閉店後の一服を終え、居間に戻ってきた頃には夜中の三時を回ったところであった。時計を見てヴァイスはふとした疑問を持つ。
「そういやフィリア、お前さん眠くは無いのか?こんな夜遅くになっちまってるが」
「ちょっとねむいけど…おふろにも入りたいし、一緒におやすみなさいしたいもん」
「風呂か。そうだな、汗のニオイも煙草のニオイもついてりゃ流石に嫌だしな」
「じゃあ〜、三人でお風呂に入ろっか」
「ブッ…!」
「みんなでおふろ?」
またしてもシャリルから大胆発言が飛び出す。ヴァイスは思わず吹き出し体勢を崩す。
「ったくお前さんは……昼間といい今といい何を考えてるんだ」
「え〜?良いじゃない〜」
「フィリアみんなで洗いっこしたい〜」
「ダメだダメだ!こればかりは譲らん。お前さん達先に入ってこい。俺は酒蔵で在庫管理の仕事があるから」
「「え〜!!」」
「えーじゃない。ほら、さっさと着替え持って行ってこい」
「ぶぅ〜。お兄ちゃんのいけず〜」
「あ、そうだ。私やることがあったんだ。ちょっと時間掛かることだから、貴方先に入っちゃって?フィリアにもちょっと手伝ってもらうこともあるし」
「……そんな事言って、俺が入ってる間に突然入ってきたりしないだろうな?」
「ギクッ…!そ、そんな事ないわよ?」
彼女の分かり易すぎる反応にジト目で返すヴァイス。
「……………まぁいいだろう。じゃあ終わったら先に入らせてもらう」
そういってヴァイスは酒蔵へと向かっていった。
「ふぅ……、これでひとまずは良しとしましょう」
「ねぇお姉ちゃん。フィリアにお手伝いして欲しいことってなぁに?お料理?」
「あー、えっとねフィリア。お兄ちゃんとお風呂一緒に入るのまだ諦めてない?」
「うん、けどお兄ちゃんがダメだって」
「大丈夫、私に良い考えがあるから。フィリアはお風呂の準備して待ってて?」
「…?うん、わかった」
そう言ってシャリルは調理場へ行き、フィリアはお風呂の準備をして居間で待機することになった。
「さて、手早く済ませなくっちゃ」
シャリルはバフォメットから買った人魚の血や霊薬など、全てを台の上に並べる。もちろんあの精力剤も。そして何故か一緒に救急箱も持って来ていた。
「まずは…こっちからね」
シャリルは真剣な顔でグラスに量を調整しながら霊薬を混ぜていく。調合を終えると、彼女は救急箱から小さな注射器を取り出し自分の手首に針を突き刺した。チクッとした痛みが彼女を襲い少しだけ顔を歪ませたが、そのまま自らの血を抜き取っていく。そしてその血を混ぜておいた霊薬に流し込んで再び混ぜていく。
「出来たわ…ドラゴン族に伝わる秘薬」
秘薬と呼ばれたその液体はオレンジ色をしており、淡い光を放っていた。一体どのような効果があるというのだろうか…。
「後は…こっちね♪」
さっきとは打って変わり少しにやけた表情で人魚の血と精力剤を混ぜていく。こちらは単に混ぜ合わせただけなのであっという間に完成した。そして両方の液体をそれぞれ小瓶に入れて栓をする。
「さぁ、急がなきゃお風呂に間に合わないわ」
シャリルは急いでフィリアの待つ居間へと戻った。戻ると彼女はソファーにちょこんと座っていた。
「フィリア、お兄ちゃんは?」
「さっきおふろ場に向かったよー」
「良かった。じゃあフィリア、コレ飲んで?飲んだら急いでお風呂に行くよ」
「?うん」
フィリアは彼女から渡された例の精力剤を飲み、シャリル自身は余らせておいた精力剤のみを飲んだ。すると体の中で何かが燃えてくるような感覚に襲われ、秘部がムズムズしてきていた。シャリルはフィリアの様子を窺った。すると顔が少し赤くなっており、ソワソワしていた。効果を確認したシャリルは彼女を連れてお風呂場へと急いだ。入り口に着くとシャリルは口元に人差し指を当てて静かにとフィリアに注意すると、こっそりと中を覗き込むとシャワーの音がしていた。これをチャンスと見た彼女はフィリアを連れて脱衣所に入り、急いで裸になってタオルを持ちお風呂に突撃した。
「なっ!?お前さん達、あれほど入ってくるなと…!」
ヴァイスは丁度椅子に座って体を洗おうとしていた最中で完全に無防備であった。
「えへへ〜、お兄ちゃんと一緒におっふろ〜♪」
「フィリア、頼むから離れてくれ…」
「やーだ♪」
嬉しそうに拒否するフィリアに呆れていると、トントン。と肩を指でつつかれる。今度は何だと思い、ヴァイスはそっちを振り返った。
「何だ……ってうむっ!?」
ヴァイスは振り向いた瞬間にシャリルに唇を重ねられ思わずビックリしてしまう。その隙に予め口に含んだ秘薬を彼の口内に流し込んだ。どうする事も出来ず、彼は仕方なくその液体を飲み込んだ。
「ぷはっ
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