「う……く……」
目が覚める。頭が重く、体が動かない。
記憶の糸を辿り、魔物狩りに捕らえられたことを思い出す。体が動かないのはあの毒矢のせいだろう。どうやら船の上にいるらしく、両手を木の板に縛り付けられていた。くそっ、体がまともに動けば、軟体を利用して縄くらい脱けられるのに。見ると、あたしの他にもマーメイドやシー・スライムといった魔物が同じように囚われており、毒のせいでぐったりした顔をしている。
「おや、お目覚めですか」
いやらしい笑みを浮かべた男が、虫唾が走るようなねっとりした声で話しかけてきた。こいつが親玉か……?
「さてお嬢さん達、面白い物をお目にかけましょう。左をご覧下さい」
左……?
私は何とか首を動かして振り向き、そして愕然とした。いつも見ている、エスクーレ・シティの漁港……彼の住んでいる辺りが、燃えていたのだ。港の施設や船、漁師達の家が炎に包まれている。きっと、彼もあの中に……!
「教団の方々は、以前からこの町に拠点を築きたいと考えていたようで、我々の組(ファミリー)が手引きしたのですよ。しかしそうすると、この近辺の魔物は駆逐されるでしょう。そうなる前に、貴女たちを助けて差し上げたわけです。クックックッ……」
恩着せがましく言いやがって……!
マーメイドが抗議の声を上げたが、毒のせいで上手く口も利けないみたいだ。
「この船はね、貴方たち海の魔物を捕らえ、薬漬けにするための物なんですよ。麻薬や媚薬で精神をくたばらせ、犯し尽くし、丁度いい生き人形になったら売りさばきます。顧客の中には女性を痛めつけるのが好きな方もいますが、まあそれさえ気持ち良くなるよう改造してさしあげましょう」
冗談じゃない!
男が指をパチンと鳴らすと、船内から全裸の男たちがぞろぞろと現れ、甲板に上がってきた。甲板が瞬時に裸体の海になる。誰もが股間の汚いモノを勃起させ、ニタニタ笑いながらあたしたちを見ていた。まさか、今から……!?
「さあ、調教の第一段階、そして我々のエスクーレ進出記念だ。骨の髄まで犯しつくしてやれ」
「ぐへ、へへへ……人魚だ、本物のマーメイドだぜぇ」
「あのクラゲ娘、マンコの中までプルプルしてそうだぜ」
「俺はタコ女の胸と顔にぶっかけてぇ!」
男達が殺到してくる。逃げようともがいても、毒に侵された体は言うことを聞かない。ついに手が伸びてきて、私の胸を掴む。
やめろ、触るな! ……そう叫ぼうとしても、言葉にならない。
さらに、力の入らない手に汚い肉棒を握らされ、強制的にしごかされる。さらに脇腹、お腹、うなじにまで擦りつけられ、嫌悪感で爆発しそうになる。さらに顔に向けて肉棒をしごき出す奴。嫌だ、彼の精液しか浴びたくない。何であたしがこんな目に遭うんだ。あたしには彼しかいないのに。彼になら何されてもいいのに。何でこんな奴らが、あたしの体に触るんだ!
「へへっ、柔らけぇ……」
「こいつ、海に浮かんでオナってたんだろ?」
「じゃあ、もう挿れて欲しいんじゃね?」
こいつらのが、あたしの中に!?
嫌だ! それだけは絶対に!
「や……め……う……ッ」
「おっ、やっぱり挿れて欲しいみたいだぜ?」
「なら俺が……」
肉棒の先端が、アソコの入口に触れる……
嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁぁぁぁ!!
死んだ方がマシだ!
そうだ、死のう。舌を噛み切ろう!
「うぎゃあああぁ!」
「ぐああぁっ! 痛え、痛えェェ!」
覚悟を決めて目を閉ざした瞬間、男たちの断末魔が耳を突いた。恐る恐る目を開けると、甲板は裸体の海から血の海に変わっていた。いつの間にか現れた、顔を布で隠した人間たちがカットラス(船乗りが使う刀)を手に、裸のクソ男どもを容赦なく切り捨てている。血や肉片が飛び散り、あたし達を取り囲んでいた奴らも、粗末なモノを縮こまらせて逃げ回る。
何が起きているのか分からなかったが、船べりに鉤縄らしきものが引
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