暗黒の怪”悪竜”は森林の大洞穴に実在した!!

火薬の用途は、推進、発破、焼夷、爆破、及び信号用などである。
では、こんな洞窟の中で何故火薬が発見されたのか。
丸い陶器に火薬がギッシリ詰められており、導火線が天辺についている。
まるで、漫画などに出てくる爆弾そのものの形をしたこの球体が2つ、無造作に転がっていた。
それを拾い上げ、肩から提げている鞄に詰め込む。
もう火薬が湿気ったりして使えないかもしれないが、無いよりはマシだ。

「発破用かな、これ」

用途がサッパリわからない。
とりあえず落ちているものを何でも拾い上げるのはやめたほうがいいかもしれない。
そう思いはするものの、やめられない。
貧乏人の性である。


真ん中の道をノロノロと進んでいるのは、金探しを提案した生徒本人だった。
連れの2人は左右に別れ、1人寂しく真ん中の道を進んでいる。
道の隅々まで松明で照らして金を探しているのだが、見つかるのはガラクタばかり。
人が居た跡、確かにこの洞窟を発掘していたであろう形跡は見つかったのだが。
肝心の金は、どこにも無かった。

「もう銀でも銅でもプラチナでも何でもいいから出てきてくれよー」

どんどんハードルが下がっている。
下がってはいるが、何かがあると言う事を前提に話を進める辺り、まだまだ考えが甘い。
しかし、希望を捨てては総てが終わる。
物事に重要なのは度胸と浪漫だ。

「ここで諦めちゃああいつ等に合わせる顔が無いッ!」

それに、一攫千金を夢見るのは別に自分の為だけではない。
何としても、金を見つけて持ち帰る。
そうすれば、家族を養える事が出来る。
地道に働けと言われても、貧乏人が稼ごうとすればそれなりのリスクが伴うものだ。
危険も覚悟の上だ、例え神や悪魔が立ちはだかろうとも、打ち破ってみせる!

「気持ちだけなら勇者にだって負けないさ」

勇者とか、冒険者とか、傭兵とか、戦士とか、騎士とか…
まあ色々あるけども、自分はどれにも該当していない。
村で話しかけられる村民Aくらいの役割だ。
そんな奴が冒険してるんだから、世の中変わったもんだ。

「しっかし、何もねえや」

採掘道具などが散乱している場所を見つけて、これは何かあるなと期待したが、空振りだったかな。
ハンマーやノミやザルや…色々あった。
さっきの丸い物体を発見したのもそこだ、だから発破用の爆弾かと思ったんだが…
とにかく、行き止まりまで進んでみる。





ちょっと気になる事があった。
先へ進むほどに、通路が狭くなっていく。
と思えば、ある地点を境に今度は通路がどんどん広くなっていっている。
その境目になった場所には、小さい社のようなものがあった。
ジパングの宗教はよくわからないが、こういうのは大体判る。
きっと安全に作業できますようにとか、金が取れますようにとかそんな願いが込められた祭壇だろう。
これは期待が持てる。きっとなにかある。

「おお…おおお!!」

それからしばらく歩くと、開けた空間に出くわした。
自分の発した驚嘆の声が反響するのがわかる。
上を見れば、遥か上の天井から、うっすらとだが光が漏れていた。
しかし、それよりも目を奪われたものがある。
自分の足元や、周りの地面に無造作に転がっている…
手に持つ松明の炎の光が鈍く反射するその物体…

「き、金じゃねえかッ!!」

地面を埋め尽くす程の金の塊が、あちこちにあった。
サイズは大小様々だが、どれもこれも本物だ。
だってそうだろう?こんな場所に偽物を溜め込んでどうするってんだ。
これはきっと本物、流石黄金の国ジパング、スケールが段違いだ。

「うっひょー!これで遊んで暮らせるぜぇ!」

さっそくお持ち帰りしょう。
まず手頃なサイズのものを見繕って、鞄に詰め込む。

「あら…クソッ!入らねぇッ!」

ここに来るまで、いろんな物を拾って来たからだ。
余計な物が鞄の中に詰まっている。
一度、持ち物の整理をする為、その場に腰を下ろして、鞄の中身を全部取り出す。
松明を傍らに置き、その明かりを頼りに、選別を始める。
まずは途中で拾った採掘用と思しきハンマーやノミ。

「…これはいらないか」

ポイっと捨てる。
次に手にしたのは、さっき見つけた社の中にあった、木の札。

「何て書いてんのかわかんねぇ」

持ってても仕方ないので松明で燃やす。
更に社の前に供えられていた小さな酒樽。

「…飲むか」

前祝いとして、美味しく頂く事にした。
パっと見水のような透明の液体だが、鼻を近づけるとアルコールの臭いが確かにする。

「何か容器無いかな…」

酒盛り用に、酒を注ぐものが欲しい。
辺りをキョロキョロ見渡すと、何か白い半球体状の物を発見した。
少々みすぼらしいが、この際文句は言えない。

「変な形だなぁ〜」

丸いほうを下にして、酒を注ぎ入れる。
しかし、こ
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