魔物娘がいる学校っていうのはカオスな状態が普通なんだと思う
まぁこの学校の一番偉い人がエキドナだからなのかもしれないけれど
学校にバイクで登校するのは認められているし、先生も普通に学生を誘惑したりしている
僕の親友はミリオタだし彼の彼女も同じだ
それとも僕の周りだけなのかもしれない
どうでもいいんだけどね
「護よ、いまからゲーセンに行くが貴官はどうする?」
眼帯をした目つきの怖い男が後ろになぜかヘルメット被っているリザードマンを引き連れて僕の方に近寄ってきた
彼が例の親友だ
名前は愛河 甲(あいが こう)
細かいことは省くけれど見た目の割にはいいやつだ
お金に余裕はあるけれど、今日はゲーセンに行く気分ではないので彼には悪いけど断るとしよう
「ごめん今日はやめとくよ、また今度の休日にでも行こうか」
僕の言葉に彼の後ろに居たリザードマンが甲の隣に立って残念そうな表情をした
「そうでありますか……、土曜日は無理ですが、日曜だったら大丈夫であります」
「土曜日は軍曹とデートをするつもりなんでな」
甲の言葉にリザードマンが顔を真っ赤にしている
彼女の名前は暁 詩織(あかつき しおり)
さっき言った甲の彼女だ
二人ともミリタリー部に所属している
ちなみに甲は大佐で、詩織は軍曹、僕は中佐らしい
「まぁ貴官が行かないのなら軍曹と二人で行ってくる」
そう言って甲は詩織と手をつないで去って行った
あの二人、今は凄く仲がいいけれど、付き合うまでは色々大変だったなぁ
半年ほど前のことだったけれども、つい三日前ぐらいのことに感じる
そんな風に考えながらボーっとしていると、袖を引っ張られるような感触がした
「………(クイクイ)」
「帰るぞ」
さきほど二人が立っていた位置に、また別の人が立っていた
サハギンとマンティス
どちらも僕の幼馴染だ
サハギンの方の名前は砂村 ぎん(さむら ぎん)
基本的に隣のマンティス以外とは喋らないが(僕も含め)身振り手振りで言いたいことを伝えている
その姿が可愛らしい、とクラスのマスコット的存在だ
マンティスの方の名前は鎌田 アイ(かまた あい)
こちらは基本的には種族のテンプレートに近い性格で、いろんなことに興味が無い(ていうか幼馴染の僕でさえ学校に居るとき以外何をしているのかほとんど知らない)
二人とも無口なタイプのはずなのに、彼女達同士では普通に喋るのは学校の七不思議の一つである
「今日の晩御飯なにがいい?」
「………(魚ということを手で伝えている)」
「肉」
僕の両親は二人の両親と一緒に仕事をしていて基本的には家に居ない
二人は料理ができないし家がすぐ近くという事もあって、基本的に僕が二人の食事を作っている
二人の健康は僕にかかっているため、結構本格的に料理はしている
料理以外の家事は二人とも出来るようなので、それだけは僕がやっている
昔から小学生ぐらいからそうだったので、もはや違和感はない
料理を作ったり栄養バランスを考えるのは好きなので、将来は料理人か栄養士になりたいかな?なんて思っていたりもする
「いつも二人はそればっかりだね、まぁメニューは帰りながら考えるよ」
「………(尻尾ふりふり)」
「さっさと帰るぞ」
今日は何作ろうかなぁ?
そんなことを考えながら僕は帰路についた
夕食の時間
二人の幼馴染はこの時間になると僕の家にやってくる、食べたらすぐに帰るけど
二人にとってはただ食べるだけなんだろうけども、僕にとってはちがう
戦の時間だ
「それじゃあいただきます」
「いただきます」
「………(手と手を合わせていただきます)」
その言葉を言い終わると同時にものすごい勢いで二人は食べだす
アイの方は速すぎて口に運んでいるのかどうかもみえないし、ぎんの方は口を動かす速度が速いのか顔をぶれている
一応料理は人数分に分けてあるし、二人も誰かのを取ることはないのだけれども
「いくら速く食べても嫌いな物が残してあるのは分かるよ」
「食えん」
「………(顔を横に振りながら尻尾をピーンとさせる)」
二人とも野菜が嫌いで、なんとか僕の目をごまかそうとしているのだ
一回僕が激怒したために、捨てるような事はしないのだけれども、それでもなんとか食べないで済むようにがんばっている
今回は速く食べれば野菜を食べてないかどうか分からないだろうって考えなんだろうけど、他のものは消えていくのに野菜だけはそのままなので一目瞭然だ
「じゃあ食べなくてもいいけど、食べなかったら明日のメニューは二
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