お邪魔します

ふふふ………ついに大佐殿の自宅へ招かれたのであります

あっちに着いたら隙をみて大佐殿を押し倒して………

明日の朝は大佐殿といちゃつきながら登校したりできそうであります

ふふふ……笑いが止まらないのであります

そう思いながら私は大佐殿が操縦する装甲車とバイクを混ぜたような乗り物に乗りながらニヤニヤしていた








きっかけは彼の一言だった


 「そろそろレトルトやインスタント以外のものが食べたいな」


いつも通りの、私、大佐殿、中佐殿の三人で会話しているときの言葉だった

大佐殿はこちらでに着てからは一人暮らしをしているらしいのだが、兵器開発は得意でも料理を作るのが苦手らしい

その上、食費にはあまりお金をかけられないそうなので(仕送りのほとんどは開発・研究費に消えているらしい)外食もあまり望めない

となると食事は必然、レトルトやカップ麺などの安価で簡単なものぐらいしか食べれないらしい(昼食も大体購買のパンで済ませているそうだ)

彼がその言葉を発した瞬間、中佐殿は私の目をちらりと見、その目で「これはチャンスじゃない?」と伝えてきた

料理の腕に関しては私よりも中佐殿のほうが遥かに上手いのだが、彼は基本的に家事などで忙しいのでその腕前を披露できる機会は少ない

それに比べ、私は部活の無い日は基本的にゲーセンに行くかゲームをするぐらいしかする事はないので、基本的には暇である

ちなみに料理はちゃんとできるのでありますよ

その上、今は両親が結婚記念日で2泊3日の旅行に出たので泊まりに行こうが来ようが問題が無い

私としては大佐殿の兵器を作っている作業風景を見たいし、もしもお泊りじゃなくなったときに送られ狼でなんとか彼を襲うことが出来るので、彼の家に行く事を決めた


 「ちょうど私も今日は一人で食べる予定だったので、大佐殿のために料理を作ってあげるのであります♪」


私がそういうと、彼は快く承諾してくれた

既に昨日から料理を作る材料はそろえてあるので、一旦自宅に帰り着替えと材料の回収をして、彼の家に向かう事になった

ちなみに作る料理はクリームシチューなのであります















しばらく妄想と回想に耽っていると大佐殿に声を掛けられた


 「着いたぞ、ここが小官の自宅だ」


周りの景色と音が聞こえなくなるレベルで妄想していたため、全然気がつかなかったのであります

例の乗り物から降りると、ちょっとした豪邸が立っていた

私の記憶が正しければ、確かここは街のはずれにある誰かの別荘だった気がしたのでありますが………


 「………ここって元々誰かの別荘だったと思うのでありますが」


私の言葉に大佐殿は、そうだったのか?と言いたげな顔をして


 「親父殿が『てきとうに良い所を見つけておいた』と言って碌な説明もせずに鍵を渡してくれたのだが……それは知らなかったな」


 「元々親父殿の別荘だったのか、もしくはその誰かから買収したのかもしれんな」


………大佐殿のお父様は一体どんな人なのでありますか

とりあえず、先を歩く大佐殿の後ろに付いて行くことにした



中も外と同じように立派なものだった

一般的な社会人が一生かかっても手に入れられないようなレベルである

しかし大佐殿はさも当然と言っているかのように気にしていない

そういえば私は彼のことが好きなのに、彼のことが全然知らない

どこかの富豪の息子なのかもしれないし、何かの会社の社長の息子かもしれない

彼は自分のことについてはあまり話してくれない

教団関係の話と自分のことが話題になると、すぐに別の話題を持ち出してくる

何かあったのだろうか……?……

そんな事を思いながらリビングに入ったとき、気になるものが目に留まった

3つの写真立てだ

一つは、大佐殿を中心に様々な武器を持った20名弱の人と魔物が並んでいる

一つは、どこかで見たことがある気がする男の人と三人のサキュバス、三人のバフォメットがその男を中心に並び、今より少し幼く、眼帯をしていない大佐殿が男の前に座っている

一つは、こちらも眼帯をしていない大佐殿が幸せそうにアヌビスの頭を撫でている

……おそらくどれも彼にとっては大切なものなのだろうか綺麗に飾られている


 「………その写真が気になるか?」


私の視線に気がついたのか声をかけてきた

気にならない、といえば嘘になるし、彼に嘘をつく必要はないので素直に答える


 「……ちょっと気になるのであります」


大佐殿は少し考えるように自分の顎に左手を当て、少ししてから言った


 「まぁ、ここまで来たんだ、詩織には話してやろう」


そう言って彼は沢山の人と魔物が写っている写真立てをとり

口元に軽い笑みを
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