ムラサキ

全身がぬるぬるする感触によって目が覚める

毎日のことなので別に気持ち悪がったりはしない

最初の頃はなんだか変な感じだったが、今となってはむしろ心地よい

そのまま二度寝してしまいそうなくらいである


 「ちょっと、ダーリンちゃんとおきてよぉ!!!」


愛しい妻が体を揺すって起こしてくる

仕方が無いので、その手をこちらに引っ張ってその体を抱きしめながら起床する

妻はダークスライムなので本来なら抱きしめるなどと言う事は出来ないのだろうが、ちゃんと体をすこし硬い目のゼリーのような硬さにしてくれているので大丈夫だ


 「うふふ、ダーリン、お・は・よ」


そう言って俺の全身を愛撫してくる

彼女はもともとおとなしい性格だったのだが、魔物になってからは魔物らしい性格になった

俺もインキュバスになったが、変わらず彼女のことを愛している


 「大好きよ、ダーリン、昨日の続き、しよっ」


俺は返事をする代わりに彼女の唇を奪い、コアへの愛撫を開始する

彼女も快楽に体をぷるぷる震わせながら全身から股間に集中して愛撫するように変更して対抗してくる


 「あんっ……流石ダーリン、うまいね、でも私も負けてられないよっ」


彼女がマイサンを愛撫していた部分に体を移動させ、まるで対面座位で性行をしているかのようになる

体を密着させ、お互いの口を貪りあいながら腰をぶつけ合う

彼女は俺のモノを包み込み、水流のように不規則な動きで攻め立ててくる

俺も負けじと腰を突き上げ、コアを俺のモノを人間で言う子宮ノックのようにコンコンとぶつける

やがて同時に果てると一緒に意識も暗闇へ落ちていった








体に妙に浮遊感がある

あぁ、これは夢なんだなとぼんやりとした頭で理解する

下の方に視界を向けると

青いマントを着た男と紅いローブを着た女が見える

あれはおそらく昔の俺たちの姿だろう

なにやら手を繋いで楽しそうに談笑しながら歩いている

内容は聞こえないが

しばらくすると紅が青に抱きつき、キスを始めた

お互いに服を脱がしあい、色が混ざっていく……

ふたりはぐにゃりぐにゃりと形を変え、紫のどろどろしたものになった

また、意識が遠のいていく………









さっきとは違い、体の浮遊感は無い

変わりにひんやりとした感触が全身を包み込んでいるようだ


 「あ、おきた?」


 「おはよう、愛しているぞ」


 「私も愛しているよっ」


そう言って彼女は俺に抱きついてくる

朝のあいさつはいつもこんな感じ

このまま、また交わるのも良いが少々腹が減った


 「朝飯、採りに行くか」


 「いいよー」


俺は彼女が右腕に抱きついてくる感触を楽しみながら住処にしている洞窟を後にした







ここは魔界だ

正確に言うと俺と彼女で作り上げた魔界だ


本来ならダークスライムの魔力ではスライムの中では一番高いとはいえ魔界を作り上げるには至らない

しかし、天才とも言われた魔法使いだった彼女と

かつては最強と謳われた勇者だった俺の良質な精によってそれを成しえることが出来た

最初は小さな規模であったが、段々と他の魔物が集まり、一つの国と同じぐらい巨大な魔界が完成した


 「ダーリン、これとかおいしいよね」


そういって差し出してきたのは炎のように赤いメロンのような果実

魔界の土地でできた植物なのだからどれも媚薬のような効果はあるのだが、色々なものがある


 「それも良いが俺としてはこっちの方が好きだな」


俺はそういって彼女に青いリンゴのような果実を手渡す

お互いに愛し合っているといえども、食の好みは違うものだ、今は大した問題にはなっていないが、時と場合によっては大喧嘩になる原因にもなる


 「むぅー……じゃあこれとこれを口移しでミックスしちゃおうか」


最近は食に対する意見が食い違うとこうなる

大方、口移しで混ぜている途中で媚薬の効果が効いてきて俺たちも混ざり合うってことになるけど

まぁ食欲と性欲を同時に処理できるので問題ない


 「ていうことでいただきまーす」


彼女が果実をほおばろうとしたのをみて俺もそれにならおうとしたそのとき


 「出たな、凶悪な魔物め!!!」


 「貴様らなんぞ勇者である私が成敗してくれる!!!」


 「んぅっ……ちゅっちゅっ……やっぱりミックスしてもおいしいね」


 「お前の体液も混ざっているから最高にうまいな」


 「無視しないでよ!!!」


まったく、夫婦の仲を邪魔するなんて無粋なやつめ

妻もぶすっとした顔になっている


 「夫婦の時間の邪魔をするとは何様のつもりだアンタは」


 「勇者様のつもりだ、汚らわしい魔物め」


その勇者様も
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