やぁ、僕の名前は桔梗 輝、知り合いからはテルって呼ばれてる
僕の両親は二人ともすごい科学者だったんだけど、数年前僕とペットの猫達を置いて行方不明になっちゃったんだ
警察もちゃんと捜してくれなかったからまだ見つかっていない
唯一手がかりみたいなのは二人の研究日記
行方不明になる前日の分以外は特に変なことは書いてなかったんだけど、行方不明になる前日の日記には「明日はついに魔方陣が現れる」って書いてあったんだ
それしか手がかりがなかったから捜査は打ち切りになっちゃった
まぁそんなことはどうでもいいよね・・・
今僕は自分の家で親友のリュウと一緒にゲームをしてるんだ
リュウと僕は小さい頃からの友達で、知り合った理由は家が隣だったのとお互いの親が仲がよかったからなんだ
リュウは基本的に乱暴な人だけど根はかなり優しいんだ
・・・・俺の名前は厳島 劉、リュウとよく呼ばれる
俺の親は二人とも何の仕事に就いているかは知らないが、帰ってこない日のが多い
俺は別に構わないが、そのせいで二人の妹がよく寂しそうな顔をするのが問題だ
二人とも俺からしてみればまだ子供なので色々とやっかいだ
まぁそんなことは今はどうでもいい
今俺は幼馴染のテルの家でゲームをしている
テルとは小さい頃からよく遊んでいた
妹たちとも仲良くしてくれているので助かっている
テルは少々やっかいな所があるがそれ以外はいいやつだ
「おいテル、ハイドラのパーツは俺のものだと言っただろうが」
「リュウにそんなもの持たせたら『厄介になる前に潰す』とか言って僕のマシンを壊しにくるからね」
「・・・・ころしてでもうばいとる」
「アッー僕のヘビーがggggg」
「そんな体力だけの逃げにくいマシンに乗ってるからだ」
「うぅ、しかたがないウイングに乗るか・・・」
「俺のレックスに敵など無い!!」
「そろそろスタジアムが始まるね・・・ほとんど能力なしのウイングじゃ勝てないよ・・・」
「何がこようが俺の勝ちだn・・・・ハイジャンプ・・・・だと・・・」
「よかったぁ、これなら負けないや」
そんな感じでいつも通りの二人はゲームをしていたが、突然テレビの画面が真っ黒になった
「あれ?おかしいな・・・テレビは昨日整備したばかりだったのに・・」
「ふぅ、流石にレックスじゃハイジャンプは勝てないから助かったぜ・・・」
そんな風に二人が疑問に思っていると突然真っ黒になっていたテレビの画面に魔方陣のようなものが浮かび上がった
「え?え?魔方陣!?」
「ふむ、確かこの形は昔魔女がバフォメットを降臨させようとした時に使われたやつだったと思うが・・・」
「え?なんでそんなことリュウが知ってるの!?」
「予備知識だ」
そんな風に慌てる二人を尻目に魔方陣からは強い光が放たれる
「うわぁ!目が、僕の目があぁぁぁぁぁぁ」
「うぉっ!眩しっ!」
強い光が二人を包んでいく・・・・・
光がおさまったあとには二人の姿はなかった・・・
うぅ、せっかく逆転できそうだったのに・・・
テレビがおかしくなるなんて聞いてないよ・・・
でも・・・魔方陣か・・・母さん達の日記に書いてあったのはこのことだったんだろうか?
うーん、でもリュウが言ってたことが何か引っかかるなぁ
リュウが言ってたのはバフォメット?を『召喚するために意図的に書いた』物だから、今のはたぶん『勝手に書かれた』って感じだしなぁ・・・
なんだかまた眩しくなってきた
ふぅ、なんとか負けずにすんだが・・・もっとやっかいな事になりそうな気がする
まさか中世の時代の物を見ることになるとはな・・・
あれは形としてはバフォメットを呼び出すための物だったが・・・
ルーン文字の所が少し違った気がするな、まぁどうでもいいか
また眩しくなってきたな
「うぅ、いったいなんだっていうんだよう・・・・」
「・・・・・」
二人が目を開けるとテルの前には小さな子供、リュウの前には綺麗な女性が立っていた
「ふふ、成功したようじゃな」
「本当に成功するとはね、いつもの貴女ならここで爆発するはずだったのにね」
しかしよく見ると彼女たちには普通の人間には付いてない物が付いていた
小さな子供は、サラサラの茶色の髪にまぎれた山羊のような角があり、その手は毛に覆われた猫の足のようなもので、足は膝の辺りまでは人のそれだが膝から下はまるで山羊のようなひずめだった
綺麗な女性は、頭にまるで神話に出てくる悪魔のような禍々しい角があり、腰からは紫色の蝙蝠の様な羽が生えており、更には先がハートのような
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