3、とある疑問が浮かんだ

「あんたを退治しに来た」


「フン、貴様も前に来た奴と同じか」


「その前に聞きたい事があるんだ
 あんたってここで一人で住んでいるのか?」


「あぁそうだ、くだらん奴等と一緒に居るぐらいなら一人の方がずっとか良い」


「んー、寂しくないのか?」


「二度も言わせるな、下劣な奴と居るぐらいなら一人で静かに暮らしたい
 なんのつもりかは知らんが何故そんなことを聞く?我としてはさっさと貴様を館から追い出したいのだが」


「そう怒るなって、美人が台無しだぜ」


「貴様に褒めてもらってもうれしくないわ、早々に立ち去らんと痛い目に合うぞ」


「待て待て、まだ本題を聞いていない」


「もはや答える気は無い、まだ聞きたいことがあるなら力ずくで聞いてみるがよい」


「はぁ……仕方ないな……」
「よっこらセックス」


俺は気の抜けた声と共に彼女に向かって踵落としを放つ

彼女は両手でそれを受け止めるが

ズゥン

そのまま軽く地面に沈み込んだ


「なっ……」


「これで聞いてくれるかい?」


「……聞いてやろう、どうやら我より貴様のが実力は遥かに上のようだしな」


「まぁ仮にもヴァンパイアハンターの一族の村で育ったからな、実力はあるぜぃ」
「話は変わるけどコーヒーに砂糖とミルクを入れるのは邪道だと思うのだが、お前はどう思う?」


「………そもそも我はコーヒーは飲まん、紅茶派だ」
「(…こいつはいったい何を考えているんだ?まったく分からん)」


「む、そうなのか……」
「ていうかさっき結構強めに踵落とししたけど大丈夫か?」


「………我を退治しにきたのに何故我の心配をする」
「(こいつと話しているとどうにも調子が狂う、我を退治しに来たのでは無いのか?)」


「大丈夫そうだな、ということで本題を聞こうか」
「お前って本当に村で悪さをしているのか?」


「…………何故そう思う」


「村に出ている被害がヴァンパイアらしくないからな
 俺はヴァンパイアはプライドの塊みたいなもんだからそこから生じる隙を狙え、と育てられてきた
 で、村に出ている被害は畑や食料庫が荒らされる、村の若い男が攫われている、村の女が居なくなるの三つだ
 一つ目はいくらヴァンパイアだろうが運べる量じゃあないからだ、『貴族様』がその場で食べるようなみっともないことはしないだろう
 二つ目はヴァンパイアは誰彼構わず男を攫うような種族じゃないらしいしな
 三つ目はワーウルフみたいに女と見れば仲間にするようなことはしないはずだ、お前たちは男と同じように選好みして仲間にしているからな
 それで思ったんだ、本当にお前が村に下りて悪さをしているのか?ってな」


「ああ、貴様の言うとおりだ
 一つ目は館の近くに住んでいるラージマウスどもの仕業で、二つ目は森に住んでいる魔物達、三つ目は二つ目と同じく森に住んでいるサキュバ スやワーウルフの仕業だ
 我はこの館に住んでからは一度も村に下りたことは無い」


「やっぱりそうか、あと寂しくないってのも嘘だろ?
 なんていうかお前からは俺と似たような匂いがするんだ
 実は俺、ヴァンパイアハンターの一族の村で育てられたけれど元々は孤児だったんだ
 一生懸命修行したけど育ての親以外は俺のことを良く思ってなかったらしく、追い出されてな
 なんつーか……お前からも寂しそうな雰囲気を感じるんだ」


「我は寂しくなど……いや……もはや貴様に嘘をついても意味は無いか……
 あぁ寂しいとも、幸せそうに暮らす両親や姉妹夫婦から逃げるようにこの館に住んだもののここでは悪者扱いされるのだ、良い気分ではない」


「そうか、なら俺にはお前を倒す必要は無いな」


「なぁ……貴様が嫌でなければこれから我の側に居てくれないか、これ以上孤独で過ごすのは辛いのだ……」


「俺でよければかまわないぜ」


「本当か!嘘ではないな!?」


「今ここで嘘をつく必要はないからな……お前が望むのならば俺はお前の側に居てやろう」


「ありがとう………なら我の眷属となれ……貴様も『貴族』となって永遠に我の側に居てもらうぞ……」


「あぁ良いぜ、除け者同士仲良く過ごそうぜ」


「本来なら血を吸いゆっくりと己の魔力を定着させるため、時間をかけて変化させるそうだが……今の我にはそれほど我慢もできないのだ……だから我と交わって早々に眷属となってもらう」
「それに……寒いのだ……我の体が…心が……他人の温かさを求めている……貴様なら…人間であろうと我の体を抱いても良いぞ……」


俺は彼女に案内され、彼女の寝室に向かった
そして彼女は服を脱いで大きくて豪華なベッドに横たわった


「もうこれ以上は我慢できぬ……貴様の肉杭を我に打ち込んでくれ……」


「おう、
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