最悪の再会と……

………んあ?

もう朝か

さってと………今日も今日とて盗賊家業がんばりますか

といってもアジト(この洞窟)から出て街道沿いで獲物を待つだけだがな

だけどこの地域でもそろそろギルドの方で討伐が出されるかもしれないからそろそろ潮時かもしれんなぁ……

獲物の質も良いし、その割には護衛は弱いし、野生の魔物のアプローチもそこまでだから結構気に入ってるんだけどな

まぁ、その場合はいつものようにギルドから派遣された冒険者を倒して、男が付いていない女か魔物だった場合は犯して、また次の地域にすたこらさっさと逃げるだけだな

今日は良い飯か女が食えるかな?










街道脇の茂みに隠れていると冒険者っぽいリザードマンが街の方から歩いてきた

今日の獲物はこいつだな

男付きのリザードマンなら夫と一緒に居るはずだし、そもそも冒険者を辞めるパターンが多いから『犯してもよし』だな

武器も昨日砥いだばっかりだから途中で刃が折れるなんてことはないだろう

いつものようにぶっ飛ばしてやるか


 「ひとっつ全てはかっねの為〜♪、ふたっつ全てはよっくの為〜♪、みっつ全てはおっれの為〜♪っと」


今日は気分良いから歌いながら街道に飛び出す

獲物の方は武器を構えつつも驚いたような表情をしている

まぁいきなり盗賊が歌いながら出てきたら普通はビックリするだろう、今までの獲物はそうだったし


 「つー事で金目の物を置いていくか、一日俺のオナホになるか選んでくれ」


 「断ると言ったら?」


 「身包み剥いで明日の朝まで犯してやんよ」


言い終わると同時に懐にしまってあったナイフを投げるが、抜刀と同時に弾かれてしまう

……大体はこれでナイフに塗ってある麻痺毒で終了なんだけどなぁ、まぁそれなりに楽しめる相手ということでよしとするか

リザードマンとの戦闘は流派の特性の見極めと尻尾での奇襲を気をつけていればだいたい何とかなる……はず

ガキの頃に仲が良かったリザードマンに習った教訓である


 「私はギルドの依頼でお前を捕縛しに来た、おとなしく街までついてくるなら処罰が軽くなるようにギルド長を説得してやるぞ」


 「ホイホイついていくような人間だったら盗賊になんてならねーよ」


 「そうか、なら手荒にやらせてもらう」


そう言って武器を手に飛び掛ってくる

逆に痛い目見せてやんよ










戦いが始まってしばらく経った時

俺はこいつとの戦いに違和感を覚えていた

なんというか……斬撃の軌道がなんとなく読めたりとか、昔に戦ったことがあるような感じ

既視感ってやつか?それを感じる

だけど盗賊になってからはリザードマンと戦ったことは無いし、ましてや、冒険者に知り合いなんて居ない

うーむ………

まぁ戦いの最中だし、細かい事は後で考えよう

次々に打ち込まれる攻撃を弾きながら思い直す

そろそろ尻尾の打撃が来るはず、そう予想して攻撃が来そうなところに左手を伸ばすと予想通りに尻尾が振り払われる

ちょうど良いタイミングで俺の手甲に当たり、尻尾の攻撃を防ぐ事が出来た

やっぱり変な感じだなぁ……

俺も適当な所に剣を振るうが全て防がれてしまう

そんな戦いをしばらく続けていると、急にリザードマンがニッと口元を吊り上げた


 「なぁリント、私も随分強くなっただろう?」


 「はぁ!?」


いきなり名前を呼ばれて思わず素っ頓狂な声を出してしまう

そりゃそうだろう、10年以上誰かに自分の名前を呼ばれたことなど無いのだから


 「隙あり、だな」


そのことによって反応が遅れ、不意に放った彼女の回し蹴りを防ぐ事が出来なかった










意識が戻った時、俺は身体を縄でグルグルに縛られ、酒場のような場所で椅子に座らされていた

首を動かして辺りを見回すと、偉そうに大きな椅子に座っているバフォメットと先ほどのリザードマンが話しているのが見えた


 「……酬は………じゃな…………罰については………」


 「彼……やはり………約束通り………でお願い………」


少し離れているし、酒場もそれなりに繁盛していて二人の会話はほとんど聞き取れないが、たぶん俺の捕縛依頼の報酬のこととかだろう

はぁ………長年盗賊をやっていたがとうとう捕まっちまったなぁ………

俺の処罰については多分良くてただ働きとか魔物の巣に放りこまれて、悪ければ最悪死罪とかかなぁ……

でもまぁ教会領よりかは扱いはマシだろうなぁ

どんより気分でそんなことを考えていると話に決着が付いたらしく、二人が俺の方に歩いてきた


 「暴れないのじゃったら縄を解いてやるぞ」


 「………今更暴れてどうにかなるわけじゃないし、捕まった時点であきらめてまーす」


俺がそ
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