三矢が二、三歩後ろへ下がる。目の焦点は俺に合ったままで、俺はその体をこっそり愛でつつ、今から起きる何かを待っていた。
息を大きく吸い込む音が聞こえた。だが次の瞬間、その音はかき消される。
「かーッ飛ばせェー! シーンーゴ!」
その大声は俺の腹にドンと響いた。応援団の先頭に立つときの三矢の声とは何かが違う。音量は凄まじいが耳を劈くようなものでははなく、何か揺さぶられるような感覚があった。
「シーンーゴ! シーンーゴ!」
あさぎ色の翼を派手に振り回しながら、三矢は俺の名を叫ぶ。燃え上がるようなものがこみ上げてきた。試合中に感じるような闘志だけではない。心を焦がすようなじりじりした感覚だ。
ふと、三矢が言った『特別な応援』というフレーズを思い出す。同時にセイレーンの生態も。
「魔声……!」
セイレーンは歌声に魔力を宿す魔物。きちんとしたリズムで放たれる応援のかけ声に、歌と同じ力があっても不思議ではない。こいつの普段の応援に籠った力もそのせいかもしれない。そしてセイレーンは気に入った男のためだけに、特別な歌を捧げるという。
自分の股間に目をやってみると、そこはすでにズボンを押し上げるくらいに勃起してやがった。
「かーッ飛ばせェー!」
応援を続けながら、三矢は熱っぽい目で俺の股間を見ていた。まとわりつくような視線で。
俺の中に生まれた熱が股間へ集まっているような気がする。今すぐモノをしごきたいが、それでは収まらないことが勘で分かっていた。
「シーンーゴ!」
声は俺の心を激しく揺さぶり、焦がしてくる。焦燥感のたぎる俺を見て、三矢は叫び声の間に舌なめずりをした。八重歯の可愛い口でなんとも魔物らしい表情をしている。それを見た瞬間に、溜まったものが弾けとんだ。
「三矢ぁぁ!」
即堕ちというやつだろうか。俺は三矢を取り押さえるようにして抱きしめ、魔声を出す口を自分の唇で塞いだ。一瞬苦しそうに身をよじらせた三矢もすぐに俺を受け入れ、甘えるように抱きついてきた。ふわふわの羽が首の後ろに擦れる。
そして唇の感触。男勝りなのになんでこんなにぷるぷるなんだ。舌で舐めてみると三矢も舌を出す。舌同士が触れ合い、じゃれ合うように舐め合う。
彼女の肌も気持ちよかった。はだけた学ランの内側に手を潜り込ませてみると、汗ばんだ肌が掌に吸い付くようだった。おへそや脇腹、そしてさらしの巻かれた控えめな胸をなで回し、柔らかさに酔いしれる。
「んっ、ちゅ……ふふ……あはは……
hearts;」
くぐもった息と笑い声を漏らしながら、三矢は俺の口に舌を差し込んできた。小さな舌だ。ねっとり絡め合うと、今度は三矢の口に舌を入れる。
甘い香りが口一杯に広がった。三矢の肌からも同じニオイがしている。柔らかい羽毛からもだ。香水をつけているとかガムを噛んでいるとか、そういうニオイとはまるで違う懐かしいニオイだった。
「ぷはっ……へへっ
hearts;」
息継ぎのように唇が離れ、三矢は得意げに笑った。あたしの声は凄いだろ、とつり目がちな表情が言っている。可愛い。
「三矢の……」
三矢のニオイがする、と言いかけた瞬間、こつんと額をぶつけられた。
「三矢じゃないだろっ。あ、あたしはシンちゃんって呼んでるじゃないか……
hearts;」
気恥ずかしそうに告げられた言葉の意味を、数秒間を置いて理解した。
「……さゆり」
「そ。名前で呼んで……
hearts;」
ぽーっと赤くなった顔で微笑み、彼女は急にその場に屈んだ。俺の股間の前にさゆりの顔がくる。
「へへっ、膨らんでる上に汁も出てるぞ
hearts;」
「うぐっ……」
さゆりの言う通り、いつのまにか先走りの液がズボンの上まで染みてきていた。にやけ顔の鬼セイレーンに見上げられ、恥ずかしいと同時に何か興奮してしまう。
「ちゃーんと気持ちよくしてやるからなっ
hearts;」
八重歯を見せながらのウィンクがあざと可愛い。さゆりは唇を小さくすぼめたかと思うと、俺の股間部……ズボンのチャックに口をつけた。舌と唇で上手くそれを咥え、口でゆっくりと降ろしていく。開いたところに口を埋めて、パンツも同じようにずり降ろされる。
最大限に勃起していた竿はバネ仕掛けのように飛び出した。先端がさゆりの鼻先を掠める。
「あははっ、ビンビンじゃん
hearts; あたしの応援で気合い入っちゃったんだ
hearts;」
さゆりは笑いながら翼の手をペニスに添えてくる。ふわっとした羽毛で敏感なところが包まれ、途端に快感がこみ上げてきた。まだ出してしまうほどではないがかなり気持ちいい。
「す、すげぇ、ふわふわだ……!」
「なんか先っちょのヌルヌルが凄いんだけど。あたしの羽、そんなに気
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