「う…、ここは…?」
朝の日差しで目を覚ましたジャックはゆっくりと体を起こす。
「朝……か。そういや昨日…」
昨日の夜を思い返し、はっと何かに気付いたジャックは、飛び起きケーニッヒを構え、辺りを警戒する。
「……どこだ?アイツ」
アイツとはもちろんプリムの事である。
「………………いない、か?」
360度+空足元と全てを見回したが彼女の姿はなかった。
「…漸くいなくなったか。ったく…」
警戒を解き、愚痴をこぼしながらケーニッヒを地面に突き刺す。
「ま、こんだけ太陽が出てりゃ出てこれねぇわな」
ジャックはやっぱり幽霊の類は日の光の下へは出てこれないんだなと解釈し安堵した。
「ちゃんといるわよ、お兄様♪」
「………………」
安堵したのも束の間、彼女の声が聞こえてきた事に、ジャックは頭を抱えた。
「おいテメェ、プリムとか言ったか。どこにいやがる?」
「まぁ、早速名前を覚えてもらえるなんて嬉しいわお兄様♪」
「いつ俺がテメェの兄貴になったんだ!?で、どこにいる?」
「ここだけど?」
ジャックの胸からスッと体を出してくる。
「うおぉぉい!出て来方がいちいち怖ぇんだよ馬鹿!つか、こんなガンガンに日の光が降って来てんのに平気で出て来れんのかよ…」
ジャックは日中でも元気(?)に飛び回る彼女にげんなりする。
「もちろんよ。だって私はお日様からお兄様の愛で守られているんですもの…!」
「あー…はいはい」
「もう、ヒドいわお兄様!さらっと流すだなんてっ!」
「あー…はいはい」
「む〜!………呪うわよお兄様」
「あー…はいはって呪うなよ!?怖ぇだろうが!」
「こういう事にだけはちゃんと反応するんだから」
プリムがぶーぶー不満を言っているのを無視してジャックは地図を広げる。
「何々?どうしたのお兄様?地図なんか広げて…。それに所々にあるバツ印は何?」
「コレは俺が潰した拠点のあった場所だ」
ジャックは地図に新しくバツ印を書き加えた。昨日崩壊させた場所である。それ以外にも20ヶ所程バツ印が書かれていた。
「このバツ印が拠点って事よね?だとしたらこれだけの数の拠点を一人で潰してるって事よね?」
「あぁ、それがどうした?」
「…………お兄様って化け物?」
「おめーにだけは言われたくねぇ。……ともかく、次の場所へ向けて出発しないとな。えーと次は…と」
ジャックは現在地(拠点付近)から一番近い拠点を探す。
「ここか。山岳都市『アースグランド』。ここからだと、少なくとも一週間は掛かるか」
ジャックが指し示した場所は今居る場所から東へ進んだ山脈に囲まれた都市だった。
「そこに行くの?」
「あぁ。ここにある拠点をブッ潰す」
地図を折り畳み、ポケットに仕舞うと、ケーニッヒを携え歩き始めた。プリムもその後をついて行く。しばらく無言が続いたが、耐えられなくなったプリムが話しかけた。
「ねぇお兄様。ひとつ訊いても良い?」
「…あぁ?んだ急に」
それに対してめんどくさそうな顔をして受け答えるジャック。
「お兄様は何でこの国の拠点を潰して回ってるの?」
「……………」
質問の内容によりジャックの表情は一変する。その表情は憎しみを湛え、ただならぬ理由があることを露見させた。その表情にプリムは恐怖を覚える。
「ご、ごめんなさいお兄様…。訊いちゃいけなかった…?」
「…………仇を討つ。ただそれだけだ。弟と妹のな」
それ以来ジャックは一言も喋らずに次の拠点があるアースグランドへと歩を進める。プリムも気まずさから話しかけられないでいた。
「じゃ、今日はここらで休むとするか…」
あれから度々休憩を挟みつつ歩き続け、夜を迎えた。賞金首であるジャックは街や村で休むことは出来ない。なので今日も野宿である。幸い目の前には川が流れていたので食べ物には困らなかった。
「さて…寝るか」
食事も済み、地図で再び場所を確認し終えたので、ジャックは横になった。
「……ねぇお兄様」
「あぁ?」
「お兄様の妹ってどんな子だったの?」
「……妹は、『シャル』は明るくて無邪気で…ある意味お前と似たような性格だったな」
「そっか……。ねぇお兄様?私、改めてお兄様の妹になりたい。良いでしょ?」
「はぁ?何言ってんだ?俺はお化けを妹にするつもりもねぇし、ましてやした覚えもねぇ。冗談も大概にしとけよ」
「冗談でなんか言ってないわよ。私とそのシャルちゃん…そっくりなんでしょ?今のお兄様…何て言うかすごく辛そうだし…。だから…!」
「馬鹿、シャルはシャル。おめーはおめーだ。……けどまぁ、あんがとな」
「…えへへ」
「……ま、これでおめーがお化けじゃ無かったら良かったんだがな」
「あ〜、お
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