いつも通りに家事をしながら妻の帰りを待つ
今朝、よく分からないことを言って飛び出していったが大丈夫だろうか?
最近はハニービーが近くに巣を作ったらしく小競り合いになることが多いらしいから少し不安だ
ミツバチなんぞにホーネットである妻が後れをとるなんて事はないが、やっかいなことにはかわりはない
妻は以前、仕事中にムラムラしすぎて墜落してしまった事があったらしく、そのこともあるので少々心配だ
戦闘能力だけでいうなら妻はこの巣の中でも上位に当たるのだが、さっき言ったような少々抜けている事もある
しかし、どれだけ心配しても俺にできる事は家事をしながら彼女の帰りを待つだけだ
家事を一通り終わらせ、後は部屋のドアが開かれるのを待つのみだ
外に居た頃は俺も冒険者としてそれなりに名を馳せていたのだが、今となってはただの主夫だ
自分はその現状に満足しているし、なにより愛する妻がいる、それで十分だ
いつも通りならそろそろ帰ってくる頃かな?
そう思った瞬間、予想通りに部屋のドアが開け放たれた
「ただいま、今日はお土産をもってきたぞ」
そう言って彼女は背負っていたものを降ろした
大きさとしては大体俺と同じぐらいの大きな袋である
中からなにやらうめき声が聞こえてくる
「ほらほら、早く開けてみろ」
色々気になるが、急かしてくる妻の言葉に従い、袋を開けた
袋の中身は
「ハニービーか?これ」
「そうよ、今日の仕事中に捕まえてやったの」
中に入っていたものは簀巻きにされ、身動きが取れなくなっているハニービーだった
お土産としてもってきたのは別に構わないが、俺は妻以外の女性には興味はない
「これって、もってきても大丈夫なのか?」
「お母様とお父様には許可をもらったから大丈夫よ」
さぁ褒めてくれ、と言わんばかりに自慢げにしているが、なぜこれをもってきたのかが分からない
もしかしたら今朝のやり取りに関係しているのだろうか?
「ふふふ、最近この娘たちが近くに巣を作ったって言う話を前にしたわよね?」
「ああそうだ」
「この娘たちが仕事の邪魔をするだけじゃなく、可愛い妹や姉さん達の夫候補までも連れて行こうとするから邪魔で仕方がなかったのよ」
そこら辺も最近は毎日のように聞かされている
ハニービーとホーネットは一般的にも仲が悪いって言われるほどだしな、別に不思議な事ではない
「だからね、たまには有効活用してあげようと思ったワケなの」
「だからってなんで連れてきたんだ?」
ていうか何に活用するんだ?
「分からないの?大好きなあなたの為に連れてきてあげたのよ」
「昼間、私が仕事に行っている間寂しいだろうから、そのときのための相手をさせてあげるのよ」
「ちゃんと未婚の娘を連れてきてあげたわよ、中古なんて嫌でしょう」
……そういうことか
とりあえず、簀巻きな彼女の口の猿轡を外してあげる
「うぅーホーネットさんに負けて、しかもこんなことになるなんてぇ」
彼女は悔しそうに声を漏らすが、敗者は勝者に従うのみ、そういうことだ
こいつとはこれから長い付き合いになるだろう
「こんな状態にしておくのはあまり良くないとは思うが逃げられたら困るんでな、とりあえず名前を教えてくれないか?」
彼女はまだ不満そうな視線をこちらに向けているが、俺と目が合うと少し頬を赤くした
「んーでもよく見たらお兄さん結構私好みかも、ホーネットさんに負けたことは悔しいけどお兄さんに可愛がってもらえるなら別にいいや」
「私の名前はメイプル、これからよろしくねお兄さん」
……なんか知らんが気に入られたようだ、段々と俺好みに堕としていくのもいいかな、なんて考えたりもしたからすこし残念だな
「……俺の名前はワスプだ、逃げない事を約束してくれたらこの縄は解いてやるが、どうだ?」
妻が苦労して捕まえてくれたのだ、逃がすわけにもいかない
しかし、彼女は俺の要求に対し、嬉々とした表情を浮かべ
「逃げないよっ!、こんな良い男から逃げる魔物なんていないよ〜」
……妻以外の女性に褒められたのは初めてだ、なんか照れるな
俺はメイプルの体を縛り付けている縄を解いていくと、ビー類特有の蜂のような体が露になる
彼女の身体は妻と同じく出ているところは出ているし、引っ込むところは引っ込んでいる、胸は妻より少し小さいか
俺がそんな彼女の身体を見つめていると、しばらく黙っていた妻が不機嫌そうに彼女の方に近づいていった
そしてメイプルの身体に自慢の麻痺毒と淫毒の詰まった針を刺し
「フンッ、これで逃げれないでしょ、私はお風呂に入ってくるか
[3]
次へ
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想