世界に魔物娘が姿を現してから50年、日本が魔界化してから40年たった現代が今回の舞台である
場所はとある学校にある教室
ちょっと変わった授業の風景である
どうやら先生はまだ来てないようで少し教室が賑やかである
二人の男子生徒の会話が聞こえてくる
「なんか今回の授業はすごいらしいぜ」
「マジで?、前回もすごかったじゃねぇか、催淫ガスの精製だっけか」
「そうだったな、授業が終わった後にこいつに使ってみたらすごいアヘ顔になってたぜ」
そう言って生徒が指を示した先に顔を赤くしたインプが居た
「このロリコンめ!、まぁ俺の方もすごかったわ、ってイタイイタイ痛い」
もう一人の生徒は同じく顔を赤くしたベルゼブブに関節技を決められていた
そんなよくある光景、だがそれも大きな音をたてて戸を開けた男性によってぶち壊されることになる
見た目は30代前半の男性、服装は普段着の上に白衣を着ただけ、という風貌である
その男性の後に一人の女性が入ってきた
豊満な胸に悪魔のような角や羽と尻尾が付いている事からサキュバスだという事が窺える、服装は清楚そうに見えるロングスカートのメイド服である
「せんせー、今日はいつもより遅くないですかー」
生徒の言葉に男性が申し訳なさそうな顔をして答える
「すまないな我が兄弟達よ、数学の先生と裸エプロンの素晴らしさについて語っていたら遅くなってしまったのだ」
先生の言葉に教室の男子生徒全員が『じゃあ仕方ないね』と綺麗にハモって答えた
「では始めるとしよう、選択の専門魔術、担当の天草京孔だ、まぁいつも通り天草先生とでも呼んでくれ、でこいつが私の使い魔であり妻であり助手である愛華だ」
いつも通りの自己紹介に対し、先ほど質問した生徒がまた口を開いた
「天草せんせー、愛華せんせーはなんで今日はメイド服なんですかー」
生徒の質問に対して愛華が答える
「今日の授業内容を楽しむために作ったのよ、なんでメイド服なのかは後で教えてあげるわ」
「まぁそういう事らしい、とりあえず授業を始めるぞ」
そう言って天草は自分の持っていたノートを開く
「えー、今回は魔術で自分を別のものに変身するっていう内容だ」
変身、という言葉を聞いて少し教室がざわめく
「変身の魔術については専門魔術の教科書のP256に記載されてるぞ」
「変身なんて高度な魔術が使えるのかって言いたげだな、その点については心配ない」
「私の研究によって魔物娘の魔力を媒体にして変身する方法を編み出した」
そう言って天草はいきなり愛華にキスをした
ヒューヒューと口を鳴らす生徒達を無視して天草は説明を続ける
「まずはこんな感じに媒体にする魔物娘の魔力に接触する」
生徒達は天草の真似をして自分の恋人や使い魔にキスをし始める
「次に対象…まぁこの授業の場合はそのまま授業のパートナーにしてくれ、に対してどういう風に、何をしたいかを想像する」
天草は自分の行動と言ったことを分かりやすい図にして黒板に書いていった
一部の者はしっかりとノートに書き込んでいるがそれ以外の者はパートナーとのキスに熱中している
「この様子だと次にいっても大丈夫そうだな」
「では次に、そのしたい事に対してどんな姿になれば良いかを想像する、具体的にな」
天草が自分で書くのが飽きてきたのか、黒板にデフォルメ化された自分と愛華が載っている絵を貼り付けた
その絵には天草が説明した事について簡単に描いてあった
「せんせー、その絵は誰が描いたのですかー」
先ほどから何度か質問をしていた生徒がキスをねだるスフィンクスを手で押さえながらまた質問してきた
「この絵については私が描いた、なんだったら君とそのかわいらしいパートナーを描いてあげてもいいぞ」
「ご主人様はこう見えて同人作家もやってるんですよ」
天草が『私の趣味については気が向いたら語ってやる』と言い説明を続ける
「で、そのなりたい姿をしっかりとイメージが出来たら最後にこの呪文を唱えるだけだ」
そういって今度はよく分からないカタカナの文字列が書かれたプリントを愛華と手分けして生徒達に配っていった
「まだやるんじゃないぞ、まずは私が手本を見せる、愛華、準備はいいか?」
「私はいつでもいいですよ」
そう言ったことを確認すると天草は呪文を唱え始めた
「リナノモムゾノヲカンヘノレノオレワ、ナエンカヲミゾノノソテシトウョシイダヲクョリマノノモノカ」
唱え終えると同時に天草の体に変化が起きた
腕や顔の体毛が一気に濃くなり、指が犬のようなもの変化し、身長も縮んで
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