なんでもない普通な一日

昼休み

ある者は教室で気の合う仲間と喋りながら、ある者は孤独に便所の個室で、またある者は屋上で愛するものと仲良く、またある者は食堂や購買で安い物で

食事をとる時間である

そんな退屈な学校生活の楽しみを彼等も例外なく楽しんでいた

護と彼の幼馴染のふたりは護が朝早くから作った人数分の弁当を、甲と詩織は詩織が甲のために作った大きめの弁当をひろげ、食事をとっていた


 「ふたりとも野菜もちゃんと食べないとだめだよ」


 「………(ふるふる)」


 「不味いから嫌だ」


護はいつものように自分の幼馴染達に食べるように勧めているのだが、彼女達もいつものように一向に食べようとしない


 「貴官達は相変わらずだな」


 「ぎん殿とアイ殿とは違って文句も言わずなんでも食べてくれる甲殿は優しいのであります♪」


 「詩織の作るものはなんでもうまいしな」


甲と詩織もいつものように寄り添いながら仲良く弁当を食べている

護達の様子を眺めながら甲がふと、思い出したかのように口を開く


 「やはりこういう時に感じるものがが幸せというのだな」


ぎんとアイの口にプチトマトを放り込みながら笑う


 「どうしたの急に、何かにとり憑かれた?」


しかし、護が甲の方を向いた隙にぎんは焼き鮭を、アイはハンバーグを掠め取る

甲はフフッと笑い


 「貴官らに出会った最近まで友や恋人と共に食事を取るということを久しく経験していなかったのでな」


彼が寂しげに言うと、詩織が強引に話題を逸らすかの如く弁当の中身を箸で掴み彼の口元に持っていく


 「甲殿、あーんなのであります」


甲の言葉にフォローをしようとしていた護は詩織の行動を見て、呆れたような表情になった


 「バカップルっぷりを見せ付けなくてもいいよ……まだまだ塩分たっぷりな僕が情けなくなってくるよ」


彼の言葉に甲に弁当の中身を食べさせてあげていた詩織がクスクスと笑い


 「傍から見たら中佐殿達も恋仲同士にみえるのでありますよ〜」


彼女の言葉に甲もにやりと笑みを浮かべている

護本人はというと半ば諦めている、という表情でようやく自分の弁当の中身に手をつけている


 「幼馴染ならこんなもんだよ、二人の両親から世話を頼まれているレベルだし………」


言い終えた後にハァァと溜め息をつき、二人の幼馴染に視線を向ける


 「………(もぐもぐ)」」


 「何か用か?」


三人の会話まったく聞いていない様子の二人を見てまた溜め息をつく


 「まぁ、苦労したほうが後々幸せになれると思うぞ」


 「そのうちなんとかなると思うのであります」


苦笑いをしながら敬礼をする甲と詩織に半分涙目になった護が


 「羨ましいなぁ、もげろ」


と言って二人に何かを投げつける

甲がそれを片手で掴み、確認するとUSBメモリだった


 「お菓子とかのレシピとコツがテキスト形式で保存してあるからふたりで仲良く作ればいいよ」


その言葉を聞いた二人は苦笑いしたまま護に礼を言った

















お菓子を作るための器具や材料なら大体自分の家にある、ということらしいので詩織の家にいく事になった

彼女の家は彼女を何度も送り迎えしたりしていたので場所は分かるのだが、中に入るのは初めてだ


 「ほら、何玄関でボーっとしてるのであります、とりあえずは私の部屋でUSBの中身を確認するのでありますよ」


彼女に手を引かれ、階段を上がり少し奥にある部屋に招かれる


 「洒落っ気の無い部屋だけどゆっくりしてほしいのであります」


彼女の部屋の印象は自分の部屋に似ている、だった

違うところといえばタンスの上に何個かヘルメットが置いてあることと飾ってある銃の種類ぐらいだろう

部屋の隅にある簡素な机の上にPCが置いてあり壁にはSR(スナイパーライフル)やSMGが飾ってある

机の横にあるカラーボックスにはミリタリー系の雑誌や漫画が並んでいて、その上には箱に入った大量のマガジンが入っている

類は友を呼ぶ、という言葉を思い出し思わず笑いそうになってしまった


 「笑わないで欲しいのでありますよぉ……」


詩織は尻尾をだらりと下げ、しょんぼりとしている


 「いや、似たもの同士は集まりやすいものなのだな、と面ってな」

 「とりあえず何のレシピが入っているか確認するぞ」


小官がそういうと彼女は立ち上げたPCにUSBメモリを差し込んだ

そして中身を見た詩織は


 「………これ間違えているのでありますよ」


気まずそうな表情でこちらを向いてきた

何と間違えたんだと疑問に思い、モニターを覗き込むと


大量のエロ画像だった


二次三次問わず様々な魔物や人間の痴態が
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