うぅ……頭が割れるように痛い……実際に割れてしまっているかもしれない……
油断してたとはいえもろにスープレックスを2発も喰らってしまった……
これじゃあ免許皆伝なんてもらえるわけないなぁ……むしろ破門ものかもしれない
でも痛いってことはまだ生きている、まだチャンスはあるかもしれない
そもそも好きな人に想いを告げてないのに死ぬ気なんてさらさらない、まだやりたいゲームや作りたい料理だってある
それに僕が死んでしまったら誰が幼馴染達にご飯を作ってあげるというのだ
幸いあのシスターは甲達が戦っている方に向かって歩き出していてこちらには見向きもしない
頭は今までに感じたことの無いぐらい痛いが、スーツのおかげでそれ以外はピンピンしている
ガントンファーも手元にしっかりと握っている、これならいけそうだ
僕は彼女に気付かれないようにゆっくりと立ち上がり、呼吸を整えてから一気に距離を詰める
無防備な彼女の背中に殴りかかったその時
「甘いんだよ!このクソガキがっ!!!」
華麗なハイキックを顔に喰らった、パンツは黒だった
頭の傷には当たらなかったものの、蹴られた衝撃のせいで激痛が走り、体が動かせない
これはマズイ
「アタイはなぁ!12のガキの時から殺った殺られたの世界に居るんだ!それがてめぇ見たいなカッコつけた装備とちょっと武術をかじった程度の腕前のガキに負けてたまるかっての!!!」
今度は傷のある僕の頭に踵落としを繰り出そうとジャンプしながら右足を高く上げる
やべぇパンモロ、じゃなくてやばいこのままだと本当にやられてしまう
そう思った時
地響きと爆音が辺りに響き、僕の目の前に何かが割り込んできた
その影は目の前のシスターを蹴り飛ばし、僕に振り返った
「まったく……こんな女一人にビビってんじゃねぇぞ」
なんども怒鳴られ、励まされ、バカにされたことのあるその声の持ち主は僕の師匠だった
とは言っても彼もパワードスーツを着ているため、声を聞くまで誰かは分からなかったけど
「だからお前はアホなのだ」
心を読まないで下さい
何故ここに来たのかは分からないが、今助けてもらえたのは本当にありがたかった
「まぁ俺はエメラルドと旧友の付き添いで来ただけだからこれ以上は手伝わんぞ」
彼は僕から離れ、近くの柱にもたれかかった
どういうことか分からない、といった様子の僕を尻目にタバコを咥え火を点ける
ふぅ、と口から煙を一吐きした後、真面目そうな顔をして僕に向き直った
「お前、俺から免許皆伝もらって幼馴染達を守るって決意したんだろ」
「だったら、そこの女をぶっとばしてその資格を勝ち取ってみろ、しっかり見ていてやるからよ」
今ならエメラルドに文句を言われずにタバコも吸えるからな、と付け加え柱にもたれかかりながら座った
そうだ、僕は大切な幼馴染達を守れるようになりたかったから師匠の弟子になった、こんなところで死んでしまったら彼女達を守れる資格なんて無い
そのためにはまずは僕に怒りを孕んだ視線を向けながら近づいてくるあの女を倒さなければいけない
「アタイは勇者様を守るんだ、あの間接的に世界を守るなんてバカなことを言ってる元引きこもりの男を!」
「あの人は死神や冥府の使いだなんて言われているこのアタイのことを普通の女性として接してくれたんだ、たとえ何が敵に回ろうとも、この命が失おうとも、アタイは自分の惚れた男を守ってやりたいんだ!」
「僕は貴女とは違う!大切な幼馴染達を守る為、彼女達においしい料理を食べてもらうためにここで死ぬわけにはいかないんだ!僕は貴女を倒して彼女達においしい晩御飯を作ってやるんだ!!!」
僕は脳裏にぎんとアイの顔を思い浮かべてから彼女に向かって走り出した
あぁ、もっと甲殿と交わりたかった、ねっとりと長いキスをしてもらったり、おっぱいを吸われたり揉まれたり、ガチガチになった彼のモノをしゃぶったり、いつものように優しく抱いてもらったり、たまにするシチュエーションプレイでいじめてもらったり、分身薬を使って輪姦されたり、コスプレして彼に奉仕したかった
普通ならば走馬灯のように過去の思い出が浮かぶのであろうが、頭に浮かぶのは彼との交わりの妄想ばかりなのであります
数秒が経った後、爆音と柱の砕ける音が発生し大きな地響きがあたりを揺らすが、私の予想と違って私自身には一切の衝撃が伝わってこない
それを疑問に思い、恐る恐る目を開けてみると誰かが私を庇うようにして立っていた
「我は貴様に合った最高の装備をくれてやったというのにこのザマはどういうことだ」
それは不機嫌そうな表情を浮かべ、体のいたるところに
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