緊急特報!森林奥地に邪教集団を発見した!!


「…ここは?」

明かりが見えた。
長い長い暗闇を歩き、ようやく見つけた出口だ。
彼は、右の道を選んだ生徒である。
左を行った生徒は、雪女に襲われてしまった。
真ん中を行った生徒は、ドラゴンと出会う事になるだろう。
では彼は、一体何に出会ったのだろうか?


出口から飛び出した先に見えたのは、何の変哲もない森の中だった。
もう見慣れた、鬱蒼とした森の姿が目の前に広がっている。
何か、仕掛けや襲撃の類が無いかと一瞬身構えた生徒だが、すぐに警戒を解いた。
どうやら、こっちの道はハズレのようだ。
考えてもみれば、金山なら出入り口が1つなんて事は無いだろう。
自分が選んだ道は、そういう用途の為のものか。

「当たりがあるとすれば、左か真ん中か…」

せめて、左が当たりであってほしい。
真ん中が当たりと言うのは気に食わない話だ。
アイツは、出来るだけ酷い目に会って欲しい。
死ね、とまでは言わないが、あの生意気な鼻っ柱をヘシ折る程度の事はあってほしい。
素直にそう思う。

「神様に祈るか…」

困ったときのなんとやら、である。
そんな事を思いながらも、一応周りを調べておくことにする。
森の中へと、足を踏み入れる。
やはり、今まで自分たちが居た森と、何の変わりも無い。
背の高い木々が天井を覆い、太陽の光もあまり届かない。
そんな中を、宛も無くたださ迷い歩いている。

「…ん?」

しばらくは、変化を見つけられないでいたが、微妙な違和感を覚えた。
それは、一見するとただの石苔の生えた石だった。
だが、よく見ると、その石は、明らかに人の手が入ったものだ。
角が無く、丸く加工されている。
それが1つだけなら、自然の悪戯と言う事で済まされたかもしれない。
問題は、それが規則正しく、奥のほうへと続いている点だ。

「何かあるかな」

このまま引き返してもいいのだが、やはり探究心の方が勝る、男の子だもの。
地面を注意深く見つめて、その石が置いてある方向へと足を向ける。
横道に逸れてしまったがまあ大丈夫だろう。
しかし、奥に進むにつれてどんどん道が広がっていく。
最初は、苔の生えた石ばかりだったのが、今では殆ど苔の生えていない石に変わっている。
疑惑が、確信へと変わっていく。
石に苔が無い、と言う事は、人通りがあると言う事だ。
人と会えるかもしれない。
そう思うと、足取りも軽くなる。
石を辿り、先へ先へと歩みを進める。
すると、急に石の道が消えた。
目の前に、やはり石を使った段差が用意されていた。
これは、石段だ。
その石段を、一歩一歩確かめながら、上へと登る。

「なんだあれ…?」

長い長い石段を登り続ける事数分、慣れない事をしたせいか、膝が悲鳴を上げている。
何とか踏ん張ろうと顔を上げた時、妙なものが目に入った。

「門…か…?」

2本の大きな柱に、横になった柱がくっ付いている。
何とも異様な光景だった。
それが門なのか、はたまたオブジェのようなものなのか。
更にその左右には、少し小さい同じ門のようなものが置かれている。
よくはわからないが、とにかく終着点は見えた。
一気に石段を駆け上がり、その門のようなものをくぐる。

「ヘェ…ハァ…体ッ…鈍ってんなぁ…」

石段を駆け上がった途端、その場に尻餅をついてしまった。
慣れない密林での生活に加え、考え無しに体を酷使した報いだ。
肉体的な疲労が、ここへ来て一気に噴出してきた。

「そういえば…食料…探すんだっけ」

今更ながら、当初の目的を思い出す。
一体自分は何をやっているんだ…

「しっかし…高いなぁ」

呼吸を落ち着けてから、改めて辺りを見渡してみる。
まず目に入ったのは、奥にある山形の建築物。
床が高く、木の質感そのままの質素な作りのその建物だった。
そして、その左右に置かれている動物の石造。
一瞬ガーゴイルか何かかと焦ったが、どうやら違う。
あれは犬か?
とにかく、目に入るもの総てが興味の対象になる。
だが、今一番興味があるのは…

「参拝客か?」

いつの間にか、間近でこっちの顔を覗き込む女性。
白い服に赤い袴を身に纏い、手には箒を握っている。
掃除の途中だったのか。
長く美しい黒髪に、褐色の健康的な肌色。
だが、頭部からピンと伸びた獣耳に、手足を見れば獣のそれ。
そしてふさふさの尻尾と…特徴を見れば一目瞭然。
魔物だ。

「ん、どうした?私の顔に何かついているか?」

「あ…あ…」

そりゃあ、ここは魔物の森だと聞いたので、魔物が居てもおかしくはない。
しかし、しかしだ、魔物にだって生息地域があるだろう?
目の前に居る魔物…彼女は、この場に居るにはどうしても不自然過ぎる。

「人の顔を見て絶句するとは…」

「いや…だってそうだろう…なんでジパングに…」

ジパングには決して居るはずの
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