甲の自宅の地下室にある戦闘訓練所にて
彼とその親友である護がそれぞれの手に得物を持ち対峙している
甲は2丁のSPAS-12を背負い、両手でUSAS12を持っている
「今日はショットガンだらけなんだね」
「貴官が近接戦闘が得意だから相応の装備にしたまでだ」
対する護は2丁のM1911をトンファーのように構えている
「二人とも怪我をしない程度にがんばるのでありますよ〜」
二人から少し離れたところでは詩織が旗のようなものを持っている
「本来なら甲殿を応援したいところではありますが、審判は公平に、なのであります」
「それでは、開始なのであります」
そう言って旗を振り上げた
詩織が自分の安全確保の為に後ろに下がる
しばらく二人はにらみ合っていたが詩織が安全圏に行ったことを確認すると、二人同時に相手に向かって走り出した
なぜこうなったかというと
時間は4時間ほど前に遡る
昼食を終え、小官は詩織と屋上で何をするわけでもなく二人で景色を見ている
たまにはこういうのんびりした時間も必要だろう
………物陰のほうから聞こえてくる音はクラスメイトのメドゥーサと彼氏の秘め事だろうか?いや、きっと気のせいだ
「眠たくなりそうなぐらい気持ち良い天気でありますねぇ〜」
「確かにここが学校の屋上ではなく草原とかだったなら横になりたい気分だな」
そう言って二人で笑いあう
彼女に出会えて本当に良かったと思う
あのままだったら小官は過去と憎しみに囚われた亡者だったのだから
………だからこそけじめをつけるべきだと思う
「何気難しそうな顔をしてるのでありますか」
気がつくと彼女の顔が目の前にあった
小官が一歩前に出たらそれだけでキスができてしまうそうな距離だ
彼女は顔を離し、しかし、足を一歩踏み出し小官を抱きしめた
「甲殿の体もあったかいのであります♪」
「こんなときに余計なことを考えるなんて野暮ってやつなのでありますよ」
小官はそれもそうだな、と自分を納得させる
そして仕返しに彼女の唇を奪う
「んっ……」
「大胆であります///」
顔を離してやると彼女は照れたように頬を掻いた
だが、そんな甘いムードの小官達を屋上の入り口から不満そうにこちらを見ている護の姿があった
「まったく……アメリカンコーヒーもキャラメルマキアートになりそうなぐらい甘いね………リア充爆発しろ」
「まぁそんな二人の仲を邪魔するのも悪いけどちょっと甲にお願いに来たんだ」
「僕の修行に付き合ってくれない?」
そう言って小官に一枚の紙を差し出す
【今月の修行】
俺は仕事で忙しいので細かい事は置いといて以前お前が共闘したっていう友人と決闘してぶっ飛ばせ
by師匠
ps.戦わなかったり、手加減してもらって勝ったり、負けたりしたら破門な
読み辛い文字でそう書いてある
小官が読み終えると彼は紙をポケットに入れ、ハァァと溜め息をつく
「と、いうことだから悪いけど僕と戦ってほしいんだ」
「僕の師匠はなんだかんだでしっかり監視してるから、サボったりしてると大変な目に合うからね」
「それに破門されたくないしね」
ふむ………
護の戦闘能力は高いし、こちらとしても近接戦闘の訓練にもなるな
苦手分野を克服するきっかけにもなるかもしれないし、なによりも親友の頼みだ
断る理由はないな
「別に構わんよ、近隣への迷惑のことも考えて場所は小官の家の訓練用の部屋で良いか?」
「ありがとう、じゃあ放課後に家事を済ませて準備が出来たらそっちに向かうね」
小官達のやりとりを見ていた詩織が急に抱きついてきた
「審判は私がするのであります」
「ということなのでさっきの続きをするのでありま……」
す、と言い終える前にチャイムが鳴る
のんびりしているうちに随分と時間が立ってしまったようだ
確か次の授業は化学で担当は担任のメロウだったはずだ
あの脳内ピンク色ならば遅刻してもあんまりペナルティはないだろう
代わりに詩織との交わりの内容を聞かれるが
ショットガンを用意したものの、接近しすぎると戦闘力は護の方に軍配があがる
しかし、スラッグ弾ではないので離れすぎるとこちらの散弾故に戦闘力が下がる
つまり、護の攻撃範囲外かつこちらの弾丸を当てられる距離を保たなければいけない
だがそれには危険だが彼に近づいて攻撃範囲を知る必要がある
故に小官は彼に向かって走る
彼の場合は自分の最も有利に戦える距離に入る為にこ
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