辛き現実。そして修行

「ようやく着いたか…」

険しい山道を歩くこと5日間、ジャックは山岳都市『アースグランド』へ辿り着いた。

「あー…腹減ったなぁ」

「お兄様大丈夫?」

心配したプリムが声をかける。それに対してジャックはため息をついた。

「お前は良いよなぁ。腹空かねぇだろうし」

「えっ?」

「だってお前…ほら、アレ…だし?」

憑かれて以来プリムと一緒に居るがやはりお化けという存在はジャックにとって恐怖の対象のようだ。

「あ、あはは!そ、そうね〜…」

「…?何だよ歯切れ悪いじゃねぇか」

「え!?えっと…そういう事考えたこと無かったから、あはは♪」

「ふーん…ま、いいや」

(お兄様ゴーストって魔物の事ちゃんと知らないみたいね…。まぁ…いっか。その方が好都合だし♪)

「とりあえず飯でも食うか…」

ジャックは財布を取り出し手持ちと相談する。まだ少しの間は大丈夫な様だ。

「うし、適当な店見つけてさっさと済ませるか」

「お兄様大丈夫なの?」

「あん?何が?」

「捕まっちゃうんじゃ?」

プリムの心配にジャックは一枚の紙を見せた。そこには下手な似顔絵が描かれていた。どうやら手配書のようだ。そしてその似顔絵の下に書かれている名を見る。

“ジャック=カーネージ”

「何これ!?全然お兄様に似てないじゃない!!」

「あぁ。最初は俺も心配だったが、今の今まで一度も言われたこと無いからな。だから何の問題もない。わかったら行くぞ」

「お兄様はあんなブサイクじゃないのに…ブツブツ」

(ブツブツって表現で使うものだと思ってたが、本当にブツブツって言うヤツ始めてみたな…)

後ろで手配書の似顔絵にブツブツ文句を言うプリムを見ながらそんなくだらないことをぼやーっと思いつつ街の中へと入っていった。











「ふーっ…食った食った。ごっそさん」

満腹になったお腹をさすりながらお茶をすする。

「さて、んじゃそろそろ行くかね」

カウンターで勘定を済ませるジャック。先程もそうだったが、本当に何の問題もなく食事を済ませることが出来た。周りにいた他の客もヒソヒソと話す素振りが無かったところを見るとやはり手配書の似顔絵は余程ヘタクソらしい。

「さてと、後は夜中まで時間潰しだな。……ん?」

店を後にし、街中をブラブラ歩いていたジャックは、突然何かの違和感を感じ、辺りに意識を集中させる。

「どうしたのお兄様?」

「…プリム、ちょっと黙ってろ」

「…?う、うん」

小声でプリムを諭すと、再び意識を集中させる。やはり違和感を感じる。しかもさっきよりも明確だ。誰かに見られている。兵士のものか…?しかし殺気は感じられない。それに、さっきの店では自分の事をジャック=カーネージだと気づいた者はいなかった。ジャックは違和感の正体を突き止める事にした。もし兵士だった場合は倒してしまえば良いだけの話だ。ただ、街中での戦闘は後の行動に影響が出る。

「…プリム、一度街の外に出るぞ。理由は街を出たら話す。後、絶対に後ろに振り返るな」

「う、うん。わかったわ」

そういうと、ジャックは出来るだけ気付いていない素振りを見せつつ、街の外へと歩いていった。








「お兄様、そろそろ話して貰えないかしら?」

街を出てしばらく歩き続けていたが、プリムが痺れを切らして街を出た理由を訊き始めた。

「…そうだな、そろそろ良いだろう。人気もないしな」

ジャックは立ち止まると後ろからずっと感じていた違和感を相手に背を向けたまま話し掛けた。

「おいテメェ、いつまで付けてくる気だ?」

その言葉にプリムは後ろに振り返る。そこにはフードを被った何者かが立っていた。

「貴殿が『ジャック=カーネージ』か?」

「……だったらどうした?」

ジャックは大剣の柄に手を添えながら振り返り、目の前にいるフードを被った人物と対峙した。

「吾(わたし)の名は臥龍 紅。吾が主・キュリアス様の命により、貴殿の手助けに参った」

フードを脱いだ人物―紅―はジャックにそう告げた。

「キュリアス…?あぁ、あの胸クソ悪いリリムの事か。…へぇ、早速部下を送りつけてくるなんて、案外殊勝じゃねぇか…っと!?」

僅かな殺気を感じ身をそらせるジャック。その刹那、ジャックの体ギリギリに刀の切っ先が突きつけられた。

「テメェ…何のつもりだ?」

「如何にキュリアス様に認められた者とは言え、吾が主を侮辱する事は許さぬ」

「……へぇ、許さなかったら、どうする!?」

ジャックは大剣を振り上げ、突きつけられた刀を弾き飛ばした勢いのまま距離を取る。

「暴言を吐いたことを後悔させるまでだ!」

その距離をすぐさま埋めようと紅が突進してくる。

「お兄様!?」

「チッ…!」

ジャックは大剣を
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