最近どうやら自分にストーカーが付いたみたいだ
一人でいるときに妙な視線を感じたり、お風呂から出てから洗濯しようと思ってた下着が無くなってたり
そのような細かいことを挙げていけばキリがないほどにその証拠が出てくる
特に異性に良いことをしてあげたわけでもないつもりなのだがなぁ
魔物娘が跋扈するこの世の中じゃ、そんなことありふれた光景だし
周りに相談すると「諦めてその人と結ばれるのが一番じゃね？」と返されるのがほとんどだ
別にその人と結ばれてもいいかなとは思ったりするが、どんな人かもわからないし、なぜその人（魔物？）が自分を気に入ったのかもわからない
せめてどんな人かは知りたいのだ
もし男とか言ったらお断りだが
そのことを友人の形部狸に相談すると
「なんやそんなことやったらうちの知り合いのクノイチを紹介したるわ、ちゃんと仕事してくれる子やから大丈夫やに」
と言って紹介状のような物とそのクノイチが居るらしいクラスを教えてもらった
窓際で静かに本を読んでいるマスクをした女子がいる
マスクと言っても普通のマスクで『忍殺』と書かれたメンポではない、だがバストは豊満だ
パッと見では美人ということ以外では人間と見分けがつかないかもしれないが、鉤縄のような尻尾が椅子の下でプラプラ揺れていたり、美しい黒髪の隙間から見える少し尖った耳から察するに彼女が例のクノイチらしい
他の人たちの『あの人誰？』とか『いい男が来たわ♪』的な会話や視線を受けつつも彼女の元まで歩いていき、彼女に招待状を渡して事情を説明すると、彼女は無表情のまま本を机の上に置いた
そして少しマスクに隠された口元に手を当てて考えた素振りをしたあと、俺の方に向き直った
「……報酬は？」
無表情のまま尋ねられ、俺は少し迷った
報酬のことなんて考えていなかった、何かを奢ればいいだろうか？それか彼女の頼みごとを聞けばいいのだろうか？
どうしたもんかと考えていると彼女の方から提案してきた
「……考えていないなら、貴方の精を少しもらうだけでいい」
……彼女も魔物娘なのだ、そう考えればその報酬が妥当だ
そう結論付けて頷くと、彼女は立ち上がりマスクを外す
やはり魔物娘だけあって完成された美術品のように美しく整っている
そしてスッと顔を近づけてきたかと思うと、唇に何かが当たる感触
彼女はすぐに離れてしまい、マスクを付け直した
……初めてだったんだけどなぁ
彼女は無表情のままに見えなくもないが、少し目を細めていて嬉しそうにしている気がする
「……なかなか美味」
お気に召したようで光栄だ
しかし心なしか彼女の視線がさっきより熱っぽい気がする
「……んー……とりあえず今日の放課後から護衛する」
調査するのかと思っていたが、自分のことを護衛してもらえるようだ
確かに護衛してもらった方が確実かもしれないな
授業が終わると、彼女が俺の教室に来て
「……今から護衛する」
と言って姿を消した
流石忍者である、どこにいるのか全く分からない
しばらく彼女がどこにいるかを探してみたが、全然見つからないので学校を後にする
いつものようにどこからか視線を感じるがおそらく彼女のだろう、家にいても物が無くなることがなかったし
このようならストーカーが誰なのかも突き止めてくれるはずだ
満足げに自宅で過ごしていると、唐突に彼女が目の前に現れた
「……今日の分の報酬をもらう」
……キスなら最初にしてもらったのだが、追加報酬と言うことなのだろうか？
少し首を傾げると、彼女は自分のマスクを外す
やっぱり口元も美人だから外せばいいのに
「……あれは前金、今日の報酬は今からもらう」
どうやら彼女は日雇い制らしい
俺は了承して、少し恥ずかしいが目を瞑って待機している彼女にキスをする
先ほどと同じように口をつけるだけの軽いキスのつもりだったのだが、彼女が俺の頭を捕まえて自分の舌を無理矢理俺の口の中に割り込んできた
彼女の舌が生き物のように俺の口内を這いまわり、俺の舌を捕まえるとまるで獲物を捕まえた蛇のように絡み付いてきた
流石は魔物娘というべきか、キスだけでもイかされてしまいそうな快楽を与えてくる
どれぐらいの時間だろうか？彼女が満足するまでその行為は続けられ、快楽に震え、悶えるしかなかった俺が解放される
「……満足♪」
彼女はそれだけ言うとお互いの涎などで汚れた口元を拭い、マスクをした
少しの間俺に熱い眼差しを送ってきたかと思うと、また姿が消えた
……こんなのが毎日続くのかぁ
嬉しいいとも思うが、生殺しなので勘弁してほしい
私は彼のことが好きだ
彼の脱ぎたてのパンツを盗んでオカズにしてしまうぐらい好きだ
のほほんとしている彼は非常に魅力的だ
今、私の目
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