裏を歩く者達





いつものことですが・・・・

                         by. Cap meshi han-ninmae











「テオフィル」

「?」


レティシアが慌てた様子で、しかし何か恐ろしい物を見たかのような表情でテオフィルと
ヴァネッサが野宿をしている場所へと帰ってきた


「どうした?そんな顔をして・・・・・・」

「・・・・・いえ、あの・・・私疲れているのかもしれません」

「? どうしたのだいきなり」


レティシアは頭を抱えながら溜息をつくとテオフィルの隣に腰を下ろす
先ほどレティシアは顔を洗うと言って近くの川へと向ったのだが・・・何やら顔を洗った
様子でもなく・・・・そのままとんぼ返りしてきたようだ


「・・・・変な物を見てしまいました」

「変な物?」

「・・・・なんといいますか・・・・妖精といいますか・・・精霊といいますか・・・でも、あんな妖精が
いるわけもありませんし・・・・いえ、いてたまるものですか・・・・あんな・・・・妖精・・・」


本当に青い顔をしたままレティシアは俯いて何もいわなくなってしまった
テオフィルとヴァネッサは顔を見合わせて首を捻った・・・・


「・・・・・少し見てくるぞ」


ヴァネッサは立ち上がったのだがレティシアは首を横に振る


「いや、やめてくださいまし!そんな事をされてはあれが幻かどうか確認されてしまうでは
ありませんか!」

「いや、そのために行くんだが・・・危険性があるのならば放ってはおけん。見てくる」

「ヴァネッサ!」

「ヴァネッサほどの腕前ならば、危険な相手でも逃げてくる事ができる・・・・頼む」

「ああ、まかされよ」

「・・・・・・・・」


ヴァネッサは気を引き締めて息を吐き出し、剣の柄に手を添えながら森の奥へと入っていった


「・・・・・・・」


テオフィルは隣にいるレティシアの肩を叩いてやる・・・・レティシアはやや目を伏せていた

テオフィル等は中央の森を抜けたあと草原を抜け、次の町へ立ち寄り補給を行った後
例によって関所をかいくぐる為に林を抜ける事になった

林とは人の手が入った樹が生い茂る場所の事を指しているのだ。一見森と言っても
差し支えない場所に見えるが、ここはケンタウロス族が生活圏としているため。
彼らが手を加えている場所である、つまり彼女等の縄張りであるのだ

ケンタウロス属は獣人型の中でも総じて理知的であるという事で、進んで男性を襲うことは
少ない、危険性の高い魔物とは言わない

そういうことで三人は危険性が少ないその林を抜ける事にしたのだ。


「(しかし・・・・もし危険な者がいるならば・・・・)」


何も危険な連中が魔物だけとは限らない、盗賊や、モンスターハンター・・・あるいは
こうした魔物のテリトリーだという噂を流して潜伏する「裏社会」の連中達も少なくない

テオフィル自身、この森は以前にも通過した事があり。その時は森の奥でケンタウロスと
接触する事も出来たので、彼女たちがいるということは間違いない。
だからこそこの森を通過しようとしたのだ


「・・・・・・」


と、そうこう思考している間にヴァネッサが帰ってきた・・・・


「どうだ?ヴァネッ・・・・・」


ヴァネッサはレティシアと同じような表情で帰ってきた


「・・・・何かいたのか?」

「まあ・・・なんだ・・・・あれは・・・そう、例えるならば妖精だ・・・・確かに妖精だったよ」

「妖精族がいたのか」

「妖精と言うよりは・・・・妖精と言うよりは・・・・羽もなかったし・・・・小柄でもなかった
だがまあ・・・その・・・・妖精なんだよ、よ?」


挙動不審、情緒不安定・・・・レティシアは僅かに震える唇でそう呟いていた
テオフィルは何を見たのかは知らないが、ヴァネッサ程の者がこうまで脅える何かが
確かにあの先には存在していたらしい・・・・


「・・・・・・一体何がいた?危険な物なのか?」

「・・・・ぐ、具体的には表現できん・・・・危険かと言われれば危険かもしれん・・・
しかし、この・・・・なんていうか・・・・・形容しがたい神秘的なものもあるんだ!」

「・・・・意味が解らん、俺が見てくる」

「や、やめろ!あれは見ないほうがいい!!」


ヴァネッサは慌ててテオフィルを止めるが、その力は脅えていて微弱であった


「いや・・・・やはりこういうのは自分の眼で見てくるに越した事はない・・・・
ヴァネッサはレティシアと共に此処にいろ」


テオフィルはそう言い残して、二人が向った小川が流れる場所へと向っていった


「・・・・・・・」


テオフィル自身、長らく一人で裏社会で生きていた身であり
道中盗賊に襲われるだの魔物に襲われ
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