り出した。中からリトマス紙のような青い紙を出し、それをふとももに付着した精液に触れさせる。するとその先端がじわりと変色し、ピンク色になった。
「南原くん……!」
彼女の表情がぱっと笑顔になる。それを見て何が起きたかすぐに分かった。
「小宮山さん、僕……」
「うん。インキュバスになったのよ!」
興奮した様子の彼女に、僕の感情も高ぶっていった。ようやく来るべき日が来たのだ。
インキュバスになった。それはつまり、ヴァンパイアである彼女と正式に恋人同士になれるということ。そして今までできなかったことができるということ。
「焦っちゃだめ」
僕の高揚を察したかのように、委員長は僕の手を取った。
「初めてはベッドで、ね?」
……こうして、僕は委員長の部屋へ連れ込まれた。ルームメイトたちは彼氏の所へ行っているようで、丁度二人きりだ。さすが委員長が暮らしている部屋だけあってよく整理整頓されている。
彼女はゆっくりと服を脱ぎ始め、僕も促されて裸になった。委員長は素っ裸の上に黒のポンチョを羽織る。ヴァンパイアは翼をマント状に変化させることができ、委員長はいつもポンチョ型にしているのだ。服を脱いだときにふっくらした白い胸を見ることができたが、すぐにその翼で隠されてしまった。
見えている下半身の方は……ふとももまで愛液が垂れていた。さっきの分は拭き取ったのに、もう汁でぬらぬらといやらしく光っている。このふとももで、この脚で、いつも弄ばれてきた。そして今夜はとうとう、この蜜の源泉で搾り取られる。
それを心待ちにしていた僕だが、服を脱いでから委員長の様子が少しおかしくなった。愛液滴る脚をもじもじと擦り合わせ、頬を赤らめている。いつもの意地悪な笑顔はどうしたのか、少し俯いて僕とベッドとを交互に見つめていた。
「小宮山さん……?」
お尻の穴でするときのように、僕を寝かせて見下ろしながら犯してくれるのかと思っていた。だがそれにしては随分ともどかしい態度だ。
「あ、あのね、さ……悟くん……」
ふいに、僕のことを名前で呼んだ。委員長はゆっくりとベッドに腰掛け、僕を見上げてくる。潤んだ瞳に一瞬ドキリとした。まさか委員長がこんな顔をするなんて。
「私、小学生の頃から……先頭に立って皆を引っ張ることが多かったから」
彼女は頬を掻きながら照れくさそうに微笑む。股間から垂れる物がシーツに
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