教室の扉が大きな音を立ててガラガラと勢いよく開かれる
自分も含めて仲のいい友人や恋人との会話やバカみたいなやり取りをしていたのを止めて開かれた扉の方を見る
カンの良い一部のクラスメイト達は一瞥したもののそのまま会話を続けるものも居るけれど、何かあるかもしれないので僕は一応そちらを見ておこうか
「ふむ、今日も『奴ら』は居ないようだ、『姫』入ってきても大丈夫だ」
「あら?そうなの、仮に居たとしても私と貴方が居れば問題ないじゃない」
ゆっくりと教室に入ってきたのは左手を包帯でぐるぐる巻きにした男子生徒と、白い医療用の眼帯を右目に付けた前髪の一部が白くなっているサキュバスである
なんというか他人を寄せ付けない雰囲気……悪く言えば厨二病臭い二人を見て多くの生徒は自分達の会話に戻る
そんな周囲の様子を気にせずに二人は仲睦まじそうに手を絡め、意味深な意味のない会話をしながら自分たちの席に着く
「Hellow,Worldだ、我が友(ソウルメイト)よ」
「Hellow,World、護君、今日まで生き残ることができたのね」
残念なことに僕の後ろとその横に座る面倒な友人達はご丁寧にも朝の挨拶をしてくれる
寝不足気味であるならば僕の両隣に座っている二人の幼馴染のように彼等にジト目を送ってやるのだが、そういうわけでもない
「おはよう、修二君、真紀さん」
僕にとっては何気ない挨拶、彼女等にとってはそうではないようで慌てた形相になる
「お……おい、こんなところで俺達の真名を呼ばないでくれ、どこで『奴ら』に感づかれるか分からんのだぞ」
「そうよ、私達は大丈夫だけど、貴方達に被害を及ぼしたくないのよ」
別に悪気があって言っているつもりではないけれど、向こうがこちらのペースに合わせないようにこちらも向こうのペースに合わせていないだけなんだ
もちろんそれをお互い了承しているので友人ともいえるのかもしれないね
毎朝同じような漫才をやっているのでこれが僕らのあいさつの形とも言える
さて、慌てふためく二人を適当にやり過ごさなきゃないとね
僕はさっきからずっと恨めしそうに両サイドから僕の方に視線を向けてくる幼馴染を相手しなければいけないのだ
と、思っていたら今度は目つきの悪い黒い眼帯をした男子学生と軍用ヘルメットを被ったリザードマンが教室に入ってきた
……また幼馴染が不機嫌になってしまうなぁ
そう思いつつも僕は新たに入ってきた友人達との交流を行うことにしよう
俺と愛しき姫君との出会い?
本来ならば闇の密約によって機密事項になっているのだが、今日は気分が良い、特別に話してやろう
あれは今から数年前、中学の時だったか
俺がいつものように夜中に魔法陣の上で魔力を高めながら特訓をしていた時のことだ
たまたま俺の大地を穿つ一撃(グランドドリルドライヴ)を放った時、魔法陣の一部削ってしまい内容を書き換えてしまったんだ
そう、魔力上昇陣(マジックアップサイクル)から魔物要請陣(コールモンスターサイクル)に……
それによって王魔界から呼び出された彼女が俺の元に飛来したのがことの発端だ
彼女が俺の前に降り立った時、衝撃が走ったな
何故なら彼女は、俺の微かに残る前世の記憶にある人物とそっくりだったからだ
異世界の魔王を裏切り、勇者である俺の恋人だった魔王の娘にな
彼女もどうやら前世の俺のことを思い出したらしくすぐさま『喜びと快楽の饗宴』に入ってしまったな
訓練の後始末も『奴ら』からの襲撃の対策も忘れて一晩中交わり合ったのはあれが初めてだったな
俺も彼女も今世では誰とも血の契約を交わしたことが無かったのも原因かもしれないな
ともあれ、俺と彼女は再び結ばれたのだ
そして俺が『奴ら』に狙われていることを知った彼女は俺と共に戦っていくことを決めたようだったな
月明かりが明るく祝福する中、俺達二人はベッドの上で抱き合っていた
別に『奴ら』の『拒絶の呪い』を解呪しているのではなく、単純に愛しき姫と交わっているだけである
「はぁ
#9829;相変わらず凄いわねぇ貴方の性剣は
#9829;」
彼女は俺の性器を優しくなぞり、気だるげに甘い息を吐く
俺も負けじと彼女の大きな乳房を鷲掴みにし、その柔らかさを堪能する
むにゅりと指が沈み込み、優しい弾力の感触が返ってくる
しかし、ずっと触っていても飽きないこの感触は彼女の持つ魅力の一つであろう
他の奴に味わわせる気のないこの感触、素晴らしい
「んぅん
#9829;もう……相変わらず私のおっぱいが好きなのね
#9829;」
空いている彼女の片手が顎のラインをゆっくりとなぞり、唇同士が触れ合う程度の軽い口付けをしてくる
ぷるぷるとしたスライムゼリーのような彼女の唇が、ただ触れ合わ
[3]
次へ
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想