クリスマス。
日本では家族や恋人と過ごすイベント。
子供は枕元にプレゼントが置かれ、恋人達は性夜を過ごす。
では、それ以外の人達、主に彼女や妻がいない男性は?
大人になってしまった男はどうするのか?
友達と一緒にドンチャン騒ぎをする人もいるだろう。
しかし、そんな時は決まって誰かが、
「なんでクリスマスに野郎同士で集まってんだ?」
と言うのだ。
そしてため息をつき、彼女がいれば、などの話に花を咲かせる。
まぁ、それはいい。
いや、ホントは良くないけど今の俺よりかはまだマシだと思う。
今年の俺は寂しく一人で聖夜を過ごすことになっている。
ああ、今年はクリスマスが中止になればいいのに。
「っと、以前はそんなこと考えてた時期もありました!」
そう、なにもクリスマスに寂しい思いをしているのは男ばかりではない、魔物娘もそうなのだ。
話が逸れるがこの世界、主に日本では魔物娘の異世界からの移住が認められている。
認められて半年も経たないが関係は良好、表立った問題も無いように見える。
ニュースに取り上げられる以前から社会に潜伏していたらしいが、魔物娘の存在が囁かれ始めた当時はネットのオカルト関連の記事で多少もてはやされるぐらいで、認められた後も人々の生活はほとんど変化しなかった。
そんな人々と良好な関係を作っている魔物娘達は季節ごとのイベントが行なわれるたびに不満を漏らしていた。
出会いが無い、イチャつくカップルが妬ましい、なぜ私だけが独り身なのか、と。
しかし1ヶ月前そんな魔物娘の怨恨の声がピッタリと止んだ。
それと同時にこんな噂が彼女や妻がいない男達の間でよく話される様になった。
魔物娘専門マッチングサイト「魔物娘といっしょ!」
このサイトは悪いいい方をすると「出会い系」と呼ばれるものだが、サクラがいない、情報は正確、時間さえ合えば必ず会える代物らしい。
しかし、『選ばれた者』、『招待された者』しか見つけることができず、見つけた者は一週間似内に彼女ができるというものだった。
そして俺はその『選ばれた者』になったのだ!
気づいたのは今日、いつものようにメールをチェックしていると「魔物娘といっしょ!」と書かれたメールが送られていた。
俺はすぐにメールを開いた。
あなたは1759人目に選ばれた人です。
魔物娘と一夜を共にしてみませんか?クリスマスは魔物娘と楽しく過ごそう!
マッチングサイト「魔物娘といっしょ!」 詳しくはWEBで!!
やっぱりそうだ、これは「魔物娘といっしょ!」への招待状だった!
メールに記載されているURLをクリックする。
最初に現れたのは登録画面。
どうやら登録しなれば利用できないらしい。
登録は名前と住所、あと今後ログインする時に使うパスワードを入力するだけだった。
ログインすると中央にプロィールの編集画面、画面の上の方にはメールボックス、魔物娘の検索、デートプランというボタンがあった。
メールボックスは連絡を取りたい魔物娘にメールを送る機能だ。
検索機能は自分が住んでいる付近の魔物娘の中から種族を絞り込むことしかできない。
他にも「おすすめボタン」なるものもあり、検索以外に「あなたとベストな関係になれる」魔物娘を勝手に選択してすすめてくれる。
こちらの方は地域などに縛られないため検索ヒット数は多い。
検索が面倒と思う人用に「リリム様の一押し!」というもあり、登録されている魔物娘一人をランダムに検索してくれるらしいのだが、これがランダムかどうかはわかっていない。
聞いた話よると、何度やっても同じ相手が出てきたり、相手を決めた直後に家のインターフォンがなったりした、などの噂や、自分好みの相手しかヒットしない、検索でヒットしなかった理想の相手がヒットしたなど噂もあるので、これが良い機能なのかどうかは判断に困る。
「さて、どんなかわいこちゃんがいるのかな?」
早速検索機能を使いPCの前で吟味する。
「なるほど、ウシオニやオーガ、アカオニなんかも結構いるな。あ、アオオニの子が取られた。ふむ、これはグズグズしてられないな」
ここではお互いが同意し会うことが決まった魔物娘から他人の選択画面から消えていく、つまり早いこと相手を見つけないと次々と取られてしまうのだ。
しかし、検索でヒットしたのはウシオニ、オーガ、アカオニ、ゴブリン、あとさっき取られたアオオニの5人だけだ。
「といっても、ささやかなクリスマスを送りたいしな。飲み会みたいなドンチャン騒ぎは別の機会に……っと、お?」
上の方でメッセージが届いたと知らせる「!」マークが点滅している。
このマッチングサイトではなにも男性ばかりが魔物娘を選ぶばかりではない、魔物娘も男性を選んでくるのだ。
「でもおかしいな。さっき登
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