驚異!幻の民族は密林奥地に実在した!!


さてさて、鉄砲というものがこの国に伝来した経緯を諸君は知っているかな?
細かい説明は省くが、ある島の島主が異国の船が来航した際、二丁の銃を購入したのが始まりである。
その鉄砲により、一大軍事革命をもたらした。
しかしそれは単に鉄砲のみが伝来したことではなく、諸々の製造方法が獲得された事を意味する。
鉄砲本体のみではなく、火薬、弾丸、火縄などの付属品を含めた総合的な製作、製造技術。
それらが移転される必要がある。
では今回は、その技術移転の実態からその問題点を見ていこうと…
ああ、どいつもこいつも寝とる…







「何だっけ…?」

「どうした急に」

食料を探す傍ら、頭に浮かんできたのは前に行われた授業の風景だった。
話が話しなので、みな睡眠を貪っている。
かく言う自分もその中の1人だった。
朦朧とする意識の中で、それを聞いていた?のを思い出す。

「いやぁ…なんか問題点がどうのこうのと」

「だから何の話よ」

草木を掻き分けて、とりあえず食べられそうな物を探す。
しかし、やっぱり素人目には何が食用に適しているのかサッパリだ。

「確か縦に裂ける茸は食える…って」

「迷信らしいぞ、それ」

「マジで?」

手にした茸を捨てる。
もう1人の友人は、自分より知識があるようだが、それでも通説の域を出ない。

「熊に出会った時の対処法は知ってるか?」

「確か死んだフリは駄目なんだよな?」

熊は雑食らしいので死肉も食らうとか。
グリズリーなんかに会った時も同様だ。
お持ち帰りされてしまう。
「音を出す?」

「あと目を見る」

「坂道は登るのが苦手なんだっけ?下るのだっけ?」

「…わかんねぇ」

出会わない事を祈るしかない。
音を出して存在を知らせる、と言う方法は知っている。
でもそれは逆効果かもしれない。
敵は野生動物だけではないから。

「甘いもん食いたいな」

「蜂蜜とかあるんじゃねえの?」

「いや…それ危険過ぎないか?」

どっちにしろ襲われる危険が多い。
慎重にならざるを得ないので、作業は全く捗らない。

「茸の類は先生に見分けて貰えばいいんじゃないか?」

「あの人絶対面白がって毒茸食わせたりするじゃん」

「そこで即座に否定出来ないのが凄く辛いんだよな…」

先ほどまで他の組の連中と一緒に居たのだが。
急に埋蔵金だのマイ雑巾だのを見つけると意気込んで走り去ってしまった。
完全にノリが探検隊とかのそれである。
そうして、いつ来るともしれない襲撃者の影に怯えながらも、更に奥へと足を進める。
しばらく歩いていると、友人があるものを見つけた。

「おい、あれ家じゃね?」

「うん…だな」

友人に指摘される前から、その建物の存在に気付いてはいた。
その建物は、小さな茅葺屋根の平屋がぽつんとそこに立っていた。
屋根からは煙が立ち昇っており、生き物が生活している証拠が見て取れる。
普通なら、喜び勇んで扉を叩くのだが、今回はそうはいかない。

「魔物だよねぇ」

「だって人居ないってアカオニさん言ってたもんな」

必然的に、あの家に居るのは魔物と言う事になる。
問題はその種類だ。
話のわかるタイプなら、何とか交渉出来る余地はある。
逆に最も恐れるのは、問答無用で襲い掛かるタイプ。
その見極めも重要だ。

「う〜む…」

「行こうぜ?」

などと頭を悩ませている自分を尻目に、友人は歩き出す。

「おい、もうちょっと悩めよ」

「バッカだなぁお前、よく考えてみろよ?」

確かに危険はあるだろう。
しかし、民家を構えていると言う事は、ある程度人間と交流出来るハズなのだと友人は言う。
いきなり襲い掛かってくるような種類の魔物が、そもそも家など構えるか。
火なんておこせるもんか、と胸を張り説明する。
最後のはどうか知らないが、成程確かに一理ある…かもしれない。

「それにこっちは2人だぜ?何かあったら」

「協力して立ち向かえばいいと?」

「お前を犠牲にして逃げられるし」

「俺たち親友だよな?なぁ?」

友人が目を逸らす。
友情などと言うものは、容易く亀裂が入るものだと誰かが言っていた。
その通りなのかもしれない。

意を決して、扉の前まで来る。
深呼吸をしてから扉を数回、コツコツ叩く。
すると、扉の向こうから声がする。
やはり若い女の声だ。
身構えてい待つ事数十秒。
扉が勢いよく横に開かれる。

「引き戸か…」

すると、部屋の中から熱気が勢い良く襲ってきた。

「熱ッ!?」

「なんだここ…」

更に奥からは、何か硬い物を勢い良く打ち付ける音が響いている。

「こんな所にお客さんとは…珍しい事もあるもんだ」

声がする、先程と同じ、若い女の声だ。

「しかも異国の若い男たぁ鴨が葱背負って来たようなもんじゃねえか…」


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