「(それにしても…マイちゃんも魔物娘だし、いつかは素敵な旦那様を捕まえるとは思っていたけれど…まさかそれが、キーくん…実のお兄ちゃんだったなんて、ね……)」
「ん? どうしたの、ママ?」
「……やっぱり、血は争えないものなのかしら。」
「ねー、ママってば?」
「…うふふ、なんでもないわ、マイちゃん
#9829;」
〜〜 各種裏設定(別名:どうあがいても幸福) 〜〜
◯トート・ミゲル (父 → とと → トート)
元淫行教師。
実は孤児院出身で天涯孤独の身。とある街にて大火災が発生し、焼き出されて気を失っている所を保護された。
火災のショックのせいかそれまでの記憶を一切なくしており、また身分を証明する物を何一つ持っていなかったため素性は不明。当時の推定年齢は12歳。
なお、その際に頭部に大きな火傷を負っている。
医師や医療魔道士達の懸命な治療で怪我自体は跡すら残らない程に完治したものの、なぜか頭頂部周辺の毛髪および毛根のみ戻らなかった。
そのお陰で(主に精神的な意味で)それはそれは酷い苦労を重ねており、今なお残るトラウマである。
「魔力」に対する直感力が高く、分析能力に長けている。
しかし不思議なことに、魔力を操る「魔法」に関する才はからっきしであった。
そのため、魔導師ではなく研究員、教授としての道を歩むこととなる。
外見からは想像も付かないが、実はかなりの頭脳派。教授時代には魔法・魔力に関する論文を何本か発表している。
研究・調査に積極的かつ、講義に関しても良くも悪くも砕けた態度にて臨んでいたため、生徒からの評判は悪くなかった。
ただ、彼の独自性の強さは「慣習」を重んじる傾向にある所属学会とは折り合いが悪く、在学中は研究自体は楽しみつつも肩身が狭い思いをしていた模様。
そんなある日、研究室に一人の訪問者がやってくる。新入生だというその女子生徒は、なんとトートの論文に対し真っ向から反論を突きつけてきた。
理路整然と疑問点、不明点をぶつけてくる女子生徒に対し、トートは一つ一つ丁寧に回答していく。
喧々諤々とした議論のやり取り。聡明な彼女からの意見は新たな着眼点や発見を齎すこともあり、実に建設的な時間とを過ごすこととなる。
やや融通の聞かない面もある女子生徒は時に不躾な言動を取ることもあったが、それもトートにとっては微笑ましい物であった。
そうした関係が一週間、一ヶ月、一年…と過ぎていく内に、彼らの間には自然と特別な感情が生まれる。
…しかし、「先生」と「生徒」の関係が許される筈もない。
「卒業後にこそ」と二人で決めた取り決めが仮に実現したとしても、周囲からの好奇の視線、あるいは悪意の付け入る隙は消えないだろう。
あまつさえ、女子生徒の「貴族出身」という肩書はあまりにも重荷であった。
トートの才能がこのまま埋もれていく事に耐えきれなくなった女子生徒は、卒業式のその日、恩師に何も告げることなく、学院を立ち去ろうとする。
だが、トートはそれを許さなかった。
逃げようとする彼女の手を握り、強引に空き教室へと連れ込んで。少女が今までずっと隠していた本音を、包み隠さず話させる。
自分たちの関係が許されない? このままでは、ここで研究を続けられない? どちらにせよ、卒業したら、この学院には居られない?
それに対する答えは、一つだった。
『じゃあ、俺と一緒に逃げよう!』
…突発的な駆け落ちの末、流れ流れてたどり着いたは宗教国家アトール。
主神教国でありながら不思議と牧歌的な風土を気に入ったトートは、今では妻となった(元)女子生徒と共に腰を落ち着け、やがて待望の第一子を迎えるのだが……。
現在の生業は文筆業。
子供向けの魔力教本を上梓したり、アマチュアの論文を添削したりと、仕事は地味だが元々の才覚もあって一家四人で暮らせるぐらいには稼いでいる。
結ばれるまでの経緯もあり、妻のマミとは結婚式を挙げておらず、もちろん新婚旅行にも行けていない。
口には出していないが、この点に関してはマミに申し訳なさを感じている。
今回の旅行は新婚旅行リベンジ!の心意気で臨んだものの、まさかこんな結末になるとは……
■ ■ ■
「人造勇者計画」の失敗作。
主神教団のとある暗部組織は、「才能」や「奇跡」という偶発的要素でしか生まれ得ない『勇者』という存在を人工的に生み出すべく一つの計画を立ち上げた。
それこそが、「人造勇者計画」。最終目標は、『一族郎党全てが勇者たる血筋』を誕生させること。
魔力の才や武勇に優れた者を引き入れ、子を産ませる。その子が優秀であれば、また別の子と番わせる。
最重要視されるのは、才覚のみ。
ありとあらゆる倫理観をかなぐり捨て、ただただ高い素養を持つ人間同士を「掛け合わせ」続け、ひたすらに血筋を濃くし
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